イタリア料理ほんやく三昧: 小麦粉

2012年8月13日月曜日

小麦粉

イタリア料理の視点で見る、パンの話。
今日もアレッサンドラ・メルドレージ著『IL LIBRO DEL PANE』から、パンの話あれこれです。

ガストン・バシュラールというフランスの哲学者をご存知ですか。
パンの業界では、たびたび引用される人らしいですね。
私は全く聞いたとありませんでした。
この人が、こう書いているそうです。

「発酵生地は3つの物質からできている。土、水、空気だ。そして4つめが火。(中略)つまりパンは完璧な食品なのだ。」

フランスの哲学者って、素敵なこと考えるんですねえ。
具体的には、パンは、小麦粉la farina 、酵母il lievito、水l'acqua 、塩il saleでできてますよね。
これらの材料は土と水(イタリア語にすると、la terra,とl'acqua)に属するのかな。
それに、空気と火の要素、( l'aria, ilfuoco、つまり発酵と焼成?)、を加えると、確かにパンになる。
でも実は、大部分の食べ物が、この4つのエレメントからできているんですよね。
パンとと同じ材料から作るパスタ(乾麺 )も同じエレメントですが、興味深いことに、空気の果たす役割が、パンと乾麺のパスタとでは違うんですねえ。
土、水、空気、火を制した者のみが、パンやパスタのマエストロになれる。

それでは、まず最初に攻略するのは、小麦粉です。

小麦は、軟質小麦triticum aestivumと、硬質小麦tririum durumの2種類に分類されます。
この2種類の小麦はどう違うんでしょうか。

まず、その名の通り、硬さが違います。
そして硬質小麦のほうが軟質小麦よりタンパク質を多く含んでいます。。
本によると、世界で最初に硬質小麦を栽培したの場所はイタリアなんだとか。
イタリアでも、硬質小麦は南の食文化に属するもの。
スパゲッティなど乾麺のパスタは硬質小麦から作るし、南イタリアには、パーネ・ディ・アルタムーラに代表される硬質小麦粉の美味しいパンがあります。
やはり、イタリア料理の話をする時は、主に硬質小麦の話をすることになります。


小麦は、外側を包む外皮、ふすまや繊維、脂質やでんぷんが豊富な胚芽の3つの部分からできています。
小麦を粉にするには、一度挽いてmacinare(マチナーレ)、再び挽きrimacinatura(リマチナトゥーラ)、ふるいにかけるsetacciatura(セタッチャトゥーラ)という作業を行います。

残ったふすまの量で、00(灰分0.55%以下)、0(~0.65%)、1(~0.8%)、2(~0.95%)、全粒粉(0.95%以上)に分類されます。

さらに、たんぱく質の量でも分類されます。
北アメリカの小麦に代表されるように量が多い場合(~13%)は、“フォルツァforza”と呼ばれ、パンやパネットーネに使われます。
タンパク質が10%以内のものは“デーボレdebole”で、主に発酵させないパスタやパスティッチェリーアに使われます。

弱い小麦粉でも、とても強い粉とブレンドさせればパンを作ることができます。
この強さは、“W”という単位で表され、alveografo di Chopinという機械で生地の気圧を測ることによって測定されます。
美味しいパンを作るには、最低150W必要で、カナダの小麦“マニトバ”は、400W以上という高い値です。
このほかに、同じ機械で“P”(伸縮性 )と“L”(拡張性)も計ります。

粉の粒子が荒いものはパスタに向き、細かい物はパンに向きます。

小麦粉の話は制限なく専門的になっていって奥が深すぎる~。
イタリアと日本では基準とするものも全く違うのでこのままだと深みにはまって抜け出せなくなりそう。
とりあえず、今日はこの辺で。


シチリアの硬質小麦
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パーネ・ディ・アルタムーラ
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