2014年4月10日木曜日

ヴィチェンツァのバカラ、カラブリアのストッコ

今年の復活祭は4月20日です。
日本では、ネズミの国の影響で、イースターという名前が定着しそうですね。

そこで、今日はバッカラ料理の話。
なんでかというと、バッカラは四旬節、つまり復活祭前の、肉食を断つ期間の定番食材なんですねー。
イタリアでもっともお馴染みのバッカラ料理って、なんだと思いますか?
答えは、マンテカートかと思ったけど、ヴィチェンツァ風だって。

ちょっと意外。
うーんこの料理、聞いたことあるけど、姿が思い出せない。

こんな料理
 ↓



バッカラ・マンテーカト。
 ↓



ヴィチェンツァ風を作る時は、絶対かき混ぜてはいけません。
想像はつきますが、かき混ぜるとマンテカートになっちゃうんでしょうねー。

作り方はこちら

バッカラは、ノルウェーから船で輸入されたので、ジェノヴァ、ヴェネチア、ナポリといった港町にまず広まりました。
ヴィチェンツァは、パッラーディオの建築で有名な、ヴェネト州の世界遺産の町。
ヴェネチアとトレントを結ぶ、交通の要所です。
ヴィチェンツァ風バッカラの話は、以前取り上げたことがありました
こちら
でも、例によってすっかり忘れてる。

そうそう、cが1つのバカラでしたね。
つまり、
塩漬けしていない干ダラ、ストッカフィッソの料理です。

ストッカフィッソの中でもノルウェーのロフォーテン諸島で作られる大型のラーニョと呼ばれるものが最上と言われています。
イタリアのストッカフィッソの地方料理は、たいていラーニョを使います。
この市場では、35ユーロ。
 ↓



ノルウェー産のストッカフィッソが、なぜか名物になっている町があります。
しかもカラブリアに。
マンモラという町です。
なんで産地でもないのに干ダラが名物になりえるのかというと、戻す職人の技術や地元の水が特別らしいです。

マンモラのレストランのメニュー。
ここでは、ストッカフィッソのことをストッコと呼びます。
 ↓




ストッコのラビオリ、ストッコのインボルティーニ。ストッコのポルペッテ、ストッコのキノコ風味、マンモラ風ストッコ、なすのストッコ詰め。
どんだけ干ダラが好きなんでしょうね。

カラブリアって、ほんとに奥が深いわー。




-------------------------------------------------------

関連雑誌;『ア・ターヴォラ』2012年2月号、“バッカラのヴィチェンツァ風”の解説は「総合解説」2012年2月号に載っています。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント:

トンカ豆はバニラの代用品として世に出ましたが、最近の日本のある出来事にそっくりの事実から使用が禁止されました。

きのうはオーストラリアのフィンガーライムとか、聞いたことないフルーツを紹介しましたが、(CIR1月号P.5)の料理で一番謎だったのは、fave tonkaです。 始めて聞いた名前です。いったい何なのか、想像もできません。 ドイツで行われたアイスクリームのワークショップでトンカ豆に...