2015年11月12日木曜日

アルバ・ペゾーネの『パスタ』

今日はお勧め書籍の紹介です。

タイトルは、ずばり『パスタ』。
http://creapasso.com/books.html

初入荷はだいぶ前のことですが、最近偶然見直したところ、とても興味深い内容で、お気に入りの1冊になりました。

副題に『南イタリアの味と香り」とあるように、南イタリアの有名シェフたちの乾麺のパスタのリチェッタ集です。
カンパーニアのシェフの“黒豚のラグーのパッケリ”に始まって、ローマの“パッケリのアマトリチャーナ”で締める料理の選び方も面白いし、シェフたちに密着した写真も面白い。
料理はどれも美味しそうだし、カッコいい。
本場のプライドがにじみ出てます。

著者は、・・・ん??
アルバ・ペゾーネですと??

ははーん、納得です。
どこかで聞いた名前だと思ったら、この人、『ピッツァ』というこれもまたとても興味深い本も出しているんですよ。
まだホームページには載せてませんが、チラシでぼつぼつ紹介を始めているので、ご存じの方もいるかも。
今気がついたなんて、トホホ。

『ピッツァ』は、その名の通り、ナポリの有名ピッツェリアの料理集です。
著者のペゾーネさんはナポリで生まれてパリでイタリア料理を教えている料理研究家でジャーナリスト。
とにかく地元のこねを活かしまくって精力的に取材し、地元ならではの面白い食材を使って、かゆいところに手が届く、いたれりつくせりの本です。

『パスタ』では最初に、パスタの名前の由来を紹介しているのですが、そういえば、ジーティの名前の由来なんて、知らなかったなあ。

辞書で調べると、男のいいなずけだって。
なんだこりゃあ。

ジーティ
 ↓
15_36_41


本によると、ジーティは南イタリア独特の穴あきのロングパスタですが、太くて大型のため、乾燥させるのにとても時間がかかるパスタでした。
冬場だと30日かかったそうです。
そのため、結婚披露宴など特別な機会にだけ食べるご馳走でした。
ナポリの方言では、zitoとはfidanzatoという意味なんだそうです。

日常的で身近なものの名前をつけることが多いパスタの名前の中では変わってますね。
ちなみに本で取り上げたジーティのリチェッタは、イスキア島のシェフの“ヒメジ、レーズン、松の実のメッゼ・ジーティ”と、ドン・アルフォンソの“”イカとミニトマトのジーティ。

どちらもとても洗練されていて全然田舎っぽくなく、適度に南を感じさせるパスタです。
特にアルフォンソのパスタはトッピング用のイカに隠し包丁を入れてあぶったのかな。
トマトであえていないので幾何学模様のイカの白い色とトマトソースの赤い色の対比が美しい一品。
メッゼ・ジーティも穴あきパスタ、レーズン、松の実と、こてこての南の食材の組み合わせですが、この強い味にはスパゲッティよりジーティの歯ごたえが合いそうです。

次回は『ピッツァ』の紹介です。



-------------------------------------------------------
[creapasso.comへ戻る]
=====================================

0 件のコメント:

キャビアはしばらく見ないうちにずいぶん種類が増えてました。

(CIR12月号)の話、今日はクリスマスにふさわしいゴージャスな食材、キャビアとトリュフの話です。 カスピ海のチョウザメの  卵を初めて塩漬けにしたのは、2千年前のペルシャ人だと言われています。それをロシアの皇帝が輸入して宮廷に取り入れたところ、キャビアは黒い金と呼ばれる高級品と...