2010年1月15日金曜日

ロマネスコのリチェッタ、その2

ブロッコロ・ロマネスコのリチェッタ、その2です。


丸ごと1個だと強烈なインパクトのあるロマネスコ。



ロマネスコ, photo by drhenkenstein


調理した途端に、とことん影か薄くなる・・・。

付け合わせ
エビ入りサラダ
カラメリゼ
グラタン
パスタ
スープ
お弁当


ロマネスコの形が珍しいのは最初のうちだけ。
どんなに奇抜なものでも、毎日見ていればどうということなくなってしまいます。
ローマのレストランで、セルフサービスの前菜のロマネスコを物珍しげに取るのは観光客。
ジモティー(死語?)は、刻んで火を通して元の形が影も形もなくなったロマネスコ料理を注文する、という訳ですねー。
ローマではロマネスコのことをブロッコロと呼ぶことが多いので、ブロッコリー料理だと思ってロマネスコを食べている観光客もたくさんいるはず。


では、『La cucina romana e del Lazio』から、ロマネスコを使った伝統的なローマ料理をいくつかどうぞ。


ロマネスコのズッパ Zuppa di broccoli
・ロマネスコ1~2個を小房に分ける。
・田舎パンをスライスしてトーストし、にんにくをこすりつけてスープ皿に入れる。
・たっぷりの熱湯にロマネスコを入れ、蓋をせずに崩さないようにゆでる。
・パンにゆで汁少々をかけ、ゆでたロマネスコを加える。塩、こしょう少々で調味し、オリーブオイルをたっぷりかける。仕上げにレモン汁をかける。


ゆで汁の量は、スープと呼べるほど多くはなく、湿らす程度と言うには多い量です。
今ではあまり見かけなくなった伝統料理。


パスタ・エ・ブロッコリ Pasta e broccoli
6人分
 パスタ・・300g
 ゆでた豚皮・・少々
 生ハム(脂身も)・・50g
 ロマネスコ・・1個
 オリーブオイル、ラード
 にんにく・・1片
 トマトソース・・20g

・生ハムとにんにくを細かく刻んでラード(今はオリーブオイルが主流)でソッフリットにする。
・小さく切ったロマネスコを加えてなじませ、トマトソースか裏漉しトマト、塩、こしょう、豚皮とそのゆで汁を加える。
・ゆっくりゆで、ロマネスコが柔らかくなったら折ったスパゲッティとカンノリッキタイプのショートパスタを加える。
・パスタがアルデンテになったら火から下ろす。
・食べるときにおろしたペコリーノをたっぷり散らすのがローマ風。


ローマでは「パスタ・エ・チェーチ」が有名ですが、この「パスタ・エ・ブロッコリ」も美味しいらしいですよ。


サルシッチャとロマネスコのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ Salsicce e broccoli all'aglio, olio e peperoncino
・ロマネスコを小房に分け、オリーブオイル、にんにく、唐辛子で5分炒める。
・フォークで穴をあけたサルシッチャを加え、白ワイン少々をかけながら10分焼く。
・さらに10分煮る。

現代版
・フライパンにラード大さじ2かオリーブオイルを熱し、穴をあけたサルシッチャ1㎏と水少々を入れて弱火で焼く。サルシッチャを取り出して保温する。
・同じフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて熱し、にんにくに色がついたら小房に分けたロマネスコを加える。水少々、塩、こしょうを加え、時々水を足しながら煮る。最後にワインを加える。
・サルシッチャを加えてしばらくなじませる。


現代版のリチェッタには唐辛子が入っていないですね。


ロマネスコのフリット Broccoli fritti con la pastella
・ロマネスコ(またはカリフラワー)1個を塩少々を加えた湯でアルデンテにゆでる。
・衣を作る;振るった小麦粉200g、全卵1個、卵黄1個を混ぜ、オリーブオイル大さじ2、塩、ワインで溶いた生イースト少々、水、白ワインを加えて2時間発酵させる。
・ロマネスコに衣をつけて油で揚げる。




こちらはもっと現代的なビール入り衣のフリット。








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2 件のコメント:

畠山 さんのコメント...

これ、毎年種を取り寄せて栽培に挑戦するのですが失敗します。

調理すると影も形もなくなるという点では紫のルタバガもそうです。茹でると色が元に戻るうえに葉をとって皮をむいてしまえばキャベツの芯にしか見えないですしね。

スープにはわりと重宝するので今年はうまくいくといいのですが。

prezzemolo さんのコメント...

畠山さん
日本で種から育てるのは難しい野菜なんですか。
でも、あの不思議な幾何学模様が庭で育ってたら、ちょっと楽しそうですね。

ルタバガはイタリアではまずお目にかからない野菜ですが(食べたことないです)、ブロッコリーやカリフラワーと同じアブラナ科なんですね。
ということはキャベツの仲間だから、キャベツの芯のよう、というのもなんとなく分かります。
畠山さんのお宅は野菜の引き出しもたくさんあるんですねえ。

マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

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