イタリア料理ほんやく三昧: 脂肪酸の話

2013年4月1日月曜日

脂肪酸の話

今日は、豚肉の脂身について。
日本食肉協議会の『食肉の知識』という本、
eonet.jpの「栄養素辞典
amaniyu.umasou.comの「亜麻仁油を取って健康になろう
grico.co.jpの「栄養成分百科
を大いに参考にしました。

まず、脂肪の9割は脂肪酸です。
肉を食べると脂肪は酵素によって脂肪酸に分解され、血中を巡り、各組織に取り込まれて酸化され、高いエネルギーを発します
結果的には、体の基礎となる細胞膜を作って活動源のエネルギーとなるわけです。
取リ過ぎると肥満や生活習慣病の元になり、不足すると、疲労、肌荒れ、体のさまざまな機能のトラブルを起こします。

脂肪酸の中には体内で合成できないので食物として摂取することで必要を満たす必須脂肪酸があります。
不足すると、疲労感、体力不足、皮膚の病気、頭の働きが悪くなる、炎症や出血が起こりやすくなる、不妊、流産、臓器の病気など、やっかいです。
タンパク質にも、必須アミノ酸がありましたよね。
でも、自分で作れないものをどうやって摂取すればいいのか。
この問題は、この栄養素を自分で合成している生物を食べることによって解決します。
これこそが、私たちが肉を食べるように生まれついている宿命ですね。

荒川弘著『百姓貴族2』というめちゃ面白いコミックエッセイに、北海道開拓民のご先祖は、豚と同じものを食べていたという壮絶な話がありましたが、同じものを食べても、人間が合成できなくて豚には合成できる栄養素があるんですねえ。
豚に感謝です。
なんまいだぶ。

草食系の人、大丈夫ですか?

豚の餌といえば、『ヴィエ・デル・グスト』誌によると、
「イタリアで生ハムなどに加工される豚は、オメガ6系多価不飽和脂肪酸が豊富な餌を食べているので、かつてに比べて生ハム類に含まれるコレステロールは大幅に減少している」んだそうです。

オメガ6系多価不飽和脂肪酸て、なんでしょう。
まずは、不飽和脂肪酸から見ていきましょうか。

脂肪酸は炭素原子の二重結合と呼ばれる繋がり方の数によって、二重結合がない飽和脂肪酸と、結合がある不飽和脂脂肪酸に分かれます。
不飽和脂肪酸は結合が1つの一価不飽和脂肪酸と、2つ以上の多価不飽和脂肪酸に分かれます。

つまり、脂肪酸は飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つに分かれます。
このうち、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は主にエネルギー源。
多価不飽和脂肪酸は生理活性作用で、必須脂肪酸は多価不飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸は肉や乳製品の脂肪に多く、常温で個体、バターなどに多く含まれます。
不飽和脂肪酸は魚の脂や植物油に多く含まれ、常温で液体。

バターはコレステロール値を上昇させて、植物油は血清コレステロール値を下げるというのが、一昔前の通説でしたよね。

飽和脂肪酸は分子構造が安定していて劣化しにくい。
脂肪酸は高温で調理するなどして劣化するとトランス脂肪酸になる。
取りすぎると心臓疾患のリスクを高める。

どうやら、多価不飽和脂肪酸というのが重要なようですが、いったいこれって何?


硬い話が続いたので、ここらでリフレッシュ!
牛愛あふれるリアル農民エッセイ『百姓貴族1話』。
都会っ子の料理人の卵さんは読んどくといーよ。





作者の荒川弘さんは『鋼の錬金術師』という大ヒット作がありますが、北海道の農業高校が舞台の
銀の匙』も面白い。
大事件はないけど、肉を食べたり料理する時にふっと思い出す。






次は脂肪酸の話の続きでーす。


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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年8月号、“イタリア産サルーミ”の記事は、「総合解説」2011年8月号に載っています。

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