2013年4月15日月曜日

ヴェネチアの魚市場

今日はヴェネチアの魚市場の話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説です。

ヴェネチアの魚市場は、観光名所の一つ。
リアルトの市場の名前で知られていますよねー。

リアルトの市場。
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この記事に、面白い一説がありました。

「市場の売り場の周りでは、観光客が、名画でも鑑賞するかのように、好奇心一杯で魚を眺めていく」

なるほどねえ。
外国の市場を見物するのは面白いものですが、確かに、観光客の視線は、ルーブルでモナリザを見ている人と同じかも。
あたかもすごい専門家であるかのような視線でジロジロ見ながら屋台に沿ってだらだら歩き、ちょっとしたうんちくを自慢げに語ったら、急に軽い疲れを感じてため息交じりに次の屋台へと足を向ける。

市場の中にいる人は、動物園のパンダと同じ気分なのかもしれない。

それにしても、こんなに色とりどりな魚が景気よく並んでいれば、ヴェネチアって、海の中までエキゾチックでドラマチックだなあ、なんて勘違いは、しても当然。

でも実は、世界中から集まってるんだそうです。
地元の魚だけじゃ少なすぎてやっていけないのが実情。

記事では、市場の近くで市場の魚を出しているオステリーアも紹介していますが、その中の一軒の動画がありまた。
ヴェーチョ・フリトリンです。
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モエケのフリットを作ってましたね。
市場の小魚のフリットなど、庶民的な料理を出す店です。
ゴンドリエーリや漁師が通っていた店だって。
ここも行ってみたい店だなあ。


ヴェネチアの名物料理の一つに、帆立貝のヴェネチア風がありますが、こちらはリアルトの市場で帆立貝を殻から出す作業をしているところ。
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そして帆立貝のヴェネチア風。
なぜか前半は車のCMです。
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柱とコライユ(イタリア語ではコラッロ)だけにした帆立貝を、油、にんにくとイタリアンパセリのみじん切りで焼いて塩、こしょうし、殻に盛り付けてレモン汁をかけるだけ。
あまりにも普通なので、帆立貝のヴェネチア風という名前だとは知らずに作っている人が多数なのでは。

ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの『ヴェネト』によると、レモン汁の代わりに白ワインをかけるのは、この料理のバリエーションの一つ。

ヴェネチア風という名前がついている料理はこの他にはレバーぐらいで、実は案外珍しい。

この料理でも食べて、気分だけでもリアルトの市場に行った気に。




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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年8月号、“リアルトの魚市場”の記事の解説は、「総合解説」2011年8月号に載っています。

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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...