2015年6月29日月曜日

シチリアのクリスマス料理

今日は「総合解説」の記事から、“シチリアのクリスマス”の解説です。

パレルモの貴族の館で、フリーのシェフというユニークな立場で幅広く活躍するカルメロ・キアラモンテを料理人に迎えたクリスマスのパーティー、という設定のコース料理です。

参考までに、パレルモで一番古い建物と言われている貴族の館、パラッツォ・コンテ・フェデリコ。
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シチリア料理を語るキアラモンテシェフ。
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彼が考えたクリスマスのメニューは、小さな料理のオンパレードから始まります。

リコッタとポロねぎのポルペッティーネ、豚肉入り一口フォカッチャ、リコッタ入りロールフォカッチャ、オリーブのオレンジ風味、そら豆のマッコのフリットと、まるで、久しぶりに息子が実家に帰ってきて張り切る、田舎のお母さんか、というくらい、素朴で家庭の温かさが満載の、お腹一杯でも申し訳なくて残せない料理がこれでもかと続きます。

スタートで早くもお腹一杯ですが、次に大とりが登場します。
シチリアの貴族料理のシンボル、ティンバッロです。
しかも、その料理につけた名前は“領主のティンバッロ”ですよ。
期待が高まりますねー。

山猫のティンバッロ
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ティンバッロの話題が出るたびにしつこく紹介していますが、
豪華なティンバッロが登場するのはルキノ・ヴィススコンテイの1963年の映画『山猫』
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ティンバッロで燃え尽きたのか、その後は、トルナグストと呼ばれる口直しの小さな野菜料理です。
キアラモンテのクリスマスメニューには、パスタや肉料理は登場しません。
この後も、すべて野菜料理です。
唯一の例外が魚料理ですが、これも、トピナンブールを添えたバッカラ料理で、メインと呼べるほどのボリュームはありません。

でも、カポナータのバリエーションに続く最後の締めがビアンコマンジャーレで、しっかり由緒出しいシチリアの伝統で締めくくられています。

全10品の、貴族の館でいただく、野菜満載のクリスマスメニューでした。



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“シチリアのクリスマス”のリチェッタは「総合解説」2012年12月号に載っています。
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...