2010年5月18日火曜日

オリーブ(4)

オリーブの話、今回はブラックオリーブ3種類。

まずはラツィオのオリーブ。

イタリアの代表的なブラックオリーブの一つで、料理にもよく使われるのが、ガエータ Gaeta。

ラツィオ州の南端にあるガエータの町の名前がつけられています。
かつてはガエータがこのオリーブの流通の中心地でした。
実際には、その少し北にあるイトリアという町がオリーブ生産の中心で、品種はオリーヴァ・イトラーナと言います。
質が良いことで知られるガエータですが、名称に対する法律の規制がないために、他品種の類似品もたくさん出回っています。

ガエータは、まだ緑色のうちに収穫して、水に漬けて渋抜きしてから塩水漬けにします。
そうするうちに、茶色がかったローズピンク色になっていきます。
完成品は薄紫~赤茶色で、ほろ苦さと軽い酸味が特徴。
ラツィオ料理だけでなく、イタリア料理全般に広く使われています。
前に紹介した“ビアンケ”と呼ばれる渋抜き(色が抜けるまで塩水に漬ける)をしたグリーンオリーブもあります。
パスタ、ピッツァ、サラダ、魚、肉、ストゥッツィキーニなど、何にでも使えますよね。


下の動画は“プンタレッレのソースのスペルト小麦のスパゲッティ”。
プンタレッレをにんにく、ガエータオリーブ、ケッパー、赤唐辛子でソッフリットにします。
アンチョビーをオリーブオイルで煮溶かし、プンタレッレのソッフリットを加えて5分煮ます。
ここにゆでたパスタを入れてなじませます。








あと2つは簡単に。

1つ目はプーリアのオリーブ。

オリーヴェ・バレザーネ olive baresane。

小粒のブラックオリーブです。
典型的なブラックオリーブ色。
プーリアのオリーブの特徴である、苛性ソーダによる渋抜きをした苦みのない味が特徴。


そしてもう一つはトスカーナのオリーブ。

オリーヴェ・トスカーネ olive toscane。

この名前で、主に瓶詰めの塩水漬けで市販されているのは、緑がかった薄茶色の小粒のオリーブ。
漬け汁のタイプによって味は様々。



最後におまけの画像。
オリーブを始めとする様々なオイル漬け前菜のカタログ

このメーカーの他の製品も、見ていると楽しくなります。
アンティパスティ1
アンティパスティ2


オリーブの話、次回に続きます。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年6月号
「オリーブ」の解説とリチェッタは、「総合解説」'07&'08年6月号に載っています。

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2 件のコメント:

くるり さんのコメント...

このプンタレッレのソースのスペルト小麦のスパゲッティって、私の大好物ばっかり。食べてみたいなぁ。
10年ほど前ガエータに行った時にはほとんどピザ屋の総菜で済ませていました。まだ食材にあまり興味を示していなかった頃です。でもその店のなんでもないズッキーニの炒め物にはまって、毎日食べてました。
日本ではズッキーニが高いのが難ですよね。でもこの間激安のがあったので久しぶりに作ってみたらうまかったです。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
そうそう、ピザ屋の惣菜って、どうしてあんなに美味しいんでしょうねえ。
外れがないし。
私もイタリアに行くとしょっちゅう夕食代わりにしてます。
ズッキーニも美味しいですよねえ。
日本のズッキーニはほんとに高い。
イタリアと比べるから余計高く感じるのか。
いつも1本100円を切ったときだけ買うもんで、最近は家では滅多に口にしてませーん(涙)

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...