イタリア料理ほんやく三昧

2017年10月16日月曜日

南イタリアの若手ナンバー1、ジュゼッペ・ラチーティシェフ

九州で山が噴火しそうになっていますが、日本もイタリアも火山の国。
ヨーロッパで一番高い活火山は、シチリアのエトナ山です。
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毎年忘れた頃に噴火のニュースが遠く日本まで飛び込んできますが、このエトナ山は、ヨーロッパのワイン造りの現場でもっともトレンディーな場所になったりする注目の場所です。
6月号の「総合解説」のグルメガイドで取り上げたのが、このエトナ山。
ワインの生産量はわずかでも、それにまつわる観光業の成長が大量の観光客を引き寄せました。
それに伴い、ホテルやレストランも増え、エトナ山は美食の観光地となったのでした。
観光客だけでなく、優秀な料理人も集まりました。
シチリアは貴族文化と農民文化の両方が花開いた島で、高級ホテルやレストランと、トラットリアやオステリアが共存しています。

「総合解説」で紹介したのは、まずはザーシュ・カントリー・ブティック・ホテルのジュゼッペ・ラチ―ティシェフ。

ザーシュ・カントリー・ブティック・ホテル
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ホテルはカターニアとタオルミーナの中間のリポストという町にあります。
彼の料理はとてもクリエイティブ。
ボキューズ・ドールのイタリア代表にも選ばれていて、シチリアの期待の若手の筆頭です。
南イタリアのナンバー・ワンだという声もあります。





ガーラ・ディ・グストというエトナ山周辺の30歳以下のコンテストで優勝しています。
ちなみに審査員長はチッチョ・スルタノシェフ。

チッチョ・スルタノシェフの料理は「総合解説」6月号でも取り上げていました。
次回は彼の話でも。


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“グルメ旅~エトナ山”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月12日木曜日

ナポリのドルチェ

「総合解説」5月号の料理書のレシピの翻訳は、カンパーニア地方のコントルノとドルチェでした。
ニュートンの地方料理シリーズには、ナポリのドルチェだけの1冊があるので(こちら)、地方料理、魚料理と合わせて読めば、ナポリ料理はかなりカバーできそう。

ナポリのドルチェの本の前書きにあった、
「イタリアのドルチェの3本柱は、シチリア、ピエモンテ、そしてナポリのドルチェだ」
から始まるナポリ料理の解説は、とても印象深いものでした。
本の解説のページに訳を載せておきましたので(こちら)、よろしかったら読んでみてください。

「ナポリは、スペインブルボン家のナポリ王国とシチリア王国の首都として栄え、19世紀にはイタリアで最も人口の多い都市となった。
貴族、農民、都市、職人の食文化、この4つの要素を全て持つナポリのドルチェは、イタリアのドルチェのシンボルとして広まった」

個人的には、この4つの要素+家族の結びつきが強いナポリ人気質。
イタリアは20の州全てに 個性的な食文化があり、そのすべてが集まってイタリア料理を形成しているわけですが、特に影響が大きい州が、北のピエモンテ、南のシチリア、そして都市の代表、カンパーニア、正確に言えばナポリ。

ラツィオとカンパーニアの地方料理のレシピを半年かけて訳してきましたが、この作業を通して、ますますナポリ料理の重要性が分かってきました。

ババ、パスティエーラ、スフォリアテッラ、トルタ・カプレーゼ、デリツィアなどなど、ナポリには唯一無二のドルチェがたくさんあります。
訳していて、とても楽しかったです。









ナポリ愛溢れる上の動画のup主さんは、観光客はみんなナポリを素通りしてアマルフィに行くけど、本物のイタリアを知る機会を放棄しているなんて残念だねえ、と書いています。




こちらもナポリ愛を感じるBBCの番組。
ナポリ料理を貴族料理の側面から紹介する切り口がユニーク。


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“ナポリ&カンパーニア料理”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年3~6月号に載っています。
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2017年10月10日火曜日

イタリアの3大クラフトビール

先日、イタリアの知り合いから電話があって、
「日本グランプリのニュース見たからどうしてるかなあと思って電話した」とのこと。
「・・・すいません。何のことかわかりません」
車のレースがどうこういってるけど、そんなニュースになるほど大きなレース、何かあったっけ。
車好きの人ならすくにわかるんだろうけど、
北イタリアの年金暮らしのご隠居が、日本人なら知ってるに違いないと思って電話かけてくるレースって、何?
TVのニュースには一切出てなかった気がするけど、鈴鹿で行われた日本グランプリの話題で楽しく盛り上がろうとでも思ったのでしょうか、ご隠居。
結局どこが優勝したのかさえ知りません。
イタリア人と日本人の車に対する温度差、かなりあるなあとおもった出来事でした。

話は変わって、今日のお題は、ビールです。
ガンベロ・ロッソ誌に、「イタリアの主要クラフトビールメーカーは、バラディン、ビッリフィーチョ・イタリアーノ、ランブラーテの3社だ」
とありました。
バラディンのことは度々取り上げているの、今日は後者について。

ビッリフィーチョ・イタリアーノ
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ランブラーテ
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どちらもとても個性的。
とやかく言うより飲んでみたい。

どちらも創業が1996年。
この年はイタリアのクラフトビール元年。
この大ブームは20年の間に起きた事なんですね。
バラディンはこの年に醸造所から、造って販売もするブルーパブになっています。

記事ではイタリアで国産ホップを使ってビールを造ることの大変さが説明されていますが、その大変なことをやり遂げる人材や、メーカーと一緒にビール造りに取り組む農家がいたことが、イタリアビールの成功のポイントでした。

イタリアのビールは醸造者が脚光を浴びるクラフトビールbirra artigianaleから、農業と結びついた自然の産物、農業ビールbirragricolaへと進化して国際マーケットで生き残る道を探っています。



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“イタリア産原料のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年10月5日木曜日

ペコリーノ・トスカーノ

今日の話題はペコリーノ・トスカーノ。

先日、ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題について考えて以来、ペコリーノが気になっています。



ペコリーノ・トスカーノも歴史の古いチーズです。
ローマから製法が伝わったそうです。

でも、ペコリーノ・トスカーノにはしょっぱい問題は起きていないようで、やっぱり純粋にその地方の味の好みなんでしょうか。

とは言え、ペコリーノ・トスカーノにも問題はありました。
ここ数年、生産量が減少していています。
脂肪を減らしてタンパク質を増やすという、栄養価からのアプローチは、現代の消費者に合わせる変化の代表的なものですが、ペコリーノ・トスカーノの生産者が考えたのは、ピスタチオ風味やトリュフ風味の製品を作る、という新製品の開発。
フレーバー付きのペコリーノ・トスカーノがトレンドの最先端と言えるかも。

ペコリーノはイタリア各地で造られていますが、代表的なのは、ロマーノ、トスカーノ、サルドの3種類。
しかもロマーノは大部分がサルデーニャで造られていて、トスカーナで造られているものまであります。
それでもペコリーノ・ロマーノとサルドを味見すると、かなり違って面白いですよね。

ロマーノと比べるとサルドもかなりマイルドですが、トスカーノは3つの中で一番マイルド。
ペコリーノ・トスカーノの製造の中心地はシエナ県のピエンツァ。
ヴァルドルチャの中にあります。
ヴァルドルチャは、シエナ県の4つの宝のうちの一つ。
あと3つは?
1つはピエンツァ。
残りは「総合解説」を読んでください。

ペコリーノ・ディ・ピエンツァ
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ヴァル・ドルチャ
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はー、心が洗われますねー。
世界遺産。

ピエンツァ
歴史地区はもちろん世界遺産。
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今すぐ飛んで行きたい~。


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 “シエナ県”のグルメガイドの日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年10月2日月曜日

サラミーニ・カッチャトーラ

今月のメイド・イン・イタリーの食材は、サラミーニ・カッチャトーラ。
名前は聞いたとあるし、多分食べたこともあるはず。
イタリア産として世界中に誇るサラミだったのですね。

サラミーニ・カッチャトーラをざっと紹介する動画2つ。
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総合解説」にもありますが、このサラミは、元々は農民が狩りの間に食べるために作ったサラミだそうです。
猟師風といっても、作ったのは豚を飼っていた農民と考えるのが自然。

発祥地はイタリア北部。
北のサラミーニ・カッチャトーラはデリケートな味ですが、ラツィオやアブルッツォなどでは強い味が好まれたので、北部と中・南部では味が違うらしいですよ。
このことはペコリーノ・ロマーノの時にも指摘しました。北部と中・南部では、味の好みにも違いがあるようで、面白いですねー。

さらに、歴史問題もあります。
このサラミもペコリーノのように歴史の古いサラミです。
しかし、近年は現代人の嗜好に合わせる傾向が強く、脂肪を減らしてタンパク質を豊かにする傾向があるそうです。

現代人の嗜好に合わせると言っても、原料など基本の製法は変わりません。
イタリア産豚肉100%で、これを挽いて練り、塩とスパイスで調味したら腸に詰めて細長いサラミ型にします。
熟成期間は25日以内。
柔らかく仕上げるのが特徴。

甘くて酸味がないサラミなので、前菜やアペリティーヴォに向いています。
相性が良い組み合わせはニョッコ・フリットやフォカッチャ。
総合解説」ではそば粉入りのニョッコ・フリットのリチェッタを紹介しています。
さらに、パンチェッタの代わりにカルボナーラに入れたり、サルシッチャの代わりにパスタに入れても美味しいんだそうですよ。
元々豚肉ですからね。
色々使えそうです。





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 “サラミーニ・カッチャトーラ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月29日金曜日

イシデとロマーノシェフのラ・パロリーナ

今日は今月の「総合解説」で紹介したご夫婦シェフ、イシデとロマーノのご紹介。
店の名前はラ・パロリーナ。
店の場所はラツィオ、トスカーナ、ウンブリアの州境、と解説には書きましたが、正確にはヴィテルボ県のトレヴィナノという町にあります。
ラツィオ州です。
名物料理が“卵のカルボナーラ”だというのも納得。




動画に登場しているのは奥様。
ご主人はシャイな性格なんだそうです。
奥様はバリバリに活躍中のシェフと勝手に想像してたら、とっても優しそうで謙虚な人。
料理は素朴な地方料理とクリエイティブなアルタ・クチーナのぎりぎりの境目あたり。
自然体で落ち着きます。

イシデの動画はいくつもあるのですが、ロマーノが写っているのは下の動画くらい。
質問にてきぱき答える奥様と、無邪気な笑顔でニコニコ答えるご主人、いいコンビだなあ。



ラ・パロリーナの料理
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卵のカルボナーラ
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卵白はメレンゲにして、卵黄は揚げて、グアンチャーレのチッチョリとこしょうを散らした1品。
地方料理と創作料理の境界線上の料理。


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“イシデとロマーノ”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月25日月曜日

エミリア・ロマーニャのパスタ、ピザレイ

今月の「総合解説」から、まずはピアチェンツァのパスタ。

ソラマメと生イクラのピザレイです。
こんな料理。

ピザレイは、小粒のニョッキで、ルネサンス時代に流行したパンのニョッキに似ているそうです。
材料が小麦粉とパン粉、というのを聞いただけでも質素な農民料理ということが想像できます。
でも、イクラのおかげてモダンでゴージャスな1品に仕上がっています。



カヴァテッリによく似てますねー。
ピザレイの方がせっかちな人向けかも。


次は同じく今月の「総合解説」の地方料理で取り上げたカッチュッコ・アッラ・リヴォルネーゼ。

そういえば、世界中で水害がおこっていますが、リヴォルノでも、今月初めに大きな被害が出たそうです。




カッチュッコについては何度も取り上げてきましたが、この料理が生まれた由来について、記事にはさらっと新説が取り上げられていました。
この料理は魚の種類が多いことで知られるズッパ・ディ・ペッシェですが、それは、海で死んだ漁師の未亡人のために、その日の水揚げから少しずつ魚を分け与えると言う習慣があったからだというものです。
これだけの団結力があれば、水害も乗り越えていけるはず。
この料理のイメージがちょっと変わりました。




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“ソラマメと生イクラのピザレイ”のリチェッタと“カッチュッコ・アッラ・リヴォルネーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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