イタリア料理ほんやく三昧: 一人農業とぬてら

2013年7月1日月曜日

一人農業とぬてら

今日は『ガンベロ・ロッソ』の“新家庭料理”という連載記事の解説です。

これは、季節に合わせた旬の食材を使ったモダンな感覚の家庭料理、というテーマの記事ですが、この記事で毎月取り上げる食材を見ると、その時期の旬の食材がよく分ります。

ちなみに、現在発売中の10月号では、主役の食材は林で拾い集めた木の実。
私は木の実を拾った経験がないので、落ちている木の実は栗とぎんなんぐらいしか想像できないのですが、皆さんの身近には、どんな林がありますか?
記事で取り上げているのは、くるみ、松の実、ヘーゼルナッツ、ピスタチオです。

そういえば、日本の漫画家さんはほんとにすごいもので、これまでにも、リアル酪農家、リアル猟師と、いろんな仕事を自ら体験している人がいましたが、里山に移り住んで畑を耕して、一人農業を自ら体験しながらマンガを描いている人もいます。

中でも、五十嵐大介さんの作品はお勧めです。

その一つ、『リトル・フォレスト』は、田舎で畑を一人で耕しながら暮らす女性の話ですが、この女性の母親が、山道沿いのハシバミの実を摘み集めてすりつぶし、ココアパウダーと砂糖、油少々を加えて煮ながら練り上げたクリームを、母親から「ぬてら」というものだと教えられる、というシーンがあります。
このブログを読んでいる人なら、多分、それ、ヌテッラnutellaだよ~と思ってにやっとしますよねー。

nutella for breakfast


手作りヌテッラ
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マンガを見てヌテッラを作った人がいました。
こちら

でも私は何より、ヌテッラが日本でも作れるものだという発想にハッとしました。
ヘーゼルナッツを摘み集めるなんて、素敵な生活だあ。

ハシバミ
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この本には、こうしたなんでも自分で作って食べる暮らしの厳しさと楽しさが、満ち溢れています。
自分で作って食べる、自分て殺して食べる人だけが語れる世界、簡単ではないだけに、実際にやっている人は尊敬しますねー。

それで、『ガンベロ・ロッソ』の記事ですが、この記事も、自分で作って食べる人にお勧めのメニューが毎月載っています。
9月号は、森で摘んだきのこの料理、8月号は夏のアウトドア向き料理、7月号はなす、6月号はシーフードといったラインナップです。

ちなみに、10月号のリチェッタでは、ミートボールに刻んだヘーゼルナッツをまぶしています。
くるみはリコッタに混ぜてネッチという栗の粉のクレープの詰め物に。
松の実はにんにく、パン、チーズと一緒にミキサーにかけてスパゲッティのソースに。
ピスタチオはクレーム・ブリュレに。
なるほど、今時のファミリー向きのお洒落な料理ですねー。

なすに関しては、『La parmigina e la rivoluzione』という一風変わった料理書の序文を思い出しました。
著者のおばあさんは、パルミジャーナはなすが旬の8月にしか作らなかったんだそうです。
深い・・・。


暗くて見にくいですが、松ぼっくりから松の実を取り出す動画。
イタリアの田舎ではこうして松の実を取り出しているそうです。
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スローフードって、ブームになるほど簡単なものじゃないですよね。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年10月号、“木の実風味の新家庭料理”のリチェッタは「総合解説」2011年10月号に載っています。

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