イタリア料理ほんやく三昧: パスティエーラ

2014年8月7日木曜日

パスティエーラ

今日は、トルタ・カプレーゼに続いてカンバーニアのドルチェの話。

トルタ・カプレーゼの誕生の裏には、マフィアに頼まれてケーキを作ったのに小麦粉を入れ忘れてしまったというカプリのドシなパスティッチェーレの話が有名ですが、あまりによくできた話なので、多分、創作された都市伝説でしょう。
この他にも、カプリに滞在していたオーストリア系の人が作っていたケーキをカプリの人が真似して作ったという説もありますが、確かにこれだとまったく面白くない。
料理誕生のいきさつは、ドラマチックなものほど広まる傾向があるような。

カンバーニアの別の有名なドルチェにも、壮大な誕生秘話がありました。
それはパスティエーラです。

ナポリのパスクアの定番ドルチェ。
この時期には家庭でも手作りしますが、ナポリのパスティッチェリーアには一年中あります。
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パスティエーラはパスタ・フロッラにリコッタがベースの詰め物をしたタルトですが、その名前にはパスタ・ディ・イエーリ(昨日のパスタ)という意味があります。
その名の通り、作った翌日にもっと美味しくなるので、食べる最低2日前に作ります。
主役は柔らかくした硬質小麦の粒。
確かに、この存在感のあるぷちぷちの小麦は、一度食べると病みつき。
もう、小麦の粒なしのパスティェーラなんて食べる気になりません。
昔は復活祭の時期になると、ナポリではパスティエーラ用の小麦を売る行商人が登場したんだそうです。
今では瓶詰の小麦をスーパーでも売っています。
それに、硬質小麦の一種、ファッロでも代用できますが、戻すだけでなく、さらにバター、牛乳、香料で10~15分煮ます。
パスティエーラ用の小麦はこの状態で売っています。

このドルチェのもう一つの特徴が、オレンジフラワーウオーター。
「総合解説」にも書いてありますが、ナポリの復活祭には、オレンジフラワーウオーターの香りがつきものだそうです。
花特有の青みがある香りです。
この香りが加わると、普通のタルトが一気に南イタリアの地方料理のタルトに変身しますよねー。

ナポリ・パスティッチェーリ協会の動画
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こちらは解説にも登場する有名パスティッチェーレ、サルヴァトーレ・デ・リーゾ氏のパティエーラ。
彼の料理書はこちら
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ついでですが、カンバーニアのドルチェの料理書なら、ナポリ商工会議所がスポンサーの力作シリーズの『ドルチェッツェ』もお勧めです。


さて、このパスティエーレですが、こんな都市伝説があるのだそうです。

その歌声でナポリ湾の船乗りを誘惑すると恐れられた海の妖精、セイレーンを鎮めるために、ナポリ市民にとってもっとも貴重な7つの食材を混ぜ合わせたものを捧げたというのです。
それは、小麦粉、リコッタ、卵、煮た小麦、オレンジフラワーウオーター、スパイス、砂糖でした。
これらを混ぜ合わせると、セイレーンの歌より甘くなったんだって(これがこの話のオチかあ)。



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「総合解説」の関連記事;2012年4月号、「パスティエーラ」

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