イタリア料理ほんやく三昧: 2017

2017年9月21日木曜日

秋のパスタ

台風が過ぎた後、秋が駆け足で近づいているような今日この頃ですね。
最近の異常な夏や冬を経験した後では、快適な春や秋は短いかもしれない、貴重な季節になったなあ、と思うようになりました。

秋のイタリア料理と言えば、お勧めの本は、その名も『アウトゥンノ』です。


そこで今日は、この本の中から、秋のパスタをピックアップしてみました。

アルファベット順なので、一番最初はアニョロッティagnolottiです。
アルバの白トリュフのアニョロッティ。


ピエモンテ風アニョロッティ
 ↓


キャベツが入ると餃子感が増しますねー。

栗のクリームとポルチーニのソースのカッペッラッチ。
 ↓


カッペッラッチは北イタリアの詰め物入りパスタの一種。
フェッラーラあたりが本場で、カッペッラッチという名前は農民がかぶっていた麦わら帽子の名前で、形が似ていたところからつきました。

秋のパスタはラビオリを初めとする詰め物入りパスタ、軟質小麦粉の手打ちパスタ()、白トリュフ、栗、ポルチーニなどのフレッシュきのこ、うさぎやイノシシなどのジビエ、サルシッチャなどの秋の食材のボリュームのあるソースが特徴。

そんなソースに合うパスタの一つ、パッバルデッレ。
 ↓



さらに、料理の名前にアッラ・カッチャトーラ(狩人風)とかアッラ・ボスカイオーラ(木こり風)とかつくと、ぐんと秋感が増します。
パリア・エ・フィエーノも季節的には秋がぴったり。

イタリアの家庭的な秋のパスタの代表はペンネッテ・アッラ・ボスカイオーラ。
 ↓



秋のパスタは秋に食べたいもの。
今年の秋は長く続くといいけど。

秋はニョッキもリゾットもミネストラも美味しい季節。
プリーモ・ピアット全般が食べ時ですね。


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2017年9月19日火曜日

グラニャーノのパスタメーカー、ジェンティーレのフジッリ

昨今のクラフトビールのブームは、世界的な傾向。
ところで、クラフトビールとは、どういう意味なんでしょう。
クラフトには技能とか技と言う意味があります。
イタリア語では、クラフトビールは、birra artigianale。
ビッラ・アルティジャナーレ。

このアルティジャナーレという言葉は、イタリア料理のポイントとなる言葉です。
イタリア料理に接していると、何度となく耳にする言葉です。
辞書で調べると、手工業の、とか職人の、といった意味です。

つまり、機械で大量生産するの反対で、熟練した技を持つ人の手で、一つ一つ手間をかけて作られたもののことです。
製品に作った人の考えがストレートに反映される特徴があります。
イタリアは、こういう職人を尊敬してきた国です。
特に芸術やファッション、車などの分野では、アルティジャナーレの世界的巨匠を大勢生み出してきました。

食の世界にもアルティジャナーレな作り手がたくさんいます。

ノルチャのクラフトビールの一例、修道院ビール




今日紹介するのは、アルティジャナーレのパスタです。

パスタには職人が作る手打ち麺と、工場で大量生産される乾麺がありますよね。
さらに、乾麺の中にも、職人が作る麺と、全部機械で作る麺とがあります。

手打ち麺はイコール・アルティジャナーレなパスタですが、乾麺にもアルティジャナーレなパスタがある、という訳です。

イタリアには、パスタの町として知られるグラニャーノがあります。
グラニャーノのパスタは、アルティジャナーレなパスタとして知られています。




そこで今日紹介するのは、上の動画にも登場するグラニャーノの、アルティジャナーレなパスタの造り手として有名なジェンティーレの、パスタではなく、本です。



新入荷の1冊です。『ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ
ジェンティーレの経営者一族の女性のナポリの伝統料理の力作のリチェッタ集。

上の動画で女性たちが1本ずつ手で造っていたのはフジッリ。
ナポリの代表的な伝統パスタです。
本の表紙になっているのも、そのフジッリ。

グラニャーノのパスタの本質を知るには、1本ずつ手でねじったフジッリを味わわなくては。
ショートパスタのフジッリとは、まったく別の食べ物ですね。
表紙のフジッリの盛り付け方は、私が見た中ではナンバーワンの美しさ。



表紙のフジッリは、リコッタとトマトのソースです。
美しいパスタにからめるのは、固形物が入らなくても濃い風味のソース。




使う食材にはナポリの味が詰まっていそう。
ピエンノーロのトマト、水牛のモッツァレッラ、ナポリ種のバジリコ・・・。
余談ですが、イタリアのバジリコは、主にジェノヴァ種とナポリ種の2品種なんだそうです。

このジェンティーレの本は、写真が信じられないくらいドアップです。
実物の数倍ありそうなのもあります。
見開きの2ページに巨大なパスタの断面がドーンとのっていたり、
全てお見せしましょうという心意気が感じられる面白い超大型本です。



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2017年9月14日木曜日

ヌビアの赤にんにく

総合解説」5月号を発売しました。
まずは2ページの“5月の食材”のページから。

ヌビアの赤にんにく。
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トラパニの自然保護地区の塩田の近くのヌビアで栽培されているにんにくです。
日本でも栽培されているんですね。
他のにんにくよりアリシンが多いので風味が強く、トラパニ風ペストには欠かせません。

ペスト・アッラ・トラパネーゼ
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地中海料理大学長のリチェッタ。
歴史背景の説明など、さすがにとても学術的。
中盤からキャリアウーマンとおじちゃまの漫才みたいになってるけど
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トラパニ風ペストはシチリアの言葉だと、アッギアータ・トラパニサ。
アッギアータはにんにくのこと。
トラパニ風ペストのポイントはにんにくなんですね。

次はアカシアの花のフリット。
きれいな花ですね。フリットにして食べるんだ。




イタリアにはまだまだ知らない食材がたくさんあるなー。



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“5月の食材”の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月11日月曜日

ナポリ料理

「総合解説」の料理書の翻訳、ここしばらくは、ナポリとカンパーニア料理のリチェッタを訳しています。
それにしても、イタリア料理のイメージはナポリ料理そのものだな、と、リチッタを読めば読むほど感じます。
ナポリは、王国の首都で大都市、港があって人や食材を世界各地に運び、温暖な気候で農業が栄えて、ピッツァのような独自の普遍的な料理を作り出す豊かな想像力がある人々が暮らすとても魅力的な街。

典型的なナポリ料理
 ↓



さらに、訳しているニュートンシリーズは、リチェッタがシンプルで読みやすい。
イタリア人に最も親しまれている地方料理書だけあって、すごくとっつきやすくて、すらすら読めます。
4月号はセコンド・ピアットを訳しましたが、肉より魚料理のほうが圧倒的に多いですね。

スズキのアックアパッツァからヒラメのブラザートまで、イタリアの魚料理の基本中の基本のリチェッタを、たくさん訳しました。

今回だけでは紹介しきれなかったので、また新たな機会に続きを訳す予定です。

今日は、4月号で訳した料理の一部の動画をどうぞ。


タコのアッラ・ルチャーナ
 ↓


この料理はナポリのサンタ・ルチア地区の漁師が考え出した歴史の古い料理。


スズキのアックア・パッツァ
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ムール貝のグラティナーテ
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パランツァのフリット
 ↓



パランツァとは網に引っ掛かるような小魚のこと。

肉料理も
牛ステーキのアッラ・ピッツァイオーラ。
 ↓



もうすぐ発売の5月号では、コントルノとドルチェを訳しています。
ピッツァは6月号で訳す予定です。


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ナポリとカンパーニア料理のリチェッタは、「総合解説」2015年3~6月号に載っています。
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2017年9月7日木曜日

マルケのパスタ

マルケのグルメガイド、今日はマルケのパスタの話。

さて、マルケのパスタって、何がありましたっけ。
マイナーな州のような気がしますが、ありますよー、名物パスタ。



そう、マッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネ。
このブログで以前に取り上げていますので詳細はそちらをご覧ください。

アックアラーニャの白トリュフのマッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネ
 ↓


マルケはトリュフの産地としても有名。
サマートリュフから白トリュフまで、1年中採れます。
 ↓



さらに、ロマーニャ料理として知られるパッサテッリも、マルケ版があります。




パッサテッリはにんにく絞りのような道具で生地を押し出して作る、個性的なパスタ。
チーズやレモンの皮入りです。
パッサテッリ専用の道具がなくてもポテトマッシャーで代用できます。

他には、ラザーニャの一種のヴィンチスグラッシ、タリオリーニの一種のtajuli pilusiなどがあります。
後者は発音が不明なので分かる人教えてください。
字ズラはタヤリンによく似てますね。

cioncioni(チョンチョーニ)というソラマメの粉入りの平麺もあります。

マルケのパスタ、知れば知るほど面白そう。


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“グルメガイド~マルケ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年9月4日月曜日

マルケ、ウルビーノ

今日は、「総合解説」のグルメガイド、マルケのビジュアル解説。
まずは、ウルビーノ。



緑に囲まれた丘の上の町。
一番上にあるパラッツォ・ドゥカーレは凄い存在感。

パラッツォ・ドゥカーレは知らないという人も、この建物を建てた人フェデリコ・ダ・モンテフェルトロのことなら見たことあるかも。
少なくとも彼の顔を一度見た人は、忘れられなくなります。
この人です。




イタリアで一番有名な鼻だそうです。

描いた人はピエロ・デラ・フランチェスカ。
フィレンツェのウフィッツィ美術館にあります。
槍の試合で片目を失ったため、このような構図の肖像画が多いのだそうです。
勇猛な武将として名をはせ、彼の宮廷はヨーロッパ一洗練されていると評されるなど、人気の高い名君でした。

そして彼が統治する時代のウルビーノで誕生した名物チーズ、カッショッタ。
甘みのあるソフトチーズ。




ウルビーノの美味しいもの




マルケの話、次回に続きます。


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グルメガイド“マルケ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月31日木曜日

セラス・デル・フェン


今日はピエモンテ産リコッタ、セイラスの話。

セイラスの他に、セラス、サラス、セレなどいろいろな呼び名があるそうで、イメージがあやふやなチーズです。
というか、リコッタなので、正確にはチーズですらないです。

そもそも、セイラスの語源はラテン語でホエイのこと。

サラス・デル・フェンは、トリノ県の産物で、スローフードの保護食材。
メイド・イン・イタリーの食材と呼ばれるくらいで知名度も高そう。



このチーズはキリスト教のヴァルド派の人たちが作った名物でした。
ヴァルド派はキリスト教のプロテスタントの1派ですが、異端とされて迫害され、ピエモンテの山の中で独自の文化を持つコミュニティとして生き残りました。
このチーズは、ラバの背中に乗せて運ぶ間のハエよけのために干し草で包むのが特徴。
リコッタの性格上、フレッシュなうちに味わうのが美味しいそのうなので、ピエモンテに行ったら食べておきたいチーズです。

ヴィッサーニのセラスのアノリーニ。
 ↓



シラスと呼んでますね。
「総合解説」では、セイラスを使うコッパ・サバウダはサヴォイア家の宮廷で人気だったとあります。
こんな料理です。
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味見した時のリアクションが淡白でいいですねー。


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2017年8月28日月曜日

クープ・デゥ・モンド2015はイタリアイヤー。

ちょっと前の話ですが、2015年のパティシエ・ワールドカップで、イタリアは悲願の優勝を手にしました。
1997年の初優勝から、18年目の快挙でした。

2015年のダイジェスト




イタリアチーム




とても印象的だったイタリアチームのフローズンデザート1位の作品をシリコン型で再現。




チョコレート部門も1位。これもシリコン型のメーカーが再現。



飴細工部門も1位で、新記録で完全優勝です。



リーダーはシュガーアートのマエストロ、エマヌエーレ・ファルコーネ氏。



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“パスティッチェーリ・チャンピオン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月24日木曜日

アンジェロ・サバテッリシェフ

今日は最近プーリアでナンバー1とも言われる注目シェフ、アンジェロ・サバテッリ氏の話。
6歳の時にはすでに肉屋で働きだして、午前中はホテル学校、午後は仕事という生活もしていたそうです。
ジャカルタ、ホンコン、シャンハイ、モーリシャスで12年働き、言葉とオリエントの食材も使いこなしています。

自らの名前をつけたリストランテはプティニャーノ(バーリ)にあります。
今年の5月に生まれ故郷のモノポリから離れて新しい店を開きました。
すでに店の口コミサイトには高評価の投稿が続々。
店のwebページはこちら

下の動画では、リーゾ・パターテ・コッツェというこてこてのプーリア料理を、素朴さとプーリアらしさはそのままに洗練された1品に仕立てています。




伝統的なリチェッタ
 ↓


プーリアは食材が素晴らしい地方だけに、モダンにアレンジすることがとても難しい地方料理だと思います。
でも、オリジナリティーとクリエイティビティにこだわるシェフもいるんですね。
プーリアも、次々に注目のシェフが登場するようになりました。






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“アンジェロ・サバテッリシェフ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月21日月曜日

粉の強さとショパン


今日は小麦粉の話です。
イタリアの小麦粉には、0とか00といった番号がついています。
これは、粉の精製具合を表す数字です。

あくまでも、どれだけ精製しているか、を示す表示で、粉の品質とは関係ありません。
最近、イタリアの小麦粉事情が変化しています。
それはどうやら、家庭でお菓子やパンなどを手作りする人が増えては、消費者が、粉の性質をもっと知りたいと思うようになったことと関係があるようです。

イタリアの消費者は、粉のどんな性質に興味があると思いますか?
それは強さです。
粉の強さはタンパク質の含有量によって生まれます。
日本では、強力、中力、薄力と名前を付けて分類していますが、イタリアでは、ショパンのアルベオグラフ値で表しています。
これ最近、イタリアの料理雑誌ではよく見かける値です。
ショパンと呼んでも作曲家のショパンとは関係ありません。
Wと数字で表される値です。

粉は水と混ざるとグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質ができます。
これらが結びつくとグルテンになります。
グルテンは目の詰まった網のようなもので、発酵の間、内部にでんぷんとガスを貯めます。
この力をWで表します。
つまり強さは粉が生み出すことのできるグルテンの量で、水を吸い込める量によって左右されます。
グルテンが多いほど生地も膨らみます。
W90~70の薄力粉は水分が少なくて発酵が短いものに適しています。
ビスコッティ、グリッシーニ、クロスタータなどです。

W180~260は中力粉、食パン、バゲット、生パスタなどに適しています。

W270~310は強力粉です。
これは水分をたっぷり吸いこみ、粘りのある、ゆっくり発酵する生地に適しています。
チャバッタ、ロゼッテ、パネットーネ、ブリオッシュなどに使います。

チャバッタ
 ↓


チャバッタの生地には3リットルも水を加えるんですね。
水分をたっぷり吸いこむ粉を使うんですね。

ロゼッテ
 ↓



W330とか400の小麦粉を使っていますね。


W320~370の粉はマニトバ粉と呼ばれています。
単独で使われることはほとんどなく、他の粉と混ぜて強さを出すために使われます。

イタリアの家庭用の市販の小麦粉にはまだWの表示が記載されているものは少ないようですが、徐々に増えているそうです。






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“粉の強さ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月17日木曜日

メカジキのシチリア風

今日はメカジキの話。
イタリアのメカジキといえば、独特のスタイルの漁をするメッシーナ海峡のメカジキが有名。
最近、マグロの伝統漁の話をすっかり聞かなくなったけど、もう消滅してしまったのでしょうか。
メッシーナ海峡のメカジキ漁の話も聞かなくなりましたが、どうなっているのか。

こんな漁。



普通に釣っても冒険心を大いに刺激する魚なのに、何世紀も前から変わらない道具と方法で、メカジキと1対1の勝負をする漁なんて、ロマンしかない。

でも、どう考えても非効率的で危険な漁、いつまで存続できるでしょうか。
すでに後継者不足のようだし。

とにかく、メッシーナ海峡の漁師は、メカジキに関しては、相当なエキスパートのようです。
『サーレ・エ・ペペ』に、メカジキの習性について、ショッキングな話が載っていました。
メカジキはつがいの絆が強い魚で、オスはメスが捕まると一緒に死のうとする習性がある、なのでつがいでいる時はメスをモリで突くんだそうです・・・。

そりゃ、それが漁というものだとは知っていますが、ちょっとロマンチックすぎて、メカジキとメカジキ漁のイメージが大幅に変わりましたよ。

シチリアの人気のメカジキ料理の一つ、“アッギオッタ”。
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「総合解説」で取り上げた料理はブラチョーレは別名インヴォルティーニ。





ラブラブのつがいのメカジキじゃなかったことを祈ります。



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“メカジキのブラチョーレ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月14日月曜日

モレッティ、バラディン

ビールの話の続きです。

イタリアのビールのCMでもどうぞ。

まずは代表的で身近な、昔からあるイタリアのビール、モレッティ。
イタリア各地の風味を再現したレジョナーレシリーズ。
フリウリからシチリアまで、色々あります。





アンジェロ・ポレッティ




最後はテオ・ムッソからあふれ出るアイデアの一つ、ビアホール。
ローマのオープン・バラディン。




ミラノ、ボローニャ、トリノにもあります。
ローマはカンポ・デ・フィオーリ地区のVia degli Specchi にあります。
料理の監修はなんとカット・ピッツァの王様、ガブリエレ・ボンチ。
最強のタッグですね。
web ページはこちら


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“イタリアのクラフトビールの世界”の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月10日木曜日

イタリアのクラフトビール、ルリジア

今日のお題は、イタリアのクラフトビールです。

『クチーナ・イタリアーナ』によると、今や、イタリア女性の3人に一人は、外食の夕食ではビールを選ぶんだそうです。
イタリアのクラフトビールブームの勢いは、まったく衰えていないようです。
それにしても、なぜイタリアのクラフトビールはこんなにバリエーションが豊かなのでしょうか。
やはり、職人技を尊重する食文化があって、クリエイティブな力に溢れた職人が大勢いるからでしょうか。

イタリアのクラフトビールの種類は飛躍的に増えています。
『クチーナ・イタリアーナ』誌は、「新しい女性と新しいビールは似ている」と言っています。
その心は、どちらも自由だが、一方で敬虔で、タブーもたくさんあるからだそうです。
これもイタリアの食文化を言い表す名言ですねー。

ビール造りにはどんな発想も許されるけれど、その飲み方には、厳格な掟がある、それがイタリアのクラフトビール。

という訳で、ビールと料理の組み合わせにも、厳格な掟がありました。

プリーモ・ピアットを例に考えてみましょうか。

まず、パスタやリゾットとビールの組み合わせを考える時、重要なのはソース。

例えば、イカ墨にはヴァイツェンが合うそうです。
ラディッキオにはラガー、ミラネーゼにはバランスの取れたエールだそうです。

カルボナーラや、ペスト・ジェノヴェーゼに合うのは、エールのルリジア・スペチャーレやピルスのピルスナー・ウルケル。

ルリジア
 ↓



ルリジアはミネラルウオーターのメーカー。
ルリジア・スペチャーレはピエモンテの山の澄んだ水、イタリア産大麦を使っています。




ピルスナー・ウルケルはチェコのビール。
何を言ってるのか一言もわからないけどピルスナーは飲みたくなる。



おまけの動画
ルリジア・ノルマ―レを語るテオ・ムッソ。
イタリアのクラフトビールブームを作った天才は、ずいぶん美味しそうにビールを飲むんだなあ。




彼のXyauyù'シャオユーは傑作でビール造りの新しい波、世界的にも高く評価されているビールだそうです。
ビールというよりシャンパンみたい。





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“イタリアのクラフトビールの世界”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月7日月曜日

モンテロッソのアンチョビー


チンクエテッレに足が遠のく原因の一つは、交通の便が悪い、というイメージです。

中世にできた沿岸部の住民にとっての唯一の道、センティエロ・アッズーロ。
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昔から、5つの集落を結ぶルートはわずかしかなく、1930年代マナローラとリオマッジョーレを結ぶ“愛の道”というルートができたおかげて、ようやく2つの集落を安全に行き来することができるようになりました。

愛の道という名前はかなりこっ恥ずかしい。
 ↓


すごい断崖絶壁。
確かに昔は移動が大変そうだけど、今はモンテロッソからリオ・マッジョーレまで、鉄道で20分で移動できてしまいます。

さらに、船から上陸するという手段もあります。

ところが意外なことに、船は天候に左右されて、いつもすんなり上陸できるとは限らなかったんですね。
これが、地元の伝統料理に魚料理が少ない理由なんだそうです。
そししてわずかな例外が、アンチョビー。
昔はモンテロッソでだけ水揚げされて、それを各集落に運んで売っていました。
各家庭では、塩漬けにして保存して、フリットなどにしていたそうです。
モンテロッソのアンチョビーはリグーリアの名物食材
モンテロッソに行ったらアンチョビ料理を忘れずにチェックですね。

モンテロッソのアンチョビーのフリット祭り。
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モンテロッソのアンチョビー
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モンテロッソのアンチョビーのスパゲッティ
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サーレ・エ・ぺぺ誌のモンテロッソ・アル・マーレのお勧めレストラン、ミッキー。
カンティーナもあります。




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“チンクエ・テッレ”のグルメガイドの日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月3日木曜日

チンクエテッレのネプチューンの巨像

今日はチンクエテッレの話。

イタリアの有名な観光地の一つなので、行ったことのある人も、行こうと思っている人も、少なからずいるとは思うのですが、実際に行った人となると、他の有名観光地と比べて、ややマイナーな存在かもしれませんね。



私もいつか行きたいなあ、とは思っているのですが、アクセスの不便なビーチリゾートなので足が遠のいていました。
ところが今回、『サーレ・エ・ぺぺ』の記事を訳していて、あるホテルが“有名なネプチューンの巨像の近く”にある、という文章に出会い、念のため、ネプチューンの巨像というのを調べてみて、その幻想的な姿に、軽くショックを受けました。
元々彫刻が大好きだったこともあって、今やチンクエテッレは、行けるならぜひ行ってみたい場所になりました。

Statua del gigante o di nettuno a Monterosso al mare - Liguria

さすがはミケランジェロの国だなあ。
断崖の端っこに筋骨隆々のネプチューン像を彫って庭園を支えさせるなんて発想は、幻想的過ぎて、何時間でも見ていられそう。

モンテロッソ・アル・マーレのフェジーナ・ビーチにあります。
アッリーゴ・ミネルヴィという人が1910年に、アルゼンチンに移民して成功したイタリア人、パスティーネ夫妻のために造ったヴィッラ・パスティーネの巨大なテラスの一部で、高さ14mの像です。
第2次世界大戦の爆撃などでかなり被害を受けましたが、一部修復されています。
片足と両腕を失って重そうにテラスを支えるとか、アングルによってはかなり痛々しい姿で、その前で海水浴客がのんびり日光浴している姿はちょっと違和感ありますが、
違和感あるくらい、彫刻が写実的で素晴らしいということでしょう。
いつか行く日のために、行った方でなにかアドバイスがあったら教えてくださーい。

そうそう、記事にあったすぐ近くのホテルというのはこちら。
朝食が美味しいそうです。
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“チンクエ・テッレ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月31日月曜日

ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題

今日はペコリーノ・ロマーノの話。
ガンベロ・ロッソの記事からです。

Pecorino Romano Fulvi Cheese


ペコリーノ・ロマーノの話といえば、いつもの話題は、
約2千年の歴史があるローマの伝統的なチーズなのに、ほとんどサルデーニャで作っている、ということと、
なんでこのチーズはあんなにしょっぱいのか、ということ。

ペコリーノ・ロマーノの95%はサルデーニャ産。
もうほぼ完全にサルデーニャの製品ですよね。
でも、サルデーニャはローマより羊の飼育に適しているし、サルデーニャの人たちは、羊飼いのDNAを持って生まれてくるようで、羊を扱わせたら名人揃い。
サルデーニャ産でも何の文句もありません。
ペコリーノ・ロマーノはイタリアの輸出量の多いチーズトップ5に入っていて、羊のミルクとしては第1位。
しかも、その約1/3はアメリカに輸出されているそうです。
ところが、ペコリーノ・ロマーノは今、転換期を迎えていて、生産量が減少し、廃業する老舗メーカーも現れています。
輸出量か増えても、対ドルユーロ安のせいで利益は相殺されています。
しかも、「分子料理の大流行の反動で、ローマ料理への回帰が起きている」、と(ローマ料理というか、イタリア地方料理と分子料理は水と油ですよね)せっかく追い風が吹いているのに、
数年前の青舌病の流行、ここ数年の雨が多い天気のために野生の状態で飼育されている羊の活動量が減り、ミルクの生産量が20パーセント減少、などの数々のマイナス要因があります。
長雨が羊のミルクの量の減少につながるなんて、知らなかったなあ。

ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題は、特に外国人には受け入れられないくらい深刻ですよね。
あの塩気は、ローマの伝統の味だそうです。
ペコリーノ・ロマーノは元々調味料のように使われていました。
単独でチーズだけを味わうためには作られていないのです。
ところが、ペコリーノ・ロマーノの現在の主な消費者は北イタリア人やアメリカ人。
皮肉なことに、このチーズがアメリカに広まったのは、塩分が多くて長期間保存できたから。
でも、彼らが好むのは、マイルドでフレッシュな味。
これは多分、日本の消費者も同じですね。
というわけで、管理組合では塩気の弱いタイプも造るようにしました。


ペコリーノ・ロマーノのサラトゥーラ
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伝統の味も、こうやって消えていくんですね。
確かに、ペコリーノ・ロマーノは今、転換期かもしれません。
今のうちに伝統の味を味わっておかないと・・・。




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“ペコリーノ・ロマーノ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月27日木曜日

イタリア目線の鶏肉のマレンゴ風

今日は鶏肉のマレンゴ風の話。

Pollo alla Marengo


この料理をイタリア料理と呼ぶのには賛否両論だとは思いますが、一応、マレンゴというのはイタリアの地名(ピエモンテ)なので、イタリアの要素も少しは入っている、ということでよろしいでしょうか。

ナポレオン由来の料理のため、注目を浴びやすく、歴史的な逸話が多い料理、というわけで、後世にいろんなエピソードを生み出した面白い料理です。
とにかく、劣勢だったナポレオン率いるフランス軍が、オーストリア軍に逆転勝利したとたんに、ヨーロッパ中のあらゆる料理書がこぞってこの料理のエピソードを取り上げたようで、その大部分が、フランス目線で描かれています。

ブログで以前とりあげたことがあります。
その時の内容はこちら

7年も前のことでしたが、昔からイタリアではイタリア目線の歴史が伝わっていたようです。
今回は『サーレ・エ・ペペ』の記事から、その一部をご紹介。
まず、食材は戦場であり合わせのものをかき集めて作った、というのがフランスの一般的な説。
ところがイタリアでは、容赦ないです。
ナポレオンの料理人デュナンが、各国の軍隊に蹂躙されてひどい食糧難だった地元の農家を急襲して、鶏を徴収していった、と伝わっています。
さらに塩がなかったので、鉄砲用の硝石の粉で調味したんだそうです。
これ、食べ物?
というレベルですが、なんとこんな料理をナポレオンがえらく気に入ったんだそうです。
ひょっとして、これ、ナポレオンの味音痴をバカにしてる?
確かに、ナポレオンは料理に興味がなかったというのは有名な話。
イタリア目線だと、この料理の質素なところが気に入ったのだろう、という解釈になっています。
うん、バカにしてるね。

しかも、世界中に広まったのは、この料理を有名な戦いのシンボルにするために、エスコフィエが考案した料理だとでも言いたそうな結論。

イタリアとフランスでは、ナポレオンの業績の解釈にも違いがあるようで、隣の国でも正反対のイメージがあったりするんですね。
ところが面白いのが、この料理、アメリカではナポレオン抜きでチキン・マレンゴと呼ばれて、家庭料理としてやたら人気があるみたい。

チキン・マレンゴ
 ↓


プーレ・マレンゴ
 ↓


ポッロ・マレンゴ
 ↓



なるほど、どの国の食文化に属するか、厳密に分類できない料理なので、アレンジの幅も広い料理なんですね。


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“鶏肉のマレンゴ風”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月24日月曜日

3月が旬の食材、マンダリーノ・タルディーヴォ、モエケ

今日は、「総合解説」3月号の記事、“今月の食材”を、ビジュアル解説。
イタリアで3月が旬というと..、どんな食材があるのでしょう。

まず最初はマンダリーノ・タルディーヴォ。

マンダリーノは英語ならマンダリン・オレンジ。
みかんの一種。
ヨーロッパには中国から、15世紀にポルトガルやスペイン経由で伝わりました。


タルディーヴォは晩生(おくて)。
遅く熟す品種です。
イタリアでは3月に熟します。

こちらはシチリアはパレルモのチャクッリで栽培されている晩生マンダリーノ。
wikiによると(こちら)、日本からアメリカに伝わったみかんと同じ品種だそうです。
スローフードの保護食材で、アロマが強くて糖分が高く、皮がとても薄いのだそうですよ。
管理組合に所属するわずかな生産者のみが作っているマンダリーノです。
シチリアでは皮をカンディートにする利用方法が広まりました。
 ↓



シチリアでカンディートと言えば、カッサータ。
 ↓





タルディーヴォの代表的な野菜、ラディッキオ。
 ↓
Venice, street market


次はアーリオ・オルシーノ。
野生のにんにく、行者にんにくのヨーロッパ産の亜種です。
下の動画はロンバルディアのヴァルキアヴェンナでの収穫風景。
イタリア各地の森の湿った場所に育ちます。
春の北部の山岳地はにんにくの香りがつきものなんだって。
冬眠明けのクマが食べて元気になる山草。
 ↓



さらに、ベネチア名物のソフトシェルクラブ、モエケもこの季節のもの。




3月にイタリアにいるなら、パレルモでチャクッリのタルディーヴォのカンディートで作ったカッサータを食べて、ベネチアでモエケを食べるなんてどうでしょう。


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2017年7月20日木曜日

「ドロミテの植物」

イタリア在住のsegnalibroさんから、近況報告です。
素晴らしい写真。
涼しさのおすそ分け。
それではどうぞ。



トレッキング日和の好天が続いています。

dolomiti 1

dolomiti 2



大自然は素晴らしいのですが、景色でお腹いっぱいにはなりません。
山に来てから、新鮮なお野菜や果物が入手しづらくなりました。
いや、あるにはあるんです。でも、このお値段でこの品質だと思うと、なかなかおててが伸びないのです。

今年は青紫蘇の種をまいたのですが、数本発芽したものの、育ってはくれませんでした。
ストラディバリウスは、ドロミテ産の西洋トウヒを使用と聞いて、なるほど、成長が遅いから質の良い木材が育つのだと感心していたのですが、紫蘇は是非とも育って欲しい!
ちなみに、1000本の木があっても、ストラディバリウスになれたのは3本あるかどうか、なのだそうです。

春先には、こんな山菜を見つけました。

dolomiti 3

dolomiti 4

フキノトウとワラビいや、ゼンマイ?
採って食べてみたかったのですが、ご近所さん誰一人食べたことがないとの事で、冒険はやめておきました。日本のものとは違うのかしら?

山に来て一番カワイイと思ったお花がこちら。

dolomiti 5


シラタマソウ。wiki先生によると、ピエモンテやアペニン山脈中部のウンブリアやマルケの辺りでは、この新芽を食べるとの事。
ご近所さんも、これは好きな山菜だそうで、新芽を茹でてニョッキに練り込み、バターとパルミジャーノでシンプルに食べるのがオススメとのことでした。
シラタマソウは、この辺りの方言でsciopetinチョペティンと言い、お花をプチっと潰す時の擬音語が由来なのだそうです。

春先、雪解け後すぐに楽しむ山菜がこれ(写真はお借りしています)


dolomiti 6


Radicchio di montagna 山のラデッキオ。標高1000m以上に自生する野生のラデッキオの新芽です。成長すると、子どもの背丈ほどになるそうです。
サラダにしたりフリットにしたり、調理方法はいろいろですが、地元民のオススメは酢水で茹でて、オイル漬。お店には売っていないので、自分で採るしかないですね。食べてみたーい!

私が唯一チャレンジしたのが、サンブーコの実のマルメラータです。


dolomiti 7




5-6
月頃には至る所にお花が咲いていて、ジャムなんて作り放題食べ放題なんじゃないか、でもご近所さんと争奪戦になったらどうしよう、などと思っていました。
しかし、熟してる実は枝からポタポタ落ちて、収穫時は服も靴も爪も赤く染まり、その上、周りに生えているイラクサのトゲに刺されて、収穫が大変。
また、完熟していない実は、種に毒性があるから使わないように選別したりと想像以上に面倒で、結局1回しか作りませんでした。
なるほど、みんな採らずに放置している訳だわ。
ちなみに、上記のシラタマソウのニョッキには、イラクサの新芽を一緒に練りこんでも美味しいのだそうです。

先日、山で一番会いたかったお花にやっと出会えました。

dolomiti 8


野生のエーデルワイス、生まれて初めて見ました。
まだまだ山でやってみたい事はありますが、そろそろ山を降りようと思います。
1
年間の山生活終了です。


segnalibroさんが、こんな素晴らしいところに住んでいたなんて、初めて知りました。
というか、どこだ!?
山生活は終了でも、イタリア生活はまだ続きますよね。
近況報告楽しみにしてますので、平地の話も聞かせてねー。


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2017年7月13日木曜日

グラニータとクレモラータ

前回は、イタリアンソーダという名前のアメリカ生まれの夏のドリンクの話をしましたが、今日は、一説ではそのイタリア版ルーツと考えられているものをご紹介。

シチリアのジェラートのクレモラータです。





グレモラータより濃くてフルーツのジャムを凍らせたようなものだそうです。
新しい製品なんですね。

クレモラータは、果物の果肉を凍らせて崩します。
基本はグラニータと同じですが、違うのは果肉がたっぷり入っているところ。
クレモラータに最適なのは桃、スイカ、桑の実、フィーキ・ディ・インディアなど。
一方、グラニータは、コーヒーのような液体から作るのにぴったり。
ちなみに、シチリア西部ではグラニータのことをグラモラータと呼んだそうです。
それがクレモラータとグラニータが混同された原因。
グラニータはシチリア発でイタリア中に広まった、シチリアが誇る冷たいドルチェ。

暑くなると冷房ガンガン利かせた中で冷たいものばかり食べて、結局夏バテまっしぐら。
食べる代わりに動画でも見て涼みましょう。



おまけの動画
グラッタケッカ





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2017年7月10日月曜日

イタリアンソーダ

今日は「総合解説」2015年3月号の発売日です。
この暑さの中で料理をするのは大変ですが、料理の翻訳も、できればあまり暑苦しい料理は遠慮したい気分です。
その点、3月号はナポリ料理の翻訳が中心だったのでだったので、海辺のレストランで冷えた白ワインを飲みながら食べるのがぴったりな料理ばかりで、取りあえず、夏バテは回避されました。

ニュートンの魚料理シリーズを眺めていると、ヴェネト、ナポリ、シチリア、リグーリアと、イタリア旅行に行きたくなるような場所ばかり。
“・・・・ディ・マーレ”なんて、言葉の響きだけで、もう美味しそう。

インサラータ・ディ・マーレ。
 ↓


アンティパスティ・ディ・マーレ
 ↓



地中海料理大学の授業だそうです。
どんな学校なんでしょうか。
ホームページはこちら
2009年ソレントに創立されて、カンパーニア州がスポンサー。
南イタリアの料理界が後ろ盾のようですね。




おまけの動画。
アメリカで流行しているらしいイタリアン・ソーダ。
イタリアンクリームソーダとも言います。
実はアメリカ生まれのドリンク。
イタリアにこんなソーダがあると聞いたことはないなあ。
でも、イタリアンソーダという言葉の響きは、美味しそう。



グラスにストロベリーシロップとピーチシロップ、ココナッツシロップなどを入れて氷とソーダを加えます。そこにホイップクリームかヘビークリームを加えて出来上がり。




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2017年7月6日木曜日

ナポリのピッツァとオリヴィエロ・トスカーニ

何でも、世界中で最も広まっているイタリア語はpizzaだそうで。
ピッツァと言えばナポリ。
で、今日はナポリのグルメガイドからビッツァにまつわる話。

まずは、2014年にできたピッツァ国際博物館。
前年にナポリ中心部のムニチピオ広場にオープンした地中海博物館の中にできた2部屋のスペースに、ナポリ・ピッツァイオーリ協会が提供したピッツァ造りの歴史的道具や写真などが展示されているそうです。
こんな展示
はっきり言って意味不明。
博物館の中にはピッツェリアもあって、協会の会員がビッツァを焼いています。

協会と言えば、Verace Pizza Napoletana協会ですが、
設立30年を記念して、フランチャコルタのスプマンテメーカー、コンタディ・カスタルディ、世界的に有名なカメラマン、オリヴィエロ・トスカーニ氏と組んだ写真集『Tu vuò fa' il Napoletano』は、素晴らしいですね。

こんな写真

トスカーニ氏はベネトンの反人種差別キャンペーンの広告で世界中にショックを与えた人。
才能のあるカメラマンの写真は、被写体をこんなに活き活きとさせるんですね。
料理人が腕を組んでどや顔してるポートレトはよくありますが、鼻の下に唐辛子はさんでどや顔してるピッツァイオーロは、初めて見ました。
これ

実はこのピッツァィオーロは、トスカーニ氏なんです。
この写真集のタイトルは日本語にするなら『ナポリかぶれ』。
ナポリよ、ピッツァを発明してくれてありがとう、と言っちゃうトスカーニ氏の人間性も魅力的です。
これは写真撮ってもらった会員は、一生の記念になったのでは。
協会も素敵なことやりますね。
残念ながら、本にはなっていないようです。


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“ナポリ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年7月3日月曜日

夏のイタリア料理

暑いですねー。夏真っ盛りに突入したような暑さです。
イタリア料理の世界では、夏の料理にはどんなものがあるかと思って、イタリアの地方料理を季節ごとにまとめたカルロ・カンビ著の『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ』を見てみました。

それによると、イタリアの夏は、ざっと3つに分かれていて、
6月21日前後の夏至から7月初旬の、まだ春の名残が感じられる季節。





夏至の夜明けのコンサート。
 ↓


夏至は夏の最初の1日。
地中海の人々にとって、日本より思い入れがある日のようです。

7月中旬からフェッラゴスト(8月15日の聖母被昇天の祝日)の期間は、夏本番。
夏の恵みを最大限に味わえる時期。

夏は野菜の季節です。
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎ。
カポナータ、なすのパルミジャーナ、ヴィテッロ・トンナート、カルパッチョの季節。

カポナータ
 ↓



さらに、ケッパーや松の実、イワシといったシチリア料理の食材が美味しくなる季節。
飲食店ではメニューを見直す時期で、前菜やフルーツが増えて、ピアット・ウニコにソルベットやレモンのジェラート、フルーツのトルタを添えて出すようになります。
ソースは定番のリグーリアのペーストからシチリアのトラーパニ風まで、ペーストが大活躍。
プンタレッレやズッキーニの花のフリットも旬です。
チーズはモッツァレッラなどソフトチーズの季節。
メロンを初めとするフルーツも暑い夏に欠かせない食材です。
ピスタチオとヘーゼルナッツも夏が旬。

生ハムとメロンのバリエーション
 ↓


一方、イタリアでは夏のバカンス地には欠かせない魚料理ですが、皮肉なことに水揚げは減ります。
その代わりを務めるのがウニ、甲殻類、タコ、イカなどのシーフード。

フェッラゴストを過ぎると、秋の気配が加わってきます。

バリ市民にフェッラゴストのメニューをききました。
 ↓



土用のウナギみたいなもんかと思ったら、意外と普通でした。

忘れてました。
みんなバカンスに行って、街中はからっぽでした。
 ↓



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2017年6月29日木曜日

ルビコン川の水源の町のチーズ、フォルマッジョ・ディ・フォッサ


今日はチーズの話。
フォルマッジョ・ディ・フォッサというチーズです。

以前このブログで取り上げたことがありました。
こちら




個性的なチーズですが、知名度は低い、と思っていたのですが、
このチーズは、メイド・イン・イタリーを代表する食材として外国でも知られるチーズなんですねー。
おみそれしました。

フォルマッジョ・ディ・フォッサの本場は、ロマーニャ地方のソリアーノsogliano。
ロマーニャとマルケにまたがる地方で作られているDOPチーズです。



ソリアーノはルビコン川の水源がある場所なんですね。
ローマ時代にシーザーが渡ったことで知られる歴史的な有名な川ですが(なんでもこの川を軍隊を連れて渡ると元老院への反乱とみなされたそうです)、この川を渡って元老院と決別したシーザーはローマを支配して終身独裁官となり、世界一有名なローマ皇帝となったのでした。
紀元前49年2月13日と日にちまで特定されているほどの歴史的出来事。



ルビコン川についてはこちら(wiki)をどうぞ。
実際は細い小川のような川だそうです。


フォルマッジョ・ディ・フォッサは、穴に入れて熟成させますが、その間、空気がない状態に置かれたチーズは、水分やホエイ、脂を出します。
3ヵ月かこうやって水分を絞り出すんですね。
穴から出す日はお祭りです。
 ↓


リチェッタ
 ↓


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“フォルマッジョ・ディ・フォッサ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月26日月曜日

ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ


今日はラグー(ミートソース)のベストパートナーのもう一つの方、ラザーニャの話。
正確にはラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ lasagne alla bolognese。

ラザーニャはイタリア各地で作られている料理で、イタリア料理を代表するご馳走の家庭料理。
ボローニャのラザーニャはラグー・ボロニェーゼ入りで麺は小麦粉、卵、ほうれん草入りの緑色。

ボローニャのパスタの永遠のライバル、ナポリのラザーニャは小さなミートボール入りのラグー・ナポレターノをかけ、プレーンの白い麺。
カーニバルの時期に食べます。

ラザーニェ・ナポレターネ
 ↓


ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ
 ↓



個人的にはたくましい女性がパスタを打つ姿が大好き。
完璧なラザーニャには、長さ1m、直径5㎝で完璧にカーブしている桜の木の麺棒が必要。




生地をこねる時は脈拍のようにリズミカルに力強く。

エミリア地方にラザーニャが広まったのはルネサンスの時代で、この料理に欠かせないトマトソースが誕生したのは19世紀のナポリ。

『サーレ・エ・ペペ』誌がラザーニャが美味しいとお勧めするボローニャのお店の1つの動画をどうぞ。
trattoria meloncello。
 ↓



毎日通わないと名物パスタは食べきれない。
行く予定もないのに胃袋が心配。



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“ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月22日木曜日

時代と共に変わるラグー・ボロニェーゼ

ラグー・アッラ・ボロニェーゼは、イタリア料理アカデミーによって、1982年に公式リチェッタがボローニャ商業会議所に登録されています。

家庭料理がルーツのイタリア料理の世界で、公式リチェッタなるものが存在する料理は、かなり異色な存在。
とはいえ、公式のリチェッタは、あくまでもボローニャ以外の誰かが本家を名乗らないようにする商標登録のようなもの。

ボローニャのレストランや家庭では、シェフやお母さんが独自のリチェッタのラグー・ボロニェーゼを作っています。
なので、公式リチェッタが絶対というものではありません。

さらに、ボローニャ商業会議所は、手に入りにくい食材は現代人でも作りやすいように、代用案も加えるなどしていますが、現実には、時代は大きく変わっています。
食材だけでなく、もっと根本的なものが変わっているのです。

まず、公式によると、ラグーのベースとなる肉は、地元ではcartellaと呼ばれる牛の横隔膜のそばの(肺と腸の間)赤身肉。

横隔膜というと、以前segnalibroさんがイタリア便りでハラミのことを取り上げていました。
カルテッラは手に入れやすい部位ではないようで、手に入らなければばら肉、肩肉、うで肉でも代用可と公式はアドバイスしています。

でも、前回も引用したカルロ・カンビ氏は、目の付け所がちょっと違います。
まず、昔は、農家で食べる牛肉は、畑での労働に適さなくなった高齢の牛の硬い肉だったと指摘しています。

2003年の光景
 ↓



そのため、長時間煮込む必要がありました。
昔はラグーは、とろ火で煮れば煮るほど濃厚な味になる、と言われていました。
どれくらい時間をかけていたかと言うと、1~4時間です。
公式のラグーを作ろう思ったら、かなりの覚悟が必要ですよ。
昔の農家の主婦は、朝ラグーの鍋を火にかけて畑に出かけました。
農家の主婦でないと作れない料理だったんですねー。
さらに、ここで注目なのが、カルテッラと言う部位です。
カルテッラというのは、元々水分が多くてとても柔らかい部位なんだそうです。
少しでも時短が可能な、農家の主婦に優しい部位でもあったのですね。
ただ、太い血管があって酸化しやすいので、空気に長時間触れないようにします。
使う直前に挽くというのはこのあたりが理由でしょうか。
というわけで、公式が言うとおりにカルテッラを使ってラグーを作ろうとしたら、かなりの経験が必要になります。
現代人の生活に適した部位ではないので、高齢の牛の肉が手に入る人以外は、カルテッラにこだわる必要はないと、公式が発表されて35年後の私たちは言い切れそうです。

19世紀のイタリアの農家は、ちょっと衝撃的。
キッチンでは、料理する女性陣とは別に、男性は火のそばでワインを飲んでいます。
家長は至れり尽くせりのお世話をされていました。
でも、水浴びをするのは家畜小屋で、牛と一緒。
カードをするのも家畜小屋。
その横で女性は編み物。
 ↓



21世紀の生活や料理は、大きく変わっていて当然。

ラグーにも、牛挽肉だけでなく、豚挽肉、パンチェッタ、サルシッチャ、生ハムと、様々な肉が加わっています。

リチェッテ・ディ・オステリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』には、フォルリのカンティーナ・ディ・ヴィア・フィレンツェという店のラグーのタリアテッレが載っていました。
それによると、ラグーの材料は、豚肩肉、生ハム、牛肉、鶏の砂肝、うさぎのレバー、白玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトノコンセルヴァ、トマト、サンジョヴェーゼ、ラード、塩、こしょう。

本でリチェッタを探せば他にも見つかりますが、リチェッタは見事にばらばら。

80年前のイタリアの暮らしが面白い動画
 ↓



イタリア人の生活は。短期間で大きく変わりましたね。
でも、お母さんが「プレイステーションなんかやってないで手伝いなさい!」と叫ぶ姿は、日本とおんなじ。
今じゃ、アメリカ兵が食べたがったミートソースのスパゲッティは、ボローニャよりアメリカの方が本場の味になっている気がします。
料理は時代と共に変わっていくものだから、ラグーからミートソースになったこのソースが、今後、どう変わるか、ちょっと楽しみです。




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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月19日月曜日

ラグー・アッラ・ボロニェーゼ

今日のお題はミートソースです。
世界中でもっとも愛されているパスタソースの1つ。
でも、ミートソースは英語。
イタリア語では、ラグー。
なぜかフランス語。
ラグーの話をする時は、毎度フランス語のラグーの説明から始めることになるのですが、今日はどの説を紹介しましょうか。
そういえば、ピエモンテのタヤリンやローマのフェットゥッチーネの話をした時に、鶏のレバーのソースをかけると日曜日のご馳走になる、という話もしましたが、この時のレバーのソースもラグー。
ラグーがご馳走だったというのは、この料理の名前がフランス語という理由の手掛かりになります。
つまり、元々は貴族や裕福な階層の料理だったということ。

鴨のラグーのビーゴリ
 ↓




ちょっとこだわるなら、ミートソースは、イタリア語ではラグー・アッラ・ボロニェーゼ。
つまり、ボローニャの伝統的なラグー。
イタリアで、本場のピッツァと言えばナポリ、と誰もが信じているように、ラグーの本場はボローニャです。
ラグーの本場はナポリだと強硬に主要する一派もありますが。
ボローニャを中心とするエミリア地方は、手打ちパスタの文化が花開いた地方です。
カルロ・カンビの『ミリオーレ・リチェッテ』によると、パスタは麺棒で伸ばし、水は1滴たりとも加えない、という鉄の掟があるそうです。

でも世界的にみると、ラグーはスパゲッティにかけるのが多数派。
カルロ・カンビ氏は、エミリア地方の老人から話を聞いて、面白い説を披露しています。
ボローニャは交通の要所で、第二次大戦中は、市街地やアペニン山脈を舞台に、アメリカ軍、ドイツ軍、パルチザンの激しい攻防が繰り広げられました。
その時、遠い故郷からイタリアの山の中までやってきて、イタリアのために戦うアメリカの若い兵隊さんが、スパゲッティが食べたい、と言ったら、どうしますか。
おばあちゃんたちは、そうかそうかと、戦争中でろくな食料も手に入らない中、手に入るありったけの食材をかき集めて、伝統の鉄の掟を破って、スパゲッティ・ミートソースを作るしかないじゃないですか。
それを食べた兵隊さんは(ここから妄想です・・・)無事に帰国して、アメリカでスパゲッティ・ミートソースを広めていったのでした。

ボローニャ解放
 ↓






そんな歴史を思うと、スパゲッティ・ミートソースでもいいじゃないかと思いますが、ボローニャの商業会議所の人たちは、ボローニャの素晴らしい財産がゆがめられて広まるのは耐えられなくて、鉄の掟をさらに強固にしました。

続きは次回に。



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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月15日木曜日

酔っ払いチーズ


今日はヴェネトのチーズの話。
とは言っても、ヴェネトのチーズを口にする機会なんて全然ないので、ハードル高い。
しかも、よりによって、水牛のミルクのチーズです。

最近確かに、北イタリア産の水牛のチーズのニュースは、時々見かけます。
でも、モッツァレッラじゃないんです。

手にした情報は、IL BUFALA AL GLERAというチーズの名前。
それと、水牛のミルクのチーズと、al gleraのgleraは、プロセッコに使うぶどう品種。
これに漬けて熟成させるらしい、ということのみ。

ヴェネトのチーズ。
 ↓



チーズの名前から生産者が分かりました。

ラッテリア・ペレンジンlatteria perenzinw。
動画もありました。



2:30あたりにIL BUFALA AL GLERA登場。
2014年のワールド・チーズ・アワードで金賞受賞という盾が。
チーズは登場せず、盾だけかい。
でも、チーズの名前はBUFALA UBRIACATO AL GLERAということが判明。

メーカーのHPで製品の情報を探すと、BUFALA UBRIACATO AL GLERAは、フルーティーな香りで締まった生地のチーズ。
甘みのあるデリケートな味。
グレラはヴェネトの品種で、プロセッコに使われます(最低85%)。
グラッパのような風味のフリッザンテのワインになります。
その独特の風味がチーズにも加わっています。
水牛のミルクを使うというのはチーズ職人のアイデア。

プロセッコ
 ↓



ワインやモストに浸したチーズのことをフォルマッジョ・ウブリアーコと呼びます。
これは第一次大戦中にチーズが徴収されないように隠したのが最初、と考えられているそうです。


ウブリアーコ・チーズ。
 ↓




イタリアの酔っ払いチーズは大部分がヴェネト産だそうです。
ヴェネトのチーズ食べたくなってきた~。



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‘BUFALA AL GLERA’は「総合解説」2015年2月号P.2に載っています。
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2017年6月12日月曜日

ローマ料理、前菜とパスタ

今日は「総合解説」にのせたローマ料理の話です。

その前に、「総合解説」2015年2月号発売しました。
ローマ料理の後半も載っています。

ローマ料理の1品目は、やっぱり生ハムとイチジクのピッツァにしました。
ニュートンの『クチーナ・ロマーナ』のリチェッタです。
取りあえず、1品目でこの本のスタンスがよーくわかりますよ。
何しろ、作り方は、まず、パン屋で焼き立てで熱々のピッツァを買う。
ですから。
この地元民にしか分からない突き放した解説っぷり。
確かにこうすれば最高の生ハムとイチジクのピッツァができるに違いない。

グイド・トンマーゾの『ローマ・エ・ラツィオ』のブルスケッタはこんな感じ。

パーネ・カゼレッチョ(理想的なのは1日たったパーネ・ディ・ジェンザーノかラリアーノ)を厚さ1㎝にスライスし、さらに半分に切る。
強すぎない火(炭火)であぶり、ふちにしっかり焼き色が付いたら半分に切ったにんにくをこすりつける。・・・

この調子で神経質なまでに詳細に続きます。
仕上げにかけるオリーブオイルの種類まで、指定しています。

訳しながら何度も、ローマに住んでなきゃ手に入らないって、とつっこみたくなります。

一番現実的で冷静なグリバウドの『ラツィオ』には
「ブルスケッタという名前は、こんがり焼くと言う意味のbruscareという動詞が語源。ほとんどすべての州に似たものがあるシンプルな料理だが、ラツィオのブルスケッタは特によく知られている」
と、納得の解説が。




まだありますよー。
『ローマ・エ・ラツィオ』のスップリは、
「リゾットが少量残ったら、スップリを作るいい機会だ」
から始まって、リゾットの作の方は丸々省略。
ローマっ子が実際にやっているリチェッタそのものなんですね。



続いてプリーモ・ピアットです。
ローマのパスタは、カルボナーラ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、アマトリチャーナ、プッタネスカ等々日本でもおなじみのものばかり。
先日ブログで紹介した鶏レバーのローマ風フェットゥッチーネや、ブロッコロ・ロマネスコのパスタ・エ・ブロッコリーなど、ローマっ子に人気のリチェッタも訳しました。

ブロッコロ・ロマネスコ
 ↓




1月号の前半は前菜、メレンダ、プリーモを訳しました。
2月号の後半は、セコンド、野菜、ドルチェです。
翻訳の感覚がつかめてきたのでリチェッタの数も大幅に増えています。

来月はカンパーニア料理の予定です。



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2017年6月8日木曜日

ローマとラツィオ料理の本


今月の「総合解説」から、クレアパッソで販売している本の日本語訳を載せることにしました。
最初はローマ料理の本です。

取りあえず、ローマ料理が載っている主な本を集めてみたら、約10冊ありました。
もちろん1冊まるごとを訳すのは無理ですが、少しずつでも、継続すればかなりの量が訳せるはずだと考えて、取りあえず始めることにしたのです。

最初はローマ料理を選びました。
取り扱っている本のリチェッタの中から、前菜と軽食、プリーモ、セコンド、野菜、肉、魚、ドルチェの順で、いくつか訳しました。

頻繁にリチェッタを参照した本は


左から、1.ニュートンシリーズの『クチーナ・ロマーナ・エ・エブライコ・ロマネスカ』、
2.グリバウドシリーズの『ラツィオ』、
3.グイド・トンマーゾシリーズの『ローマ・エ・ラツィオ
です。

1は料理人に一番読まれているシリーズ。
おそらく、かなり昔からある本です。
表紙のデザインを変えながら現在まで受け継がれているようですが、現在は、なぜか数種類の表紙のデザインが出回っています。
中身はどれも同じです。

料理人に人気があるのは、出版されたのが古い本ですが、あまり古すぎると、歴史的な価値はありますが、言葉が難解だったり、食材が手に入らなかったりして、あまり実用的ではありません。
その点、このシリーズは適度に古くて、適度に実用的です。
リチェッタだけでなく、料理の背景などの説明も豊富。
今回訳してみて、まず最初にこの本のリチェッタを参照し、難解な点は2のグリバウドシリーズで実用的なリチェッタを確認し、さらに3で、もっと面白いリチェッタはないか探し、最終的にレストランのリチェッタをチェックする、という万全の態勢を取りました。
レストランの本は、オステリエ・ディ・イタリアシリーズ『クチーナ・レジョナーレ』、『パスタ・サボーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』、『ロッショーリ』などです。

「総合解説」のリチェッタを読めば、各本の個性が分かってくる、と思います。
具体的な内容については、次回に。

ローマ料理
 ↓




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ローマとラツィオ料理のリチェッタは、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月5日月曜日

フィレンツェのグルメガイド

今月の「総合解説」から、今日はフィレンツェのグルメガイドの話。
ガンベロ・ロッソの記事です。
最初に名前が出てきた店、エノテカ・ビンキオッリは今更語るまでもない有名店なので、2番目の店、オーラ・ダリアから。

別にこのお店が有名でないとうわけではありません。
十分有名なお店のよう。
イタリア人にとっては、元フィレンツェ市長からイタリアの首相になったマッテオ・レンツィ氏の、市長時代のお気に入りの店として知られているようですが、イタリアの首相がベルルスコーニで止まってるこちらとしては、どういう人物なんだか、さっぱりでんなー。

1975年生まれで、フィレンツェ市長になった時は34歳。
首相になった時は歴代最年少の39歳。
2016年12月に辞任。

フィレンツェ市長として最後の日のレンツィ氏
 ↓



オーラ・ダリア、シェフはマルコ・スタービレ氏。
1973年生まれ。
レンツィ元首相とは同世代ですね。




次はがらっと趣を変えて、オステリア・トリッペリア・イル・マガッジーノ。
ランプレドットのパニーノなど、内臓料理の店。




ランプレドットは牛の第4胃のフィレンツェでの呼び方。
この町の人が大好きな内臓料理。

パスタなどのプリーモは出さないけれど、伝統料理など興味深い料理を出す店、オステリア・ペルソナーレ。
 ↓






最後はメルカート・チェントラーレ。
料理教室、エノテカ、リトランテ、ピッツェリア、書店、イータリーがあるそうです。
フィレンツェはいつ行っても景気がよさそうな街ですねー。


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“フィレンツェ”のグルメガイドの記事の日本語訳は、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月2日金曜日

グラナ・パダーノ

今日はグラナ・パダーノの話。
総合解説」の記事のビジュアル解説です。

とろこで、どっちがパルミジャーノでどっちがグラナ・パダーノでしょうか。

Parmigiano

Grana Padano

粉チーズになるとそっくりだけど、塊だと意外と違いが分かるもんですね。

上がパルミジャーノで下がグラナ・パダーノです。

それでは、世界中で最もたくさん売れているイタリアのチーズはどっちでしょう。

答えは下です。
販売量はグラナ・パダーノの方が多いんですね。

この種の硬質チーズは、全部まとめてグラナと呼ばれています。

グラナ・パダーノの歴史と製造方法
 ↓


グラナは、キアラヴァッレ・ミセネーゼの修道院など、中世の修道院で、ポー河の北側の沼地を干拓していた修道士によって作り出されたと考えられているチーズです。
この地区は牧草が豊富で、牛乳が豊富にあったためた、その牛乳を長期保存するために作ったチーズと言う話は、以前にもブログにのせた気がします。
グラナ・パダーノやパルミジャーノ・レッジャーノの祖先と言われるチーズは、グラナ・ロディジャーノです。
最盛期は19世紀でしたが、その後、減少の一途をたどっていきます。

その理由は、牧草地の減少、ブラウンスイスからホルスタインへの切り替えが進んだこと、自然発酵ではなく乳清を添加する製法や塩水でなく塩をまぶす製法が普及、長期熟成の敬遠など、様々な近代化要素がことごとくマイナス要因になってしまったようです。

そんな中で昔ながらの製法を守ることは、相当大変なことだと思いますが、それでも、昔ながらの製法を守ってチーズを作り続けている造り手は、まだ存在しています。

世界中でもっとも売れている割にはイメージが薄いチーズ、グラナ・パダーノ。
その味は、シンプルで強く、クリーミーで甘みがあるのが特徴。






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“グラナ・パダーノ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月29日月曜日

タヤリンと鶏レバーのソース


タヤリンに話を戻します。
前回は麺の話をしましたが、今回は組み合わせるソースの話。
タヤリンのソースとして世界的に有名なのは、やはり同じくランゲ地方の名物、白トリュフのソースでしょう。

イタリア料理を志す人なら、一度は食べてみたいですよね。
総合解説」に訳をのせた記事にも、白トリュフのソースのことは書かれています。

記事によるとこの料理は、ニューヨークで流行ってアメリカ経由でイタリアに逆輸入されたようです。
ランゲの農民料理から生まれたものではなそうですね。
それでは、地元で伝統的にタヤリンに一番合うと言われているソースは何かというと、2時間かけて作る鶏のレバーのソースだそうです。

ん?鶏のレバー?
なんだか最近聞いたような・・・。

そうそう、ローマのフェットゥッチーネの話をした時でした(こちら)。
ローマの手打ちの平麺、フェットゥッチーネと組み合わせる一番人気のソースは、鶏のもつのソースでした。
ローマの庶民にとってはご馳走で、日曜日の夕食の定番メニューだったとか。
そしてこのピエモンテのタヤリン。
総合解説にもありますが、日曜日のご馳走だそうですよ。

スローフードのリチェッテ・ディ・オステリエシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、普段はミートソースをかけるけれど、農家では日曜だけは時には鶏のレバーのソースをかけた。鶏は農家にとってはご馳走で、祝日の食材だったからだ、とあります。

鶏がご馳走というのはローマの農民もピエモンテの農民も変わらなかったのですね。
というとは、多分、タリアテッレも鶏の内臓のソースと組み合わせるはず。

ちなみに“鶏もつのローマ風フェットゥッチーネ”のリチェッタは、今月の「総合解説」の後半に載っています。

改めてリチェッタを探すと、鶏のレバーのパスタは、ミートソースのパスタとほぼ同じものだったようで、牛の挽肉に鶏のレバーも加えて長時間煮込むと、イタリアの農家風ミートソースになります。


前回はタヤリンの動画だったので、今回はフェットゥチーネとタリアテッレをどうぞ。






麺作りは女性、というか、お母さんが一番さまになりますねー。

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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月25日木曜日

イタリア便り

イタリアのsegnalibroさんから、久しぶりに近況報告が届きました。
忙しい中、思い出してくれたんだ。

ブログには相応しくない気もするのですが、イタリアが直面している現実です。。
との前置きがありました。

それではどうぞ。



学年末2017

今年の冬は雪が少なく、スキー場は大変だったみたいです。
4月上旬までは暖かかったのですが、そこから一転して寒い日々が続きました。
山とはいえ、5月とは思えない気候です。

Mt.Pelmo

学年末のこの時期恒例、市が主催する学校系のフェスタに参加しました。
今回のテーマはカリグラフィー。急遽Amazonで買った筆ペンを持参し、山を降りて、平仮名やカタカナをいっぱい書いてきました。

scritture del mondo

地元イタリア人だけでなく、イタリア語を学ぶ外国人もたくさん参加していたのですが、その中にガンビア共和国出身という人がいました。
ガンビア??最初は、ザンビアの聞き間違いかと思ったのですが、アフリカの西、セネガルに囲まれた小さな国がガンビアでした。

彼がまだ小さな少年だった頃、この国で政変が起こります。
祖父の飼っていた乳牛が殺されるのを阻止しようと抵抗したため、拉致されて酸をかけられ、砂漠の真ん中に放置されたそうです。
その後は、お決まりのパターンで海からイタリアにやって来たのですが、酸の影響で歯にも問題があり、そんなこんなでイタリアでの滞在許可証はちゃんともらえ、今は大人の為の高校に通っているそうです。

ガンビア、ネットで調べると、いろいろ出てきました。
今年1月の日曜日、たくさんの観光客の眼の前でヴェネチアの運河に身を投げた22歳の男性は、難民としてイタリアにたどり着いたガンビア人。記事によると、滞在許可証が取消され悲観したのではないか、との事でした。
また、難民としてドイツにやって来てサッカー選手になる夢を叶え、ブンデスリーガで活躍するガンビア人の記事もありました。

こういうイベントに参加させてもらうと、本当にいろいろと考えさせられます。
難民問題が解決する日が来るとは思えませんが、1人でも多くの人が彼らについて知ることで、前に進む小さな一歩になればいいな、と思います。


確かに、ずいぶんシリアスな気分になっちゃったみたいですね。
日本にいると、身近にこんな悲惨な体験をした人がいるなんて想像もできないですが、これも現実ですね。

北イタリアの山のふもとにいると想像つかないかもですが、こちらはもう夏ですよ。
クーラーつけてアイス食べてます。
今からこんなで、夏本番になったら、どうなるんでしょう。
平和だ・・・。



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2017年5月22日月曜日

タヤリン


今月の「総合解説」で取り上げた地方料理は、タヤリンです。

NYC - Eataly NY: Tajarin


アニョロッティと共にピエモンテの代表的な手打ちパスタ。
タリオリーニのような細い平麺で、特にこれと言った特徴はないようにも感じますが、『サーレ・エ・ペペ』の記事は、イタリア人ならではの視点で1歩深く踏み込んでいて、訳していて面白かったです。

まずタヤリンは、誕生の地、ランゲ地方の農民の古い知恵がたっぷり詰まったパスタなんだそうですよ。
ピエモンテは地形的に山、平野、丘陵地帯に分かれますが、ランゲはご存知の通り、クーネオとアスティにまたがるイタリアを代表する美味しいワインの産地の丘陵地帯です。

ランゲ地方
 ↓
Langhe

ランゲは農作物が豊かに実る地方で、ぶどうだけでなく、果実、穀物、チーズなどの生産も盛んです。
中でも有名なのが、ピエモンテ牛と白トリュフ。
イタリアでも有数の美味しいワインができて、牛肉とトリュフが名物なんて、どんなパラダイスなんですか。

タヤリンはこんな地方の家庭料理として広まりました。
タヤリンの説明として記事で最初に取り上げているのが、この薄―いパスタを薄ーく伸ばすには、かなりの腕力と丈夫な麺棒、そして熟練の技が必要だということ。
よりによってまず腕力。

生地を平たく伸ばすパスタはイタリア中にありそうですが、なぜここまで腕力が重要なのか。
その理由は、このパスタが軟質小麦粉と卵とたっぷりの卵黄で作られるということにありそうです。
卵黄がたくさん入ったパスタは、濃い黄色で、なめらかな生地になりますが、柔軟性がないので、薄く伸ばすのは、かなり大変な作業になります。
でも、この生地だと詰め物入りパスタも破れないし、ゆでてもアルデンテで歯ごたえが残る。卵の風味がある、さらに麺棒で伸ばすと表面がざらざらになってソースがよくからむという、数多くの利点があるのです。



どんだけ大変なのか思ったけど、タンタンと作ってます。

下は有名シェフのタヤリン作りの動画ですが、上の動画のお母さんシェフより、かなり大変そう。
結局はスタッフに丸投げかい。





しかも機械任せだし。
乾燥過程も見ることができますが、ランゲの家庭では、あれもお母さんがやりました。
麺の適切な薄さやちょうどいい乾き具合を知らなくては作れない麺なんですねー。
出来上がりは超美味しそー。
しかも牛のヒレ肉と白トリュフ入りコンソメでつけ麺にしてるし。

ピエモンテのレストランガイドでタヤリンは手打ちと自慢げに書いてあるのを見かけて、なぜこんなに手打ちであることを自慢するのか不思議でしたが、納得です。



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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月18日木曜日

パネットーネ・ガストロノミコ

現在販売中の「総合解説」のホームパーティーのリチェッタから、面白い料理を紹介しています。
2品目は、モッツァレッラ・イン・カロッツァ(昔は馬車に乗ったモッツァレッラと訳していたけど、今は何て呼んでるんでしょうか?)の応用編。
ホタテ貝のイン・カロッツァです。

モッツァレッラ・イン・カロッツァは、スライスしたモッツァレッラを食パンでサンドにして、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げるという、典型的で簡単なナポリ料理。
応用の幅も無限に広い1品です。
 ↓



これをホームパーティーの料理にするなら、どうアレンジしますか。
ヒントは、いつもの家庭料理の趣が強すぎる食パンをほかの食材に変えてみる。

「総合解説」では、ホタテ貝を使いました。
モッツァレッラはホタテ貝とおなじ大きさに丸く抜きます。
ホタテ貝は厚みを開きます。
あとはすべて同じ作り方。
アンチョビははさみません。
仕上げには、塩とレモンの皮のすりおろしを散らします。

面白いアイデアと思ったのですが、イタリア語のネット上には、リチェッタがたくさんアップされていました。

次は、ネット上にはもっとリチェッタがあふれているパネットーネ・ガストロノミコ。
年末年始のパーティー料理には、かなり昔から必ず登場していた1品ですが、どうやらイタリアの家庭に本格的に定着したようで、専用のパネットーネも登場しています。
そのパネットーネのことをパネットーネ・ガストロノミコと呼ぶみたい。
ブリオッシュパンのバージョンもあります。
筒形のパネットーネを薄くスライスして甘くない様々な具をサンドして山のように重ねます。
 ↓




ネーミングが面白かっったのが、インサラータ・ルッサ・アッラ・メッシカーナ。
直訳すれば、ロシアンサラダのメキシコ風。
国籍があるようでない料理。
ちなみにロシアでは新年にポテトサラダを食べるんだそうです。
 ↓



インサラータ・ルッサは言っちゃえばイタリア風ポテトサラダですが、それがメキシコ風と言うことは、そう、アボカドが入ってるんですね。
さらにカニやエビも加えれば、パーティー向きになります。



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“新年を迎えるホームパーティーメニュー”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月15日月曜日

イタリアンの押し寿司

「総合解説」は今月号から内容が少し変わりました。
前半は料理雑誌の記事の翻訳。
後半は、クレアパッソで販売している本の翻訳です。

今月の「総合解説」は、雑誌は1月号、本はローマとラツィオ料理の本です。

今日の話題は、雑誌の記事、“新年を迎えるホームパーティー”の最初の料理、“サーモンのティンバッリーニ”。

この写真の料理です。

リチェッタを訳しての第一印象は、「これは押し寿司だな」

最近すごく感じるのですが、日本料理のアイデアを取り入れた料理が、イタリアでもシェフたちのリチッタを中心に、すごく増えています。

このサーモンのティンバッリーニは、まずサケをマリネします。
翌日、ゼラチン液を作ります。
さらに玉ねぎ入りのプレーンなリゾットを作ります。
型にサーモンを並べ、接着剤用のゼラチン液、リゾットの順で重ね、さらに黒いランプフィッシュの卵をはさんでリゾットを詰めるのがポイント。
キャビアのようにも見えるこのランプフィッシュの卵が使われているだけで、料理が一気に和食からイタリアンに、さらにゴージャスになります。
ホームパーティーのメニューとしては、かなり上級なのでは。

さらに、今月の「総合解説」には、もう1品、押し寿司のリチェッタがあります。

それは、エルンスト・クナムというイタリアで大活躍中のドイツ出身のパスティッチェーレで、マルケージチルドレンの一人でもあるシェフが考案した、魚料理の新年のメニューの1品です。

料理は“リゾット・アル・サルト、ヒメジとシトロネット風味”。

ドイツ生まれでミラノ育ちのクナム氏。
プロの料理は違う、ということを見せつけてくれます。

まず、シャンパンのリゾットを作ります。
型にヒメジの切り身を敷いてリゾットを詰めます。
冷蔵庫で固めたら型から出してフライパンでヒメジごと上下の表面を焼きます。
ソースは澄ましバターとレモンのシトロネット。

なるほど、リゾット・アル・サルトというネーミングは、リゾットを焼くところからきているのか。

リゾット・アル・サルトは残ったリゾット・アッラ・ミラネーゼことサフランのリゾットをフライパンに薄く広げて香ばしく焼いた1品。

クナム氏の料理はヒメジごと固めたリゾットの表面を焼く、という、ミラノ料理の伝統を取り入れたイタリアンです。

リゾット・アル・サルト
 ↓



ちなみに、クナムシェフのお気に入りの調味料の一つにわさびがあります。
今回の新年の魚料理のメニューにも使っています。

わさび少々を水小さじ1で溶き、サワラクのスモークレッドペッパー一つまみと一緒にフィラデルフィアクリームチーズに加えます。
これをサンドイッチ用パンに塗って、スモークしたメカジキ、メキシコカカオ70%のチョコレート、マンゴー、スカローラのサンドイッチにします。

・・・味が・・・想像できない。

エルンスト・クナム氏は、テレビでの活躍からチョコレートの王様と呼ばれています。
お店はミラノにあります。
 ↓


 
ドイツ人の正確さとイタリア人の感性が結びついたら無敵ですね。


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“新年を迎えるホームパーティーメニュー”と“エルンスト・クナム”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月8日月曜日

ゲーテのグランド・ツアー

GWも終りましたねー。
長いようであっと言う間。
今日からいつも通りの日々。
とはいうものの、あれ、今は春なんだっけ、夏なんだっけ。
海が赤くなったり、青く光ったり、
季節感が狂ってるなあ。

まだ休日モードを引きずってる気分なので、今日は、イタリア旅行中のセレブの絵でも。

Painting of Goethe

ローマ近郊の田舎でくつろいでポーズを取っているのはゲーテ。

彼が初めてあこがれの地、イタリアを旅したのは、1786年、37歳の時でした。
しかも2年もかけて。

帰国して30年もたって『イタリア紀行』という本を書いています。
イタリアでたっぷり歴史的なものに触れたゲーテは、古典の素晴らしさに惹かれていきます。
イタリア料理とドイツ料理との違いにも大いに興味を持ったようです。
ドイツの天才も日本の凡人も、イタリアを旅行して感化されることはたいして違わないかも。

 ブログで時々話題にしてますが、ゲーテが旅した時代は、グランドツアーと呼ばれるイギリスの貴族の子弟のフランス、イタリア旅行ブームの真っ最中。
お金持ちのぼんぼんのゴージャスな卒業旅行のイメージがあるんですが、これもイギリス人も日本人も変わらないなあといつも感じること。

イタリア人から見たグランドツアー。
 ↓


グランド・ツアーは単なる観光じゃなくて、人間的、教養的に成長するための旅だったそうです。

ゲーテが凡人と大きく違うのは、旅行中もバンバン仕事をしていて、文学活動は決して休まなかった点ですかねえ。
ぼちぼち仕事始めなくちゃね。


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2017年5月1日月曜日

ローマ風フェットゥッチーネ

今日はローマの名物手打ちパスタの話。
カルボナーラ?アマトリチャーナ?
とても有名なこれらのソースに組み合わせるパスタは、主にスパゲッティやブカティーニやリガトーニ。
つまり乾麺。
今回のお題は手打ちパスタです。

ローマ料理を代表する、ローマっ子が大好きな手打ちパスタは、フェットゥッチーネ。
きしめん状の平面です。
タリアテッレとそっくりですが、これは生地を伸ばして細く切るという基本の作業がとてもシンプルだった結果、出来上がったものがたまたまそっくりになったのかも、と思いませんか?

ラグーのタリアテッレではなく、フェットゥッチーネです。
 ↓
fettuccine

ちなみに、パスタの歴史を考える時、平麺は生地を薄く伸ばしてまっすぐ切ればいいだけだから、最初にできたパスタだろう、なんて安易に考えがちですが、よーく考えてみると、麺を伸ばしたり切ったりするのには道具が必要です。
つまり、粉と水をこねただけでできる一番簡単なパスタは、多分、小さくちぎって指で押したりこすったりして成型する、オレッキエッテのようなパスタじゃないでしょうか。
そして平麺の進化系は、ステンレスの糸が発明されてから生まれたキタッラかも。

歴史を調べると、シンプルなパスタにも生まれた理由がちゃんとあるので驚きます。
ただし、大昔に農家のおかみさんたちが作り出したようなパスタは、ルーツにたどり着くのはほぼ不可能。

ニュートンの地方料理シリーズの『cucina romana e ebraico romanesca』によると、ローマのフェットゥッチーネははるか昔から作られていたそうです。
あまりにも昔で、当初は卵は入っていなかったそうです。
だから、あまり柔らかくなくて伸びない。
なので、ローマのフェットゥッチーネは硬めで短いんだそうですよ。
それに機械でカットすると均一になって無機質な麺になるので、絶対に手で切るのだそうです。

ローマのフェットゥッチーネにかけるソースで一番人気なのは、鶏のもつのソース。
どの書籍にもそう書いてあります。
ローマを代表する料理だそうですよ。

スローフードのオステリア・ディ・イタリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、鶏のもつはrigaglieと呼び、四つ足の動物のもつはfrattaglieと呼ぶそうです。

当然、昔は内臓は貧しい農民と都会の労働者にとっては大切なタンパク源。

鶏のもつのフェットゥッチーネは、ローマやラツィオのこういった階層の人たちにとっては、日曜日の晩御飯のご馳走。

レバーのイタリア料理と言うと、子牛のレバーを使ったヴェネチア風しか思い浮かばなかったけれど、意外とパスタのソースにたくさん使われていました。
ただし、田舎の料理自慢のおかあさんたちがこういった内臓を使った料理を作る機会は、現在は減っているそうです。

次号の「総合解説」はローマ料理特集その1.。
『cucina romana e ebraico romanesca』の鶏のもつのローマ風フェットゥッチーネのリチェッタも、訳しました。


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2017年4月27日木曜日

アブルッツォのパスタ

イースター料理の話をするつもりでしたが、前回は、今、制作中の次号の「総合解説」に出てくるブルスケッタに最適なパンがとても美味しそうだったので、ちょっと寄り道してしまいました。
詳しくは次号の「総合解説」(2015年1月号)をご覧ください。
前前回のイースター料理は、アブルッツォのフィアドーネの話でした。
そこで今回は、アブルッツォのイースターのパスタの話です。

アブルッツォには、キタッラという有名なパスタがありますが、今回紹介するパスタもキタッラ。
伝統的には、キタッラにかけるソースは肉のミックスのラグー。

今回紹介するのは、テーラモ風のミートボール・パスタです。



ミートボールと言ってもヘーゼルナッツ大の小粒。
これならロングパスタと一緒にフォークで巻きつけられそう。

ラグーのキタッラに、さらにパッロッティーネと呼ばれる小粒のミートボールを加えた1品。
ラグー用の煮た肉を小さく刻んだだけのように見えますが、実はチーズ入りのミートボールという、とても手の込んだ料理なんです。

アブルッツォの復活祭のパスタをもう1品。

アブルッツォ風クレープです。



クレープの具はおろしチーズだけ。
鶏ガラスープのブロードの味が重要になりますね。

アブルッツォのパスタも、なかなか美味しそうじゃないですか。

そういえば、アブルッツォはデ・チェッコがあるところ。
パスタ作りの土壌があるんですね。






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2017年4月24日月曜日

パーネ・ディ・ジェンザーノ、パーネ・ディ・ラリアーノ

今日はパンの話。
私のイタリアのパンとの初めての出会いは、初めてイタリアに行った時、ホテルの朝食で食べたロゼッタだったと思います。
ピッツァじゃなくてピザの時代です。
平成生まれの人たちが初めて出会うイタリアのパンは、なんでしょう。
中が空洞のロゼッタは、ある意味、とてもカルチャーショックなパンでした。
ロゼッタでイタリアのパンを知り、ミラノのミケッタとも出会って、こういうのがイタリアのパンだと、すっかり思い込んでいました。
でも、中部イタリアから北部、南部へと行動範囲が広がるにつれて、イタリアにはとても美味しい様々なパンがあることを発見していきました。
さらに、イタリアの地方料理の情報が届きやすくなった最近では、そのバリエーションの豊富さにはびっくりです。

ロゼッタ




ナポリではもちろんピッツァと出会いましたが、だいぶ後に、ローマにもピッツァ・ビアンカという名物ピッツァがあることを知りました。 

ピッツァ・ビアンカ



さらに、イタリアのパン料理として最初に知ったのが、ブルスケッタ。
これは、イタリア中にある料理ですが、なぜか特にローマの料理として知られています。

ブルスケッタ



ブルスケッタに使うパンは、一般的な田舎風パン、パーネ・カゼレッチョだと思っていました。
けれど、食材はパンとオリーブオイルだけに近いこの料理、パンとオイルが実は重要。

グイド・トンマーゾの地方料理シリーズの『ローマとラツィオ』によると、パンはパーネ・ディ・ジェンザーノかパーネ・ディ・ラリアーノ、オイルは、サビーナのEVオリーブオイルが最適だそうです。

パーネ・ディ・ジェンザーノもラリアーノも初めて聞きました。





ジェンザーノとラリアーノ、どちらもローマ南部のコムーネです。
行ってみたくなりました。

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2017年4月20日木曜日

復活祭の前菜

今年の復活祭は4月16日だったそうで、カトリックの暦の上では今頃は春爛漫といったころでしょうか。
ところが、日本はもう夏になっちゃったみたいですね。
去年は秋も短かったけど、短い春は精一杯楽しみたいですね。

今日は『ア・ターヴォラ』の4月号から、「復活祭の地方料理」の前菜をいくつか。

まずはソラマメとペコリーノのトルティーノTortino com fave e pecorino。
トスカーナ料理です。

Fave e pecorino

ソラマメとペコリーノと言えば、イタリアの春を象徴する食材ですが、それを小麦粉とイーストの発酵生地に加えて一晩発酵させ、復活祭の日の朝に焼いて食べます。
こんがりと香ばしく焼けたトルタには、緑色のソラマメがたっぷり埋まっていて、朝食じゃなかったらワインが進みそうです。

6~8個分のリチェッタは

1.イースト5gを温めた牛乳150mlで溶き、小麦粉500gに加えてこね、1時間発酵させます。
2.ペコリーノ300g、卵4個(1個ずつ)、さやむきソラマメ300g、ラード60g、塩一つまみを加えます。
3.マフィン型に入れ、覆いをして一晩発酵させます。
4.翌朝、180℃のオーブンで20分焼きます。
5.ケーキクーラーにのせて冷ましてサーブします。

次はアブルッツォ料理、フィアドーネFiadone。
サラートとドルチェ両方のバージョンがあるパスクア料理で、クリスマスにも作ります。









詰め物は地元産のペコリーノが一般的なようですが、3番目の動画のようにリコッタでも作ります。
MCの女性はイタリアンチーズケーキと呼んでましたね。
これは食べてみたい。
アブルッツォでは1年中売ってます。


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2017年4月17日月曜日

地方料理のシリーズ本

今日は、クレアパッソで販売している地方料理書シリーズのご案内。











まず、グリバウド社の“グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズ











そしてニュートン社のシリーズ











さらに、グイド・トンマーゾの地方料理シリーズの3種類です。

一番古いのは多分ニュートンのシリーズ。
表紙のデザインを変えて何度か再版されています。
イタリア人が最も信頼している人気の地方料理書。
特徴は、普通の料理書シリーズの他に、魚料理だけのシリーズがある点。



値段が安い分写真は少なく、写真は本の中央にまとめてありますが、リトグラフのイラストが随所にちりばめられていて、楽しく読めます。
歴史と権威のある料理書の趣。
一時は姿を消していて、どうなることかと心配しましたが、今回の再版で元気に復活しました。
まだ品ぞろえ中なので、ご希望の本があったらリクエストください。
優先的に取り寄せます。



グリバウドのシリーズはそんなに古くないと思うのですが、コンパクトにまとまったサイズ、豊富な写真、シンプルなリチェッタ、手ごろな値段などが人気で、たちまち一部売り切れに。
全部の州をそろえてもそんなに場所を取らないのに、揃った姿は壮観で、ちっょとあの州のあの料理のことが知りたい、といった時にとても役に立つので、まだあるうちがお買い時。


一番新しいグイド・トンマーゾのシリーズは、ローマ(ラツィオ)、シチリア、トスカーナ、ヴェネチアの4冊だけしか出版されていませんが、とにかく写真が素晴らしい。
そこに暮らす人たちの生活が伝わってくる写真です。

例えば、一番新しいのはヴェネチアの本。
表紙は美味しそうでゴージャスなカニ料理ですが、ちょっと端がかけた皿に、開いた殻に身を詰めたカニがドンとのっていて、細いフォークが、6本も添えられています。
いかにもこれから仲間たちとみんなで、ワインを飲みながら平らげようという楽しげな雰囲気。
さらに最初の料理の写真は、半分に切った半熟卵を爪楊枝で食べようとしている女性の手と、冷えた白ワインが満たされているハウスワイン用グラス。
どう見てもヴェネチア名物チケッティとオンプラを楽しむ直前の常連さんですね。
ヴェネチアに飛んでいって、その雰囲気の中に混ざりたくなります。
新作が出るのがとても楽しみなシリーズです。

シリーズ本ではありませんが、新入荷の本『ハリーズ・バー』もヴェネチアで一世を風靡した伝説の店のリチェッタが読める興味深い本です。

今週も面白そうな本が入荷してますよ。
お楽しみに。

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2017年4月13日木曜日

モデナの美味しい店。

さて今日は、モデナの食べ歩き旅のお店情報です。

お店の住所などは「総合解説」に載っていますので、ここでは、ビジュアルだけ。

まずは、モデナの美食の殿堂の一つ、フィーニの創業者、テレスフォロ・フィーニが1世紀以上前に始めた店、アンティカ・サルメリーア・サン・フランチェスコ。
フィーニ発祥の地です。
2年前に大々的に改装しました。

La Salumeria a natale


もう一つの有名店、1605年創業のジュスティの店は、エノガストロノミア・ジュスティ。




あらゆる美味しいものをそろえたメルカート・アルビネッリ。




コテキーノのパニーノが名物のバール・スキアヴォーニ。




前述のメルカート・アルビネッリでブロード用の食材を仕入れるトラットリア・アルディーナのシェフ。
トラットリアの名物はボッリート・ミストとサルサ・ヴェルデ。




モデナで食べ歩きをするには強靭な胃袋が必要なようですね。
でも、せめてトルテッリーニぐらいは食べたいなあ。

トルテッリーニが誕生した瞬間を再現した銅像があるなんて!
 




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“グルメガイド~モデナ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。

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2017年4月10日月曜日

モデナ

今日は今月の「総合解説」から、グルメガイド。
今回はモデナです。
モデナっていうと、どんなイメージでしょうか。
有名なのはバルサミコ酢とフェラーリ。

『サーレ・エ・ペペ』によると、モデナは、
パダナ平野の最上の料理がある、エミリア地方の美食家の理想郷なんだそうですよ。

ところで、先月のグルメガイドはマントヴァでした。
マントヴァとモデナの共通項は、エステ家。
エステ家は14世紀からイタリア統一までモデナを統治した一族。
一方マントヴァを統治したのはゴンザーガ家ですが、有名なエステ家のイザベラ・デステはゴンザーガ家のフランチェスコ2世の奥方で、夫亡き後、息子の後見人としてマントヴァを統治しました。

マントヴァとモデナは南北に並んでご近所にあるので、両方訪れてみたいですね。



世界遺産は大聖堂、モデナの象徴の塔、ギルランディーナ、そしてグランデ広場。



グランデ広場の“ボニッシマ”の像。
またはマティルデ・ディ・カノッサや、モンナ・ボーナの像とも言われています。

La Bonissima Modena (10)


モデナはネット上に動画が溢れている街です。
情報収集しやすそうなので、食べ歩きの旅にもいいかも。



次回はショップガイドです。


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“グルメガイド~モデナ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年4月6日木曜日

イタリアのトップパスティッチェーレ

さて今日は今月の「総合解説」からガンベロ・ロッソが『パスティッチェーリ・ディ・イタリア2014』でトレ・トルテに選んだイタリアのトップパスティッチェーリのご紹介です。
レストランと違って、パスティッチェーリやパスティッチェリーアは、一度選ばれると変化が少ないので、今のイタリアのトップ、と言っていいでしょう。

まず1位に選ばれたのは、イタリアのパスティッチェーリのトップはこの人、とイタリア中が認める人、イタリアのモダン・パスティッッチェリーアの父こと、イジニオ・マッサーリ氏。

1942年ブレッシャ生まれで今年75歳。
16歳の時にスイスのパスティッチェリーアで働いたのがパスティッチェーレとしてのキャリアのスタート。
1971年にブレッシャでパスティッチェリーア・ヴェネトをオープン。
みんなから尊敬されています。
『ガンベロ・ロッソ』の記事によると、イタリアのドルチェを味は落とさずにもっと軽くしたのは彼の功績。







記事で、彼と対照的なパスティッチェーリと紹介されているのは10位のピエトロ・マチェッラーロ氏史。
まだ30台と、超若手。
カンパーニアの農家の生まれで、農園をやりながらイタリアで唯一のパスティッチェリーア・アグリーコラという個性的なコンセプトの店をやっています。






トップ10の顔ぶれを見ると、やはり常連で締められていますが、大御所も若手も、なかなか野心的。



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“パスティッチエーリ・ディ・イタリア2014”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年4月3日月曜日

パスティッチェーリ・ディ・イタリア

4月ですね。
新入生に新入社員さん、イタリア料理の世界に足を踏み入れた皆さん、おめでとうございます。
温かくなって、お花見したくなる陽気になってきましたね。

Almond Trees

そこで質問です。
この一見桜に似ている花は、何の花でしょう。
ヒントはシチリア(写真はカリフォルニアの光景ですが)。

先輩たちはすぐに分かると思うけど、答えはアーモンドです。

このところ、ガンベロ・ロッソの『リトランティ・ディ・イタリア2015』で新たにトレ・フォルケッテにな
った店を何軒か紹介しました。
まだあるのですが、詳しくは「総合解説」をご覧いただくとして、次は『パスティッチェーリとパスティッチェリーエ・ディ・イタリア2014』の話です。

ミシュランの3つ星にちなんでなのか、ガンベロ・ロッソでも、トレ・ビッキエーリとか、トレ・フォルケッテとか、トレ・ガンベリとか、何かのマークが3つつくと最高ランクに格付け、ということで、いろんな種類の飲食業界をマークで格付けしています。
ちなみに、ナポリ風ピッツェリアの最高はトレ・スピッキ。



皿に盛り付けて出す丸いビッツァをカットした時の形、くし切りピッツァが、シンボルマーク。
四角く焼いたピッツァをカットして売る店の最高峰は、ピッツァ・カッターが3つでトレ・ロテッレ。

この他バールのガイドも出していますが(トレ・キッキ)、バールに続いいて2012年版から出版されているのがパスティッチェーリとパスティッチェリーアのガイド。
さて、ではパスティチェーリのシンボルは、何が3つでしょう。
面白かったので「総合解説」にはマークを載せました。

答えはトルテ(ケーキ)です。
そのまんまでした。
最高峰はトルテが3つでトレ・トルテ。
そのデザインはケーキというよりカップケーキですね。

そして2014年版では、10人のパスィッチェーリがトレ・トルテに選ばれています。
イタリアのドルチェの最高峰の10人て、どんな人たちなんでしょう。



詳しくは次回に。


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2017年3月31日金曜日

リストランテ・ロマーノ

ガンベロ・ロッソの『リストランティ・ディ・イタリア2015』で新たにトレ・フォルケッテを獲得した店をもう1軒ご紹介。
リストランテロマーノです。
ロマーノ・フランチェスキーニ氏が23歳で店を始めた当時、一緒に働く妻のフランカはわずか16歳だったそうです。

ロマーノとフランカ。
 ↓


トスカーナのヴァカンス地ヴェルシリアにある店です。
ヴェルシリアはこんなところ。




トスカーナにはこんな顔もあったんですね。
ビーチに整然と並ぶデッキチェアの列は、イタリアの庶民的なバカンス地の典型的な風景のような気がするのですが、どうでしょう。

高級リゾート地なら外国人でも気軽に立ち入れますが、このデッキチェアの中には、なかなか入り込めないかも。

そんなバカンス地で、地元料理の伝説の店として知られていたのがロマーノです。
ガンベロ・ロッソがこの店の料理として紹介した1品は、舌平目のじゃがいも添え。
総合解説」には写真とリチェッタを載せています。
この料理、サン・ミニアートの白トリュフを散らしてあって、よーく見るとゴージャスなんですが、じゃがいもの存在感がすごすぎて、トリュフは炒めたにんにくの薄切り程度にしか見えません。
全ての客に家にいるように感じてほしいというロマーノとフランカたちの思いが、伝わってきますよ。
まったくと言っていいほど気取りがない。
でも、ミシュラン1つ星。



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“リストランティ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年3月27日月曜日

リストランテ・ラ・トゥロータ

今月の「総合解説」から、『リストランティ・ディ・イタリア2015』の記事で登場した店の紹介です。
ちょっと前の話になりますが、2015年版のトレ・フォルケッテは24軒。
そのうち新たにトレ・フォルケッテになった店の紹介です。

毎年、トレ・フォルケッテに返り咲く有名店がいて、話題になります。
この年はマウロ・ウリアッシシェフの店、ウリアッシでした。
これ以来、ずっとトレ・フォルケッテです。




ウリアッシ氏の父親がトラックの運転手で農夫だった、
そして父のようになりたくなかったから料理を勉強して世界中でスタージュしたという話は有名なようですね。

次の店はラ・トゥロータ。
私たちの料理は日常の料理、大地が与えてくれるものを何でも使う。
流行は追わない。
地元と深く結びついている食材だけを使い、決して妥協しない。
と語るセルヴァ兄弟の店です。



ラ・トゥロータのパスタ・アッラ・グリーチャとアマトリチャーナ。




いったい何ができるんだろうと、途中から目が離せなくなりました。
マウロ・ウリアッシシェフとは対照的に、冷静に淡々と語る人ですが、頭の中は大回転してそうな人です。
彼の料理と店に俄然興味が湧いてきました。






店のwebページはこちら
店はリヴォドゥトリというラツィオ州内陸の、ウンブリアとの州境にある小さな町にあります。



こんな素晴らしいところに住んでいたら、流行なんて追わなくなるよなあ。

残りの店の紹介は次回に。

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“リストランティ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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