2008年9月16日火曜日

ズッキーニの花

今日はズッキーニの花の話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。

fiori di zucca
ズッキーニの花, photo by aurelio candido

ズッキーニの花は、イタリア語では“フィオーリ・ディ・ズッキーナ fiori di zucchina ”。
でも、一般的には“フィオーリ・ディ・ズッカ fiori di zucca ”と呼びます。
ズッカはカボチャ。
なんでズッキーニの花をカボチャの花と呼ぶのか、不思議に思ったことないですか?

イタリアでは、ズッキーニの花もカボチャの花も、“フィオーリ・ディ・ズッカ”と呼んで、特に区別しないんですねー。
それはなぜなのか。
どうやら古くからの習慣のようで、イタリア人でも不思議に思う人はいるようです。

そもそもズッキーニは、カボチャを改良したもの。
そしてカボチャは、中米からヨーロッパに伝わったもの。
新大陸発見以前には、地中海には存在しない野菜だったんですねー。
ズッキーニの花とカボチャの花は、大きさは違うけれど、見た目はそっくり。
ズッキーニとズッカなら、それほど語感に違いがないからなのか、とにかくイタリアでは、ズッキーニの花のこともフィオーリ・ディ・ズッカと呼びます。


このブログでは“ズッキーニの花”としてますが、正確には、“ズッキーニかカボチャの花”、というわけですね。
とは言っても、実際にはズッキーニの花であることが多く、中には“フィオーリ・ディ・ズッキーナ”、ときっちり区別して呼ぶ人もいます。

それと、ズッキーニの花には雄花と雌花がありますが、厳密に区別して使うようなリチェッタはあまり見ないですねえ。
ズッキーニの花だけを使うなら雄花、実も使うなら花ズッキーニといった具合でしょうか。


ズッキーニの花の代表的な料理は、フリット。





こちらのサイトのフリットのレシピは・・・。
www.martiranolombardo.info

・ズッキーニの花を摘む時は、朝、花が開いている時に摘む。
・虫に注意。
・ガクとめしべやおしべを取り除く。

衣の材料は、ズッキーニの花10個につき
卵・・2個
おろしたチーズ・・大さじ4
小麦粉・・大さじ2



掃除した花に衣をつけて揚げるだけ。
シンプルだけど、おいしいし、形よく揚げればきれいですよね~。


coLti e mangiati
ズッキーニの花のフリット, photo by germana


Tagliatelle in salsa di zucchine e fiori di zucca
ズッキーニの花のフリットを添えたズッキーニのタリアテッレ, photo by marciespics


fritti: fiori di zucca e baccala
詰め物入りズッキーニの花のフリット(左)とバッカラのフリット, photo by rebecca f


詰め物入りのフリットもおいしいですよね。
こちらのサイトのリチェッタをどうぞ。
調理過程の写真付きです。
www.cookaround.com


詰め物入りズッキーニの花のフリット Fiori di zucchina ripieni e fritti in pastella

ズッキーニの花12個分
・モッツァレッラ・フィオルディラッテ(牛乳のモッツァレッラ)を12個の小角切りにする。
・塩漬けアンチョビーを12片に切る。
・ズッキーニの花を掃除して洗い、破かないように水気をふき取る。
・アンチョビーとモッツァレッラを詰める。
・00番の小麦粉大さじ3とぬるま湯2/3カップを手早く混ぜ、塩少々を加える。さらにオリーブオイル大さじ1を加える。
・卵黄2個を堅く泡立てて衣に加え、さっくり混ぜる。
・花に衣をつけてピーナッツ油で揚げる。



この他に詰め物は、リコッタ、ハム、エピとベシャメル、白身魚、じゃがいものピューレなど、バリエーション豊富。

うずらの卵詰めなんてのもあります。
www.buttalapasta.it


ズッキーニの花のうずらの卵詰め fiori di zucca ripieni

材料/4人分
 ズッキーニの花・・12個
 うずらの卵・・12個
 リコッタ・・250g
 ズッキーニ・・小2本
 マジョラム・・1把
 シブレット
 食パン・・4枚
 白ごま・・大さじ1
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・うすずらの卵を水からゆでる(沸騰してから3分)。流水に取って冷まし、殻をむく。
・ズッキーニをスライサーで細くおろす。塩を振って30分置き、水分を出す。
・リコッタを練り、刻んだシブレット適量を加える。ズッキーニ(水気を絞る)、マジョラムの半量、塩、こしょうも加える。
・ズッキーニの花(掃除する)を湿らせた布で抜く。混ぜた材料を詰め、中央にゆで卵を1個入れる。
・花を閉じて耐熱皿(油を塗る)に並べる。
・パンとマジョラムをミキサーにかけ、ごまを加える。これをズッキーニの花に散らして油をかけ、200℃のオーブンで20分焼く。



ズッキーニの花の話、次はパスタのリチェッタです。



-------------------------------------------------------

関連誌;『サーレ&ペペ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ズッキーニの花”のリチェッタの日本語訳は、「リチェッタ日本語訳/サーレ&ペペ」P.19に載っています。


リチェッタ翻訳アルバイト募集中。
詳細はcreapasso.comをご覧ください。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント:

キャビアはしばらく見ないうちにずいぶん種類が増えてました。

(CIR12月号)の話、今日はクリスマスにふさわしいゴージャスな食材、キャビアとトリュフの話です。 カスピ海のチョウザメの  卵を初めて塩漬けにしたのは、2千年前のペルシャ人だと言われています。それをロシアの皇帝が輸入して宮廷に取り入れたところ、キャビアは黒い金と呼ばれる高級品と...