2008年2月22日金曜日

トンノ・ヴィテッラート?ゾーラ?

今月配本のア・ターヴォラ、一番最初の料理を見て、思わず笑っちゃいました。
「トンノ・ヴィテッラート」だって。
P.40です。

解説するのも野暮ですが、ヴィテッロ・トンナートのダジャレですねー。
イタリアの料理雑誌で、こんなお遊びはちょっと珍しい。

ヴィテッロ・トンナートは、ヴィテッロ=子牛肉+トンナート=ツナのサルサ。
海のないピエモンテで、なぜかマグロを使った夏の名物料理。

一方、このトンノ・ヴィテッラートは、トンノ=マグロ+ヴィテッラート=子牛肉のサルサ。
子牛肉を炒めて、アンチョビー、ケッパー、マヨネーズと一緒にミキサーにかけてサルサにして、それをマグロのたたきにかけるという、かなりの荒業。
これ、先に料理の名前を思いついて、それからリチェッタを考えた疑惑が湧き上がるなあ。

イタリアの料理雑誌は、日本のものと比べてかなりまじめな作り。
そんな中でこのネーミングは、かなり画期的ですよ。
編集会議で揉めたかも。

このところ日本では、KYなんて省略語が大流行りですよね。
考えてみれば、「イタめし」、なんてそのはしりなのかも。
まじめなイタリアの料理雑誌では、省略語や流行語の類はまず見ないのですが、最近、ある言葉をよく見かけるようになりました。

たとえば、同じア・ターヴォラ、P.68の料理。
原題は
「Fagottini di verza ripieni di patate e Zola piccante」(ファゴッティーニ・ディ・ヴェルザ・リピエーニ・ディ・パターテ・エ・ゾーラ・ピッカンテ)

“ファゴッティーニ・ディ・ヴェルザ”とは、ロールキャベツのこと。
“リピエーニ・ディ・パターテ・エ・ゾーラ・ピッカンテ”は、その詰め物の説明で、じゃがいもとゾーラ・ピッカンテの詰め物、ということです。

ゾーラ・ピッカンテ・・・。
これが問題の言葉です。
“ピッカンテ”は「辛い」ですが、“ゾーラ”って、何のことだか分かりますか?

ちなみに私が初めて見た時は、作家のエミール・ゾラのことかと思って、きっとゾラはグルメな人だったんだ、などと激しく勘違いしてしまいました。

答えは、ゴルゴンゾーラ。

なぜかイタリアでは、ゴルゴンゾーラのことをゾーラと省略するんですねー。

こちらのブログはカボチャとゴルゴンゾーラを組み合わせた料理を紹介していて、タイトルは
「ズッカ&ゾーラ」
http://lozenzeroelacannella.blogspot.com/2007/12/zucca-zola.html

そしてこちらはゴルゴンゾーラと洋梨のパスタのリチェッタ。
その名も「パスタ・ゾーラ・エ・ペーレ」。
http://www.reebo.it/permalinks/2006/03/26/Pasta-Zola-e-Pere/

コメント欄で、「ゾーラってゴルゴンゾーラのことですか?」と質問されてますねえ。
それに対する答えは、
「ピッツェリーアでは“ゾーラのピッツァ”と書いてあることが多いので、私もそれを真似てゴルゴンゾーラのことをゾーラって言ってるんです」

ほお~、ネタ元はピッツェリーアだったのか。


おまけで、ゴルゴンゾーラのCMでも。




----------------------------------------------------------------
関連記事;ア・ターヴォラ今月配本号(2006年2月号)
リチェッタは「リチェッタ日本語訳;ア・ターヴォラ」に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

0 件のコメント:

キャビアはしばらく見ないうちにずいぶん種類が増えてました。

(CIR12月号)の話、今日はクリスマスにふさわしいゴージャスな食材、キャビアとトリュフの話です。 カスピ海のチョウザメの  卵を初めて塩漬けにしたのは、2千年前のペルシャ人だと言われています。それをロシアの皇帝が輸入して宮廷に取り入れたところ、キャビアは黒い金と呼ばれる高級品と...