イタリア料理ほんやく三昧: 2017

2017年11月16日木曜日

カンピダーノ風マッロレッドゥス

クレアパッソのホームページで、このところ2005年11月号の「総合解説」の記事を紹介しています。
12年前の記事ですが、11月号は豚肉料理のオンパレードでした。
その中で、サルシッチャのラグーのパスタのリチェッタには、こんな解説文が。

「簡単にできるサルシッチャのラグーはマッロレッドゥスの定番サルサ。
オリスターノでは炒ったフェンネルシード入りのサルシッチャで独特の香りのラグーを作る。」

まず、簡単だと言うサルシッチャのラグーのパスタの作り方。

作り方は、
1.トマトは皮と種を取って刻む。サルシッチャは皮をむいて小さく切る。
2.玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにし、サルシッチャを加えて崩しながら炒める。トマト、サフラン、塩、こしょうを加え、湯少々をかけながら40分煮る。火から下ろしてちぎったバジリコを加える。
3.パスタをアルデンテにゆでてラグーとたっぷりのペコリーノであえる。

確かに、手間と時間のかかるラグーにしては簡単。

マッロレッドゥス・アッラ・カンピダネーゼ
 ↓


マッロレッドゥスについては、以前のブログをご覧ください。
カンピダーノの方言で子牛はmalloru。
malloreddusは、小さな子牛という意味の、硬質小麦粉とサフランの筋付きニョッケッティ。

このパスタは、サルシッチャのラグーの典型的な料理。

カンピダーノの羊飼い
 ↓


20匹の羊を飼って生活している。

サフランの収穫



サルデーニャにサフランが伝わったのはフェニキア人の時代。
古くから栽培されてきた。
現在では島の農民と羊飼い文化の伝統の象徴となっている。
収穫と加工はても難しく、素人が簡単にできるものではない。
イタリア産サフランの66%はサルデーニャ産。
そのうち86%がメディオ・カンピダーノ産。

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2017年11月13日月曜日

イタリアの輸出を牽引するのは食品とワイン

総合解説」7月号を発売しました。
今月紹介しているシェフは、アントニア・クルグマンシェフです。




女性シェフが少ない創作料理の道をただ一人で突き進む、知的で勇敢なシェフ、と評判のようですが、訳す方は超大変でした。
食材のこだわりが凄いというか、聞いたこともない食材ばかり使う人です。
頭の良さはストレートに伝わってきましたよ。
ただ、知らない食材の組み合わせなので味のイメージがつかみにくく、どんな味なのか、食べた人に感想を聞きたくなります。

もう一つ、興味深かった記事は、ガンベロ・ロッソがミラノ万博をきっかけに、外国のインポーターを意識して作ったガイドブック『トップ・イタリアンフード&ビバレッジ』。



日本でもプロモーション活動をやっているようですが、イタリア食材の一番の得意先はドイツなんですね。
でも、インパクトが大きかったのは、2014年、フランスやイタリアを抜いて世界一のワイン消費国になったアメリカへのワインの輸出量が1位の国は、イタリアという事実。ちなみに2位はオ―ストラリア。
アメリカ人に人気なのは、キアンティとブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、バローロ、ピノ・ビアンコ、プロセッコなんだそうです。
アメリカへの輸出は着実に増えていますが、食品とワインの輸出量全体も増えているようです。
ちなみに、輸出量の伸びが一番多いのは断トツでやっぱり中国でした。

これは2015年の記事なので、アメリカの新しい大統領やイギリスのEU離脱など、反グローバリゼーションの動きはどう影響してくるのか、今後も気になります。


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“アントニア・クルグマン”、“イタリア産食品の輸出事情”の記事は「総合解説」2015年7月号に載っています。
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2017年11月9日木曜日

冬のイタリア料理


立冬を過ぎて、北風が枯葉を飛ばして落ち葉掃除が大変な季節になりました。
季節の変わり目に必ず読みたくなる本が、カルロ・カンビの本、『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』です。

地方料理を季節ごとにまとめた面白い本。
さて、冬はどんな料理があるかな~。

まず最初に、イタリアの冬の料理についてまとめているのですが、それを読んで感じるのは、イタリアも日本も同じだね、ということ。
まず、冬のメインイベントはクリスマスと新年。
それと冬の間は不足しがちな栄養、カロリーやビタミンCをしっかり摂れる料理が大切。
暖かいスープ。
イタリアならではだなあと思うのは、トルテッリーニへのこだわり。
旬の野菜はラディッキオ、ビエトラ、キャベツ、トリュフ、ヘーゼルナッツやクルミ、オレンジやミカンなどの柑橘類など。
チーズは高原の草を食べた牛の最後のミルクから作って熟成させた香り高いもの
肉は一年中あるサルミとは違ってこの時期に出回るフレッシュな豚肉やサルシッチャ。
魚はバッカラ、ストッカフィッソ、ウナギ。

そんなことをふまえて、
前菜はレバーのクロスティーニ、オレンジのサラダ(シチリア)、野ウサギのパテ(黒トリュフ入り)、ファッロのケーキ(ファッロは鉄分を多く含む)、
プリーモは、カッペッレッティ・イン・ブロード(代表的クリスマス料理)、パッサテッリ・イン・ブロード(ロマーニャ地方の冬の料理)、サルシッチャと黒キャベツのピチ、ポレンタ、リボッリータ、リゾット・アッラ・ミラネーゼ、タリアテッレ・アッラ・ボロニェーゼ、
セコンドは鴨のオレンジ風味、バーニャ・カウダ、ボッリート・ミスト、赤ワインのブラザート、ピエモンテ風フリット・ミスト、
ドルチェはボネ、カッサータ、
取りあえず、ごく一部ですが、こんなところです。

オレンジのサラダ



パッサテッリ・イン・ブロード



ブラザート



ボネ




ピエモンテ料理の季節が到来です。



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2017年11月6日月曜日

アッバッキオ・アッラ・カッチャトーラ


このところ、シチリア料理を訳していました。
そこで改めて認識したのが、シチリアには肉がベースの伝統料理が少ない、ということ。
特に、土地は耕して畑にすることが多かったシチリアでは、牧草地にして牛や羊を放牧する、ということをしなかったため羊飼いの文化が育たなかったのでした。
羊飼いの飼育方法は、夏は山の高地に移動して、秋になると、平野に下りてくる移牧。
戻ってくる時期は地方によってさまざまなようですが、11月半ばという地方もあります。
そろそろですかね。



こんなに可愛い羊や牛や牧羊犬が行列してたら、見物しに行きたくなるなー。

この時期の料理の一つが、ローマのアッバッキオ・アッラ・カッチャトーラ。
アッバッキオは2か月齢以下の羊で、体重は8~10㎏。

たった2ヶ月で、悲しい運命ですね、くすん。
時間が経つと臭みが出るので、旬の時期だけ作る料理でした。
今ではローマの名物料理として広まっています。
アッバッキオのローマ風とも言います。
いつものにんにくとローズマリーにアンチョビを加えて、別物のように美味しくした1品。



アッバッキオ・ロマーノのPV
 ↓


アッバッキオの数が減っている現状では、普通の子羊肉を使ったアニェッロ・アッラ・ロマーナのほうが一般的かも。


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2017年11月2日木曜日

ヴォギエーラのにんにく

今日はにんにくの話。
 近所のスーパーではスペイン産にんにくを山のように売っていますが、 イタリアにも、外国で知名度の高いにんにくがありました。
まだ日本でお目にかかったことはないですが。
ヴォギエーラのにんにくです。

aglio e peperoncini


見た目は、普通のにんにくとなんの変わりもないように見えますが、特徴はその、甘くてデリケートな味なんだそうです。
管理組合ではジェンティーレなにんにくと表現しています。
直訳すれば、優しいにんにく。

産地はフェッラーラの近くのヴォギエーラという町。
粘土質の土壌、穏やかで乾燥した気候のパダナ平野で栽培されるこのにんにくの収穫は、
6月初めから7月末。
収穫したら葉鞘を三つ編みにします。
収穫祭も行われます。
この直後はフレスコのにんにくが出回ります。
それ以降はセミ・セッコかセッコ。



このにんにくを浸して香りをつけたワインやスパイスを使った地元の名物サラミは、ツィーア・フェッラレーゼ。
アーリオ・オーリオにもこのにんにくが欠かせません。

ツィーア・フェッラレーゼ
 ↓


分厚い腸に詰めるんですね。
通は、この脂が好きなんです。




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“ヴォギエーラのにんにく”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月30日月曜日

エンツォ・コッチャのピッツァ

このブログは、販売中の最新の「総合解説」の解説が中心ですが、最近、15年前の「総合解説」の面白い記事を見つけたので、それをクレアパッソのホームページに載せています。
ローマのトラットリアを紹介しながら庶民的なローマ料理も紹介するという記事で、ローマに行く予定がある人には、とても役に立つのでは。
ローマの内臓料理の15年前の状況という、懐かしい話題もあります。

今年から、「総合解説」では地方料理の本のリチェッタを訳して載せています。
最初に取り上げたのは、ラツィオ料理、そして次は、カンパーニア。
カンパーニア料理は訳していて楽しい料理ばかりで、2ヵ月程度で訳す予定だったのに、結局、4か月かけました。
そして最後の4ヵ月目に取り上げたのが、ピッツァです。
詳しく言えば、アルバ・ペゾーネの本、『ピッツァ』です。

この本は、エンツォとチーロ・コッチャ兄弟のリチェッタを詳細に取り上げていますので、訳もこの二人のピッツァを集中的に訳しました。
その中で一つ気になっていたのが、ピッツァ生地の伸ばし方。
これは言葉で説明するよりも、動画を見る方がイメージが伝わりやすいです。



ピッツァ大使と呼ばれているだけあって、外国人にピッツァの作り方を教えるのはお手の物のよう。
イタリアの人はピッツァイオ―ロでなくてもピッツァの端の膨らみにとてもこだわりますよね。
彼の技は、言葉では説明しにくいけれど、生地は端が見事に膨らんでいますね。

解説にも載せましたが、材料の水の説明に、“10~14℃のナポリの水”、とありました。
ここまで詳しい説明は見たことがありません。
きっと世界中で質問されてきたのでしょう。
他の説明もとても詳細です。
マルゲリータの旬の季節とか、マルゲリータのバリエーションとか、発想が新鮮でした。
彼のマルゲリータはイタリアでも有名ですが、その特徴は、カチヨカヴァッロ・ポドリコだそうですよ。
他の店とは違う地元の上質のチーズを使っているようなので、ナポリに行ったら、彼のマルゲリータをぜひご賞味ください。

ラ・ノティッツィア
 ↓



彼のピッツァの中で興味深かったのは、クラッチャという、クラテッロに似た生ハムが度々使われていること。
サルミフィーチョ・ロッシの製品で、詳細はこちら
パルマの製品ですが、かなりお気に入りのよう。
イタリア中の食材を吟味しているんですね。


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“アルバ・ペゾーネの『ピッツァ』”の訳は「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月26日木曜日

ジョルジョーネ『レ・オリジニ』

今月の「総合解説」は、チッチョ・スルタノシェフと、もう一人シェフのリチェッタを載せています。
その人は、ジョルジョーネさん。

以前このブログでも取り上げたことがあります。こちら

1冊目の料理本が売れて、2冊目を出したようです。
そのリチェッタを数点載せました。
記事の中で一番印象に残った言葉は、
「自分は料理人chefと言うより亭主osteだ」
という言葉。

天然で単純と自らを分析するジョルジョーネさんは、1冊めの本の表紙と全く同じ赤いラコステのポロシャツと特大のジーンズのオーバーオールという姿で『ガンベロ・ロッソ』の表紙を飾っていました。


















1品めの料理は、“水牛のサルティンボッカ”。
リチェッタの出だしから、
「水牛の肉は低脂肪なので太る心配はない」
やっぱり気にしてたんですね。
でも、気が大きくなったのか、水牛の肉の上にはどーんと太っ腹に、チンタ・セネーゼのラルドをのせています。
しかも、大変お気に入りのようで、このラルドは絶品だから、半分に切って1枚は肉の下に敷き、もう1枚は肉の上にのせて、ラルドでサンドイッチにするんだ、カロリーが気になったら1枚だけでもいいけど、私は2枚使うね。
とにかくこのラルドはうまいんだ。

と、強烈にチンタ・セネーゼのラルド推し。

車エビのラルド巻き。
ラルドは背脂の塩漬けだから、これ使ってる時点で肉が低カロリーなんてむなしい響き。
 ↓



でも食いしん坊はサンドイッチにしちゃうんだね。

この料理で使う水牛は、ナポリではannutoloと呼ばれる1歳の水牛。
カンパーニアの肉とトスカーナのラルドで作るローマ料理。
ちなみに彼の店はウンブリアにあります。

2冊目の本のテーマは、シェフが子供時代を過ごした各地の料理。
たとえ水牛の肉もチンタ・セネーゼのラルドも手に入らないとしても、この自由な発想は誰でも取り入れられそう。

2冊目の本のお披露目。
相変わらず“優しい巨人”は人気者のようです。
 ↓


ポロシャツは紫色。
0:45あたりにちらっとサルティンボッカが写ってます。


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“ジョルジョーネ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月23日月曜日

チッチョ・スルタノシェフ

今日は・チッチョ・スルタノシェフ(シチリアのラグーザ・イブラのリスランテ・ドゥオモのシェフ)の話。

「総合解説」2015年6月号では、『ガンベロ・ロッソ』に載った彼のリチェッタを訳しています。
記事ではシェフのことを、「伝統料理の影響が強いディープなシチリア南部で創作料理を作るシェフ」と紹介しています。
すごく革新的な印象を受けますが、彼のリチェッタを見ると、確固たる伝統の上にアレンジを加えていて、地元の食材への神経質なまでのこだわり方などは、相当保守的です。
それでいて完成した料理は、文句なく革新的。
このタイプの料理を作るシチリア料理の巨匠的存在。



グランシェフのリチェッタはどれもとても興味深いですが、今回のリチェッタでは、“tra la campagna e il mare/畑と海の間”と名付けられた料理、副題が“シチリア風スパゲッティ・アルティジャナーレ、アーリオ・オーリオのウニ風味、ワイルドアスパラガス添え”というのがとても面白かったです。

同じ料理ではないけれど、かなり似たリチェッタの“ウニとアスパラガスのスパゲッティ・アルティジャナーレ”
 ↓


スパゲッティ・アルティジャナーレという言い方は、グラニャーノのパスタに使われるのをよく目にしますが、これは完全に手打ちパスタ。
普通、手打ちパスタは自家製パスタと言ったりしますが、アルティジャナーレは、技術のある職人が作ったという意味の、手打ちパスタより1段上の印象。


スルタノシェフのスパゲッティは、普通のスパゲッティと同じように作りますが、粉はシチリア産のセナトーレ・カッペリのセモリナ粉を使用しています。
セナトーレ・カッペリはイタリアで生み出された世界中の硬質小麦のルーツで、かつてはイタリア中で栽培されていた硬質小麦。
薪で焼いたパンのような香りと、腰の強さが特徴で、高級パスタの材料でもあります。

このパスタをゆでてアーリオ・オーリオとウニ風味にするのですが、リチェッタを読むと、スモークオイルolio affumicatoというのも使っています。
燻製風味のオイルでしょうか。
初めて訳しました。

セナトーレ・カッペリのパスタは腰と風味が強いせいか、シンプルなアーリオ・オーリオにするケースが多いですよね。
アーリオ・オーリオは、シンプルでかつ、質素なイタリア料理の代表選手。
最上質の小麦粉を使って一流シェフが作る料理が、質素というのはなんとも皮肉ですが、スモークオイルであえたスパゲッティは、外見上は、お腹を空かせた息子のためにマンマが作るボリュームたっぷりでシンプルなアーリオ・オーリオそのもの。
ところが燻製の香りがするんですねー。
この時点でかなり食べてみたいです。
アスパラガスもかなり手をかけて濃厚なクリームにしてパスタの下に敷きます。

素朴と言えば、シチリア料理の代表的なプリーモ、イワシのパスタもこてこての伝統料理ですが、とてもモダンな1品に仕上がっています。
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“チッチョ・スルタノ”シェフのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月19日木曜日

肉と年齢

今日はイタリア便りです。
Segnalibroさんは、今日も引っ越し先で新しいイタリアを見つけたようです。
日本の常識とは全然違う北イタリアの食生活。
それではどうぞ。

☆  ☆  ☆


山を下りて数カ月経ちました。
少しずつ新しい町にも慣れてきて、最近の楽しみは週に一度のメルカートです。
魚肉野菜、台所用品にお花にお洋服、ありとあらゆるものが売られていますが、ここの市場の片隅では、明らかにペットではない生きた動物達が売られていて、しかも普通に購入していく人達がいる事にとても驚きました。

mercato settimanale

購入された生体は、スーパーでもらうような段ボール箱に入れられ、カッターで箱に小窓を開けもらって、そのままお持ち帰りされます。
毎日のように食べるお肉なのに、自分で用意するのを想像するだけで怖くなる私は、購入者を尊敬のまなざしで見てしまいます。

この町のスーパーでは、お肉売り場も豪快なオープンキッチンです。

macelleria 1

SORANAという牛肉がたくさん売られているのですが、ソラーナって何?
肉売り場のおじさんに聞くと、出産を経験していない若いメス牛のことだと教えてくれました。
子牛Vitelloとか成牛Manzoとか、年齢によってお肉の呼び名が変わるけれど、それの一種?
そういえば、羊肉と言えばラムとマトンしか知らなかった私が、初めてニュージーランドに行った時、ラムとマトンの間にホゲットと呼ばれる年齢の羊肉があり、地元の人はラムよりホゲットを好む、と聞いたのを思い出しました。
調べてみると、イタリアでは、16~22か月の未経産のメス牛のお肉をSoranaとか Scottonaと呼ぶそうで、この辺りでは、ソラーナは人気があるお肉のようです。

こちらは地元産のワイン、チーズ、お肉が購入できる、協同組合のお店。

vini sfusi

macelleria 2

  
ここのお肉屋さんはスーパーの2~3倍のお値段なのですが、ここの挽肉でラグーを作ったら、美味し過ぎて思わず唸ってしまいました。
1~2週間に一度、1頭の牛をトラスフォームして数日熟成させ、その後、お肉を店頭に並べるそうです。
ハラミありますか、と軽い気持ちで聞こうとした私は、いろいろ想像して思わず口をつぐんでしまい、あるものをいただこう、という気持ちになりました。
ちなみにこの辺りでは、StraecaとかStraeccaと言う名前で牛のハラミがお肉屋さんで売られており、レストランでは、メニューに馬のハラミがあるお店もあるそうです。

先日、いただきます、とおやつを食べようとしたら、何て言ってるの、とイタリア人のお友達に聞かれました。
ありがたく命をいただきます、という感謝の言葉だと説明したら、いたく感激し、ノートに書き留めていました。
感謝の気持ちを忘れずに、今日もお肉をいただきます!



grazie! Segnalibroさん。
スーパーの2、3倍の値段で美味しすぎる挽肉!!
そうそう、アルティジャナーレなものは高いですよねー。
でも、美味しくて、あまりにも別物で、安いのに戻れなくなる。
明らかにペットではない活きた動物達かあ。
10年、20年先にこのシステムにSegnalibroさんがどこまでなじんでるか、楽しみですねー。


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2017年10月16日月曜日

南イタリアの若手ナンバー1、ジュゼッペ・ラチーティシェフ

九州で山が噴火しそうになっていますが、日本もイタリアも火山の国。
ヨーロッパで一番高い活火山は、シチリアのエトナ山です。
 ↓


毎年忘れた頃に噴火のニュースが遠く日本まで飛び込んできますが、このエトナ山は、ヨーロッパのワイン造りの現場でもっともトレンディーな場所になったりする注目の場所です。
6月号の「総合解説」のグルメガイドで取り上げたのが、このエトナ山。
ワインの生産量はわずかでも、それにまつわる観光業の成長が大量の観光客を引き寄せました。
それに伴い、ホテルやレストランも増え、エトナ山は美食の観光地となったのでした。
観光客だけでなく、優秀な料理人も集まりました。
シチリアは貴族文化と農民文化の両方が花開いた島で、高級ホテルやレストランと、トラットリアやオステリアが共存しています。

「総合解説」で紹介したのは、まずはザーシュ・カントリー・ブティック・ホテルのジュゼッペ・ラチ―ティシェフ。

ザーシュ・カントリー・ブティック・ホテル
 ↓




ホテルはカターニアとタオルミーナの中間のリポストという町にあります。
彼の料理はとてもクリエイティブ。
ボキューズ・ドールのイタリア代表にも選ばれていて、シチリアの期待の若手の筆頭です。
南イタリアのナンバー・ワンだという声もあります。





ガーラ・ディ・グストというエトナ山周辺の30歳以下のコンテストで優勝しています。
ちなみに審査員長はチッチョ・スルタノシェフ。

チッチョ・スルタノシェフの料理は「総合解説」6月号でも取り上げていました。
次回は彼の話でも。


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“グルメ旅~エトナ山”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年6月号に載っています。
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2017年10月12日木曜日

ナポリのドルチェ

「総合解説」5月号の料理書のレシピの翻訳は、カンパーニア地方のコントルノとドルチェでした。
ニュートンの地方料理シリーズには、ナポリのドルチェだけの1冊があるので(こちら)、地方料理、魚料理と合わせて読めば、ナポリ料理はかなりカバーできそう。

ナポリのドルチェの本の前書きにあった、
「イタリアのドルチェの3本柱は、シチリア、ピエモンテ、そしてナポリのドルチェだ」
から始まるナポリ料理の解説は、とても印象深いものでした。
本の解説のページに訳を載せておきましたので(こちら)、よろしかったら読んでみてください。

「ナポリは、スペインブルボン家のナポリ王国とシチリア王国の首都として栄え、19世紀にはイタリアで最も人口の多い都市となった。
貴族、農民、都市、職人の食文化、この4つの要素を全て持つナポリのドルチェは、イタリアのドルチェのシンボルとして広まった」

個人的には、この4つの要素+家族の結びつきが強いナポリ人気質。
イタリアは20の州全てに 個性的な食文化があり、そのすべてが集まってイタリア料理を形成しているわけですが、特に影響が大きい州が、北のピエモンテ、南のシチリア、そして都市の代表、カンパーニア、正確に言えばナポリ。

ラツィオとカンパーニアの地方料理のレシピを半年かけて訳してきましたが、この作業を通して、ますますナポリ料理の重要性が分かってきました。

ババ、パスティエーラ、スフォリアテッラ、トルタ・カプレーゼ、デリツィアなどなど、ナポリには唯一無二のドルチェがたくさんあります。
訳していて、とても楽しかったです。









ナポリ愛溢れる上の動画のup主さんは、観光客はみんなナポリを素通りしてアマルフィに行くけど、本物のイタリアを知る機会を放棄しているなんて残念だねえ、と書いています。




こちらもナポリ愛を感じるBBCの番組。
ナポリ料理を貴族料理の側面から紹介する切り口がユニーク。


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“ナポリ&カンパーニア料理”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年3~6月号に載っています。
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2017年10月10日火曜日

イタリアの3大クラフトビール

先日、イタリアの知り合いから電話があって、
「日本グランプリのニュース見たからどうしてるかなあと思って電話した」とのこと。
「・・・すいません。何のことかわかりません」
車のレースがどうこういってるけど、そんなニュースになるほど大きなレース、何かあったっけ。
車好きの人ならすくにわかるんだろうけど、
北イタリアの年金暮らしのご隠居が、日本人なら知ってるに違いないと思って電話かけてくるレースって、何?
TVのニュースには一切出てなかった気がするけど、鈴鹿で行われた日本グランプリの話題で楽しく盛り上がろうとでも思ったのでしょうか、ご隠居。
結局どこが優勝したのかさえ知りません。
イタリア人と日本人の車に対する温度差、かなりあるなあとおもった出来事でした。

話は変わって、今日のお題は、ビールです。
ガンベロ・ロッソ誌に、「イタリアの主要クラフトビールメーカーは、バラディン、ビッリフィーチョ・イタリアーノ、ランブラーテの3社だ」
とありました。
バラディンのことは度々取り上げているの、今日は後者について。

ビッリフィーチョ・イタリアーノ
 ↓





ランブラーテ
 ↓






どちらもとても個性的。
とやかく言うより飲んでみたい。

どちらも創業が1996年。
この年はイタリアのクラフトビール元年。
この大ブームは20年の間に起きた事なんですね。
バラディンはこの年に醸造所から、造って販売もするブルーパブになっています。

記事ではイタリアで国産ホップを使ってビールを造ることの大変さが説明されていますが、その大変なことをやり遂げる人材や、メーカーと一緒にビール造りに取り組む農家がいたことが、イタリアビールの成功のポイントでした。

イタリアのビールは醸造者が脚光を浴びるクラフトビールbirra artigianaleから、農業と結びついた自然の産物、農業ビールbirragricolaへと進化して国際マーケットで生き残る道を探っています。



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“イタリア産原料のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年10月5日木曜日

ペコリーノ・トスカーノ

今日の話題はペコリーノ・トスカーノ。

先日、ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題について考えて以来、ペコリーノが気になっています。



ペコリーノ・トスカーノも歴史の古いチーズです。
ローマから製法が伝わったそうです。

でも、ペコリーノ・トスカーノにはしょっぱい問題は起きていないようで、やっぱり純粋にその地方の味の好みなんでしょうか。

とは言え、ペコリーノ・トスカーノにも問題はありました。
ここ数年、生産量が減少していています。
脂肪を減らしてタンパク質を増やすという、栄養価からのアプローチは、現代の消費者に合わせる変化の代表的なものですが、ペコリーノ・トスカーノの生産者が考えたのは、ピスタチオ風味やトリュフ風味の製品を作る、という新製品の開発。
フレーバー付きのペコリーノ・トスカーノがトレンドの最先端と言えるかも。

ペコリーノはイタリア各地で造られていますが、代表的なのは、ロマーノ、トスカーノ、サルドの3種類。
しかもロマーノは大部分がサルデーニャで造られていて、トスカーナで造られているものまであります。
それでもペコリーノ・ロマーノとサルドを味見すると、かなり違って面白いですよね。

ロマーノと比べるとサルドもかなりマイルドですが、トスカーノは3つの中で一番マイルド。
ペコリーノ・トスカーノの製造の中心地はシエナ県のピエンツァ。
ヴァルドルチャの中にあります。
ヴァルドルチャは、シエナ県の4つの宝のうちの一つ。
あと3つは?
1つはピエンツァ。
残りは「総合解説」を読んでください。

ペコリーノ・ディ・ピエンツァ
 ↓


ヴァル・ドルチャ
 ↓


はー、心が洗われますねー。
世界遺産。

ピエンツァ
歴史地区はもちろん世界遺産。
 ↓



今すぐ飛んで行きたい~。


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 “シエナ県”のグルメガイドの日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年10月2日月曜日

サラミーニ・カッチャトーラ

今月のメイド・イン・イタリーの食材は、サラミーニ・カッチャトーラ。
名前は聞いたとあるし、多分食べたこともあるはず。
イタリア産として世界中に誇るサラミだったのですね。

サラミーニ・カッチャトーラをざっと紹介する動画2つ。
 ↓




総合解説」にもありますが、このサラミは、元々は農民が狩りの間に食べるために作ったサラミだそうです。
猟師風といっても、作ったのは豚を飼っていた農民と考えるのが自然。

発祥地はイタリア北部。
北のサラミーニ・カッチャトーラはデリケートな味ですが、ラツィオやアブルッツォなどでは強い味が好まれたので、北部と中・南部では味が違うらしいですよ。
このことはペコリーノ・ロマーノの時にも指摘しました。北部と中・南部では、味の好みにも違いがあるようで、面白いですねー。

さらに、歴史問題もあります。
このサラミもペコリーノのように歴史の古いサラミです。
しかし、近年は現代人の嗜好に合わせる傾向が強く、脂肪を減らしてタンパク質を豊かにする傾向があるそうです。

現代人の嗜好に合わせると言っても、原料など基本の製法は変わりません。
イタリア産豚肉100%で、これを挽いて練り、塩とスパイスで調味したら腸に詰めて細長いサラミ型にします。
熟成期間は25日以内。
柔らかく仕上げるのが特徴。

甘くて酸味がないサラミなので、前菜やアペリティーヴォに向いています。
相性が良い組み合わせはニョッコ・フリットやフォカッチャ。
総合解説」ではそば粉入りのニョッコ・フリットのリチェッタを紹介しています。
さらに、パンチェッタの代わりにカルボナーラに入れたり、サルシッチャの代わりにパスタに入れても美味しいんだそうですよ。
元々豚肉ですからね。
色々使えそうです。





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 “サラミーニ・カッチャトーラ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月29日金曜日

イシデとロマーノシェフのラ・パロリーナ

今日は今月の「総合解説」で紹介したご夫婦シェフ、イシデとロマーノのご紹介。
店の名前はラ・パロリーナ。
店の場所はラツィオ、トスカーナ、ウンブリアの州境、と解説には書きましたが、正確にはヴィテルボ県のトレヴィナノという町にあります。
ラツィオ州です。
名物料理が“卵のカルボナーラ”だというのも納得。




動画に登場しているのは奥様。
ご主人はシャイな性格なんだそうです。
奥様はバリバリに活躍中のシェフと勝手に想像してたら、とっても優しそうで謙虚な人。
料理は素朴な地方料理とクリエイティブなアルタ・クチーナのぎりぎりの境目あたり。
自然体で落ち着きます。

イシデの動画はいくつもあるのですが、ロマーノが写っているのは下の動画くらい。
質問にてきぱき答える奥様と、無邪気な笑顔でニコニコ答えるご主人、いいコンビだなあ。



ラ・パロリーナの料理
 ↓


卵のカルボナーラ
 ↓


卵白はメレンゲにして、卵黄は揚げて、グアンチャーレのチッチョリとこしょうを散らした1品。
地方料理と創作料理の境界線上の料理。


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“イシデとロマーノ”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月25日月曜日

エミリア・ロマーニャのパスタ、ピザレイ

今月の「総合解説」から、まずはピアチェンツァのパスタ。

ソラマメと生イクラのピザレイです。
こんな料理。

ピザレイは、小粒のニョッキで、ルネサンス時代に流行したパンのニョッキに似ているそうです。
材料が小麦粉とパン粉、というのを聞いただけでも質素な農民料理ということが想像できます。
でも、イクラのおかげてモダンでゴージャスな1品に仕上がっています。



カヴァテッリによく似てますねー。
ピザレイの方がせっかちな人向けかも。


次は同じく今月の「総合解説」の地方料理で取り上げたカッチュッコ・アッラ・リヴォルネーゼ。

そういえば、世界中で水害がおこっていますが、リヴォルノでも、今月初めに大きな被害が出たそうです。




カッチュッコについては何度も取り上げてきましたが、この料理が生まれた由来について、記事にはさらっと新説が取り上げられていました。
この料理は魚の種類が多いことで知られるズッパ・ディ・ペッシェですが、それは、海で死んだ漁師の未亡人のために、その日の水揚げから少しずつ魚を分け与えると言う習慣があったからだというものです。
これだけの団結力があれば、水害も乗り越えていけるはず。
この料理のイメージがちょっと変わりました。




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“ソラマメと生イクラのピザレイ”のリチェッタと“カッチュッコ・アッラ・リヴォルネーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月21日木曜日

秋のパスタ

台風が過ぎた後、秋が駆け足で近づいているような今日この頃ですね。
最近の異常な夏や冬を経験した後では、快適な春や秋は短いかもしれない、貴重な季節になったなあ、と思うようになりました。

秋のイタリア料理と言えば、お勧めの本は、その名も『アウトゥンノ』です。


そこで今日は、この本の中から、秋のパスタをピックアップしてみました。

アルファベット順なので、一番最初はアニョロッティagnolottiです。
アルバの白トリュフのアニョロッティ。


ピエモンテ風アニョロッティ
 ↓


キャベツが入ると餃子感が増しますねー。

栗のクリームとポルチーニのソースのカッペッラッチ。
 ↓


カッペッラッチは北イタリアの詰め物入りパスタの一種。
フェッラーラあたりが本場で、カッペッラッチという名前は農民がかぶっていた麦わら帽子の名前で、形が似ていたところからつきました。

秋のパスタはラビオリを初めとする詰め物入りパスタ、軟質小麦粉の手打ちパスタ()、白トリュフ、栗、ポルチーニなどのフレッシュきのこ、うさぎやイノシシなどのジビエ、サルシッチャなどの秋の食材のボリュームのあるソースが特徴。

そんなソースに合うパスタの一つ、パッバルデッレ。
 ↓



さらに、料理の名前にアッラ・カッチャトーラ(狩人風)とかアッラ・ボスカイオーラ(木こり風)とかつくと、ぐんと秋感が増します。
パリア・エ・フィエーノも季節的には秋がぴったり。

イタリアの家庭的な秋のパスタの代表はペンネッテ・アッラ・ボスカイオーラ。
 ↓



秋のパスタは秋に食べたいもの。
今年の秋は長く続くといいけど。

秋はニョッキもリゾットもミネストラも美味しい季節。
プリーモ・ピアット全般が食べ時ですね。


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2017年9月19日火曜日

グラニャーノのパスタメーカー、ジェンティーレのフジッリ

昨今のクラフトビールのブームは、世界的な傾向。
ところで、クラフトビールとは、どういう意味なんでしょう。
クラフトには技能とか技と言う意味があります。
イタリア語では、クラフトビールは、birra artigianale。
ビッラ・アルティジャナーレ。

このアルティジャナーレという言葉は、イタリア料理のポイントとなる言葉です。
イタリア料理に接していると、何度となく耳にする言葉です。
辞書で調べると、手工業の、とか職人の、といった意味です。

つまり、機械で大量生産するの反対で、熟練した技を持つ人の手で、一つ一つ手間をかけて作られたもののことです。
製品に作った人の考えがストレートに反映される特徴があります。
イタリアは、こういう職人を尊敬してきた国です。
特に芸術やファッション、車などの分野では、アルティジャナーレの世界的巨匠を大勢生み出してきました。

食の世界にもアルティジャナーレな作り手がたくさんいます。

ノルチャのクラフトビールの一例、修道院ビール




今日紹介するのは、アルティジャナーレのパスタです。

パスタには職人が作る手打ち麺と、工場で大量生産される乾麺がありますよね。
さらに、乾麺の中にも、職人が作る麺と、全部機械で作る麺とがあります。

手打ち麺はイコール・アルティジャナーレなパスタですが、乾麺にもアルティジャナーレなパスタがある、という訳です。

イタリアには、パスタの町として知られるグラニャーノがあります。
グラニャーノのパスタは、アルティジャナーレなパスタとして知られています。




そこで今日紹介するのは、上の動画にも登場するグラニャーノの、アルティジャナーレなパスタの造り手として有名なジェンティーレの、パスタではなく、本です。



新入荷の1冊です。『ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ
ジェンティーレの経営者一族の女性のナポリの伝統料理の力作のリチェッタ集。

上の動画で女性たちが1本ずつ手で造っていたのはフジッリ。
ナポリの代表的な伝統パスタです。
本の表紙になっているのも、そのフジッリ。

グラニャーノのパスタの本質を知るには、1本ずつ手でねじったフジッリを味わわなくては。
ショートパスタのフジッリとは、まったく別の食べ物ですね。
表紙のフジッリの盛り付け方は、私が見た中ではナンバーワンの美しさ。



表紙のフジッリは、リコッタとトマトのソースです。
美しいパスタにからめるのは、固形物が入らなくても濃い風味のソース。




使う食材にはナポリの味が詰まっていそう。
ピエンノーロのトマト、水牛のモッツァレッラ、ナポリ種のバジリコ・・・。
余談ですが、イタリアのバジリコは、主にジェノヴァ種とナポリ種の2品種なんだそうです。

このジェンティーレの本は、写真が信じられないくらいドアップです。
実物の数倍ありそうなのもあります。
見開きの2ページに巨大なパスタの断面がドーンとのっていたり、
全てお見せしましょうという心意気が感じられる面白い超大型本です。



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2017年9月14日木曜日

ヌビアの赤にんにく

総合解説」5月号を発売しました。
まずは2ページの“5月の食材”のページから。

ヌビアの赤にんにく。
 ↓



トラパニの自然保護地区の塩田の近くのヌビアで栽培されているにんにくです。
日本でも栽培されているんですね。
他のにんにくよりアリシンが多いので風味が強く、トラパニ風ペストには欠かせません。

ペスト・アッラ・トラパネーゼ
 ↓


地中海料理大学長のリチェッタ。
歴史背景の説明など、さすがにとても学術的。
中盤からキャリアウーマンとおじちゃまの漫才みたいになってるけど
 ↓


トラパニ風ペストはシチリアの言葉だと、アッギアータ・トラパニサ。
アッギアータはにんにくのこと。
トラパニ風ペストのポイントはにんにくなんですね。

次はアカシアの花のフリット。
きれいな花ですね。フリットにして食べるんだ。




イタリアにはまだまだ知らない食材がたくさんあるなー。



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“5月の食材”の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年9月11日月曜日

ナポリ料理

「総合解説」の料理書の翻訳、ここしばらくは、ナポリとカンパーニア料理のリチェッタを訳しています。
それにしても、イタリア料理のイメージはナポリ料理そのものだな、と、リチッタを読めば読むほど感じます。
ナポリは、王国の首都で大都市、港があって人や食材を世界各地に運び、温暖な気候で農業が栄えて、ピッツァのような独自の普遍的な料理を作り出す豊かな想像力がある人々が暮らすとても魅力的な街。

典型的なナポリ料理
 ↓



さらに、訳しているニュートンシリーズは、リチェッタがシンプルで読みやすい。
イタリア人に最も親しまれている地方料理書だけあって、すごくとっつきやすくて、すらすら読めます。
4月号はセコンド・ピアットを訳しましたが、肉より魚料理のほうが圧倒的に多いですね。

スズキのアックアパッツァからヒラメのブラザートまで、イタリアの魚料理の基本中の基本のリチェッタを、たくさん訳しました。

今回だけでは紹介しきれなかったので、また新たな機会に続きを訳す予定です。

今日は、4月号で訳した料理の一部の動画をどうぞ。


タコのアッラ・ルチャーナ
 ↓


この料理はナポリのサンタ・ルチア地区の漁師が考え出した歴史の古い料理。


スズキのアックア・パッツァ
 ↓



ムール貝のグラティナーテ
 ↓


パランツァのフリット
 ↓



パランツァとは網に引っ掛かるような小魚のこと。

肉料理も
牛ステーキのアッラ・ピッツァイオーラ。
 ↓



もうすぐ発売の5月号では、コントルノとドルチェを訳しています。
ピッツァは6月号で訳す予定です。


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ナポリとカンパーニア料理のリチェッタは、「総合解説」2015年3~6月号に載っています。
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2017年9月7日木曜日

マルケのパスタ

マルケのグルメガイド、今日はマルケのパスタの話。

さて、マルケのパスタって、何がありましたっけ。
マイナーな州のような気がしますが、ありますよー、名物パスタ。



そう、マッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネ。
このブログで以前に取り上げていますので詳細はそちらをご覧ください。

アックアラーニャの白トリュフのマッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネ
 ↓


マルケはトリュフの産地としても有名。
サマートリュフから白トリュフまで、1年中採れます。
 ↓



さらに、ロマーニャ料理として知られるパッサテッリも、マルケ版があります。




パッサテッリはにんにく絞りのような道具で生地を押し出して作る、個性的なパスタ。
チーズやレモンの皮入りです。
パッサテッリ専用の道具がなくてもポテトマッシャーで代用できます。

他には、ラザーニャの一種のヴィンチスグラッシ、タリオリーニの一種のtajuli pilusiなどがあります。
後者は発音が不明なので分かる人教えてください。
字ズラはタヤリンによく似てますね。

cioncioni(チョンチョーニ)というソラマメの粉入りの平麺もあります。

マルケのパスタ、知れば知るほど面白そう。


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“グルメガイド~マルケ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年9月4日月曜日

マルケ、ウルビーノ

今日は、「総合解説」のグルメガイド、マルケのビジュアル解説。
まずは、ウルビーノ。



緑に囲まれた丘の上の町。
一番上にあるパラッツォ・ドゥカーレは凄い存在感。

パラッツォ・ドゥカーレは知らないという人も、この建物を建てた人フェデリコ・ダ・モンテフェルトロのことなら見たことあるかも。
少なくとも彼の顔を一度見た人は、忘れられなくなります。
この人です。




イタリアで一番有名な鼻だそうです。

描いた人はピエロ・デラ・フランチェスカ。
フィレンツェのウフィッツィ美術館にあります。
槍の試合で片目を失ったため、このような構図の肖像画が多いのだそうです。
勇猛な武将として名をはせ、彼の宮廷はヨーロッパ一洗練されていると評されるなど、人気の高い名君でした。

そして彼が統治する時代のウルビーノで誕生した名物チーズ、カッショッタ。
甘みのあるソフトチーズ。




ウルビーノの美味しいもの




マルケの話、次回に続きます。


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グルメガイド“マルケ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月31日木曜日

セラス・デル・フェン


今日はピエモンテ産リコッタ、セイラスの話。

セイラスの他に、セラス、サラス、セレなどいろいろな呼び名があるそうで、イメージがあやふやなチーズです。
というか、リコッタなので、正確にはチーズですらないです。

そもそも、セイラスの語源はラテン語でホエイのこと。

サラス・デル・フェンは、トリノ県の産物で、スローフードの保護食材。
メイド・イン・イタリーの食材と呼ばれるくらいで知名度も高そう。



このチーズはキリスト教のヴァルド派の人たちが作った名物でした。
ヴァルド派はキリスト教のプロテスタントの1派ですが、異端とされて迫害され、ピエモンテの山の中で独自の文化を持つコミュニティとして生き残りました。
このチーズは、ラバの背中に乗せて運ぶ間のハエよけのために干し草で包むのが特徴。
リコッタの性格上、フレッシュなうちに味わうのが美味しいそのうなので、ピエモンテに行ったら食べておきたいチーズです。

ヴィッサーニのセラスのアノリーニ。
 ↓



シラスと呼んでますね。
「総合解説」では、セイラスを使うコッパ・サバウダはサヴォイア家の宮廷で人気だったとあります。
こんな料理です。
 ↓



味見した時のリアクションが淡白でいいですねー。


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2017年8月28日月曜日

クープ・デゥ・モンド2015はイタリアイヤー。

ちょっと前の話ですが、2015年のパティシエ・ワールドカップで、イタリアは悲願の優勝を手にしました。
1997年の初優勝から、18年目の快挙でした。

2015年のダイジェスト




イタリアチーム




とても印象的だったイタリアチームのフローズンデザート1位の作品をシリコン型で再現。




チョコレート部門も1位。これもシリコン型のメーカーが再現。



飴細工部門も1位で、新記録で完全優勝です。



リーダーはシュガーアートのマエストロ、エマヌエーレ・ファルコーネ氏。



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“パスティッチェーリ・チャンピオン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月24日木曜日

アンジェロ・サバテッリシェフ

今日は最近プーリアでナンバー1とも言われる注目シェフ、アンジェロ・サバテッリ氏の話。
6歳の時にはすでに肉屋で働きだして、午前中はホテル学校、午後は仕事という生活もしていたそうです。
ジャカルタ、ホンコン、シャンハイ、モーリシャスで12年働き、言葉とオリエントの食材も使いこなしています。

自らの名前をつけたリストランテはプティニャーノ(バーリ)にあります。
今年の5月に生まれ故郷のモノポリから離れて新しい店を開きました。
すでに店の口コミサイトには高評価の投稿が続々。
店のwebページはこちら

下の動画では、リーゾ・パターテ・コッツェというこてこてのプーリア料理を、素朴さとプーリアらしさはそのままに洗練された1品に仕立てています。




伝統的なリチェッタ
 ↓


プーリアは食材が素晴らしい地方だけに、モダンにアレンジすることがとても難しい地方料理だと思います。
でも、オリジナリティーとクリエイティビティにこだわるシェフもいるんですね。
プーリアも、次々に注目のシェフが登場するようになりました。






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“アンジェロ・サバテッリシェフ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月21日月曜日

粉の強さとショパン


今日は小麦粉の話です。
イタリアの小麦粉には、0とか00といった番号がついています。
これは、粉の精製具合を表す数字です。

あくまでも、どれだけ精製しているか、を示す表示で、粉の品質とは関係ありません。
最近、イタリアの小麦粉事情が変化しています。
それはどうやら、家庭でお菓子やパンなどを手作りする人が増えては、消費者が、粉の性質をもっと知りたいと思うようになったことと関係があるようです。

イタリアの消費者は、粉のどんな性質に興味があると思いますか?
それは強さです。
粉の強さはタンパク質の含有量によって生まれます。
日本では、強力、中力、薄力と名前を付けて分類していますが、イタリアでは、ショパンのアルベオグラフ値で表しています。
これ最近、イタリアの料理雑誌ではよく見かける値です。
ショパンと呼んでも作曲家のショパンとは関係ありません。
Wと数字で表される値です。

粉は水と混ざるとグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質ができます。
これらが結びつくとグルテンになります。
グルテンは目の詰まった網のようなもので、発酵の間、内部にでんぷんとガスを貯めます。
この力をWで表します。
つまり強さは粉が生み出すことのできるグルテンの量で、水を吸い込める量によって左右されます。
グルテンが多いほど生地も膨らみます。
W90~70の薄力粉は水分が少なくて発酵が短いものに適しています。
ビスコッティ、グリッシーニ、クロスタータなどです。

W180~260は中力粉、食パン、バゲット、生パスタなどに適しています。

W270~310は強力粉です。
これは水分をたっぷり吸いこみ、粘りのある、ゆっくり発酵する生地に適しています。
チャバッタ、ロゼッテ、パネットーネ、ブリオッシュなどに使います。

チャバッタ
 ↓


チャバッタの生地には3リットルも水を加えるんですね。
水分をたっぷり吸いこむ粉を使うんですね。

ロゼッテ
 ↓



W330とか400の小麦粉を使っていますね。


W320~370の粉はマニトバ粉と呼ばれています。
単独で使われることはほとんどなく、他の粉と混ぜて強さを出すために使われます。

イタリアの家庭用の市販の小麦粉にはまだWの表示が記載されているものは少ないようですが、徐々に増えているそうです。






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“粉の強さ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月17日木曜日

メカジキのシチリア風

今日はメカジキの話。
イタリアのメカジキといえば、独特のスタイルの漁をするメッシーナ海峡のメカジキが有名。
最近、マグロの伝統漁の話をすっかり聞かなくなったけど、もう消滅してしまったのでしょうか。
メッシーナ海峡のメカジキ漁の話も聞かなくなりましたが、どうなっているのか。

こんな漁。



普通に釣っても冒険心を大いに刺激する魚なのに、何世紀も前から変わらない道具と方法で、メカジキと1対1の勝負をする漁なんて、ロマンしかない。

でも、どう考えても非効率的で危険な漁、いつまで存続できるでしょうか。
すでに後継者不足のようだし。

とにかく、メッシーナ海峡の漁師は、メカジキに関しては、相当なエキスパートのようです。
『サーレ・エ・ペペ』に、メカジキの習性について、ショッキングな話が載っていました。
メカジキはつがいの絆が強い魚で、オスはメスが捕まると一緒に死のうとする習性がある、なのでつがいでいる時はメスをモリで突くんだそうです・・・。

そりゃ、それが漁というものだとは知っていますが、ちょっとロマンチックすぎて、メカジキとメカジキ漁のイメージが大幅に変わりましたよ。

シチリアの人気のメカジキ料理の一つ、“アッギオッタ”。
 ↓



「総合解説」で取り上げた料理はブラチョーレは別名インヴォルティーニ。





ラブラブのつがいのメカジキじゃなかったことを祈ります。



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“メカジキのブラチョーレ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年4月号に載っています。
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2017年8月14日月曜日

モレッティ、バラディン

ビールの話の続きです。

イタリアのビールのCMでもどうぞ。

まずは代表的で身近な、昔からあるイタリアのビール、モレッティ。
イタリア各地の風味を再現したレジョナーレシリーズ。
フリウリからシチリアまで、色々あります。





アンジェロ・ポレッティ




最後はテオ・ムッソからあふれ出るアイデアの一つ、ビアホール。
ローマのオープン・バラディン。




ミラノ、ボローニャ、トリノにもあります。
ローマはカンポ・デ・フィオーリ地区のVia degli Specchi にあります。
料理の監修はなんとカット・ピッツァの王様、ガブリエレ・ボンチ。
最強のタッグですね。
web ページはこちら


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“イタリアのクラフトビールの世界”の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月10日木曜日

イタリアのクラフトビール、ルリジア

今日のお題は、イタリアのクラフトビールです。

『クチーナ・イタリアーナ』によると、今や、イタリア女性の3人に一人は、外食の夕食ではビールを選ぶんだそうです。
イタリアのクラフトビールブームの勢いは、まったく衰えていないようです。
それにしても、なぜイタリアのクラフトビールはこんなにバリエーションが豊かなのでしょうか。
やはり、職人技を尊重する食文化があって、クリエイティブな力に溢れた職人が大勢いるからでしょうか。

イタリアのクラフトビールの種類は飛躍的に増えています。
『クチーナ・イタリアーナ』誌は、「新しい女性と新しいビールは似ている」と言っています。
その心は、どちらも自由だが、一方で敬虔で、タブーもたくさんあるからだそうです。
これもイタリアの食文化を言い表す名言ですねー。

ビール造りにはどんな発想も許されるけれど、その飲み方には、厳格な掟がある、それがイタリアのクラフトビール。

という訳で、ビールと料理の組み合わせにも、厳格な掟がありました。

プリーモ・ピアットを例に考えてみましょうか。

まず、パスタやリゾットとビールの組み合わせを考える時、重要なのはソース。

例えば、イカ墨にはヴァイツェンが合うそうです。
ラディッキオにはラガー、ミラネーゼにはバランスの取れたエールだそうです。

カルボナーラや、ペスト・ジェノヴェーゼに合うのは、エールのルリジア・スペチャーレやピルスのピルスナー・ウルケル。

ルリジア
 ↓



ルリジアはミネラルウオーターのメーカー。
ルリジア・スペチャーレはピエモンテの山の澄んだ水、イタリア産大麦を使っています。




ピルスナー・ウルケルはチェコのビール。
何を言ってるのか一言もわからないけどピルスナーは飲みたくなる。



おまけの動画
ルリジア・ノルマ―レを語るテオ・ムッソ。
イタリアのクラフトビールブームを作った天才は、ずいぶん美味しそうにビールを飲むんだなあ。




彼のXyauyù'シャオユーは傑作でビール造りの新しい波、世界的にも高く評価されているビールだそうです。
ビールというよりシャンパンみたい。





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“イタリアのクラフトビールの世界”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月7日月曜日

モンテロッソのアンチョビー


チンクエテッレに足が遠のく原因の一つは、交通の便が悪い、というイメージです。

中世にできた沿岸部の住民にとっての唯一の道、センティエロ・アッズーロ。
 ↓


昔から、5つの集落を結ぶルートはわずかしかなく、1930年代マナローラとリオマッジョーレを結ぶ“愛の道”というルートができたおかげて、ようやく2つの集落を安全に行き来することができるようになりました。

愛の道という名前はかなりこっ恥ずかしい。
 ↓


すごい断崖絶壁。
確かに昔は移動が大変そうだけど、今はモンテロッソからリオ・マッジョーレまで、鉄道で20分で移動できてしまいます。

さらに、船から上陸するという手段もあります。

ところが意外なことに、船は天候に左右されて、いつもすんなり上陸できるとは限らなかったんですね。
これが、地元の伝統料理に魚料理が少ない理由なんだそうです。
そししてわずかな例外が、アンチョビー。
昔はモンテロッソでだけ水揚げされて、それを各集落に運んで売っていました。
各家庭では、塩漬けにして保存して、フリットなどにしていたそうです。
モンテロッソのアンチョビーはリグーリアの名物食材
モンテロッソに行ったらアンチョビ料理を忘れずにチェックですね。

モンテロッソのアンチョビーのフリット祭り。
 ↓


モンテロッソのアンチョビー
 ↓


モンテロッソのアンチョビーのスパゲッティ
 ↓



サーレ・エ・ぺぺ誌のモンテロッソ・アル・マーレのお勧めレストラン、ミッキー。
カンティーナもあります。




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“チンクエ・テッレ”のグルメガイドの日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月3日木曜日

チンクエテッレのネプチューンの巨像

今日はチンクエテッレの話。

イタリアの有名な観光地の一つなので、行ったことのある人も、行こうと思っている人も、少なからずいるとは思うのですが、実際に行った人となると、他の有名観光地と比べて、ややマイナーな存在かもしれませんね。



私もいつか行きたいなあ、とは思っているのですが、アクセスの不便なビーチリゾートなので足が遠のいていました。
ところが今回、『サーレ・エ・ぺぺ』の記事を訳していて、あるホテルが“有名なネプチューンの巨像の近く”にある、という文章に出会い、念のため、ネプチューンの巨像というのを調べてみて、その幻想的な姿に、軽くショックを受けました。
元々彫刻が大好きだったこともあって、今やチンクエテッレは、行けるならぜひ行ってみたい場所になりました。

Statua del gigante o di nettuno a Monterosso al mare - Liguria

さすがはミケランジェロの国だなあ。
断崖の端っこに筋骨隆々のネプチューン像を彫って庭園を支えさせるなんて発想は、幻想的過ぎて、何時間でも見ていられそう。

モンテロッソ・アル・マーレのフェジーナ・ビーチにあります。
アッリーゴ・ミネルヴィという人が1910年に、アルゼンチンに移民して成功したイタリア人、パスティーネ夫妻のために造ったヴィッラ・パスティーネの巨大なテラスの一部で、高さ14mの像です。
第2次世界大戦の爆撃などでかなり被害を受けましたが、一部修復されています。
片足と両腕を失って重そうにテラスを支えるとか、アングルによってはかなり痛々しい姿で、その前で海水浴客がのんびり日光浴している姿はちょっと違和感ありますが、
違和感あるくらい、彫刻が写実的で素晴らしいということでしょう。
いつか行く日のために、行った方でなにかアドバイスがあったら教えてくださーい。

そうそう、記事にあったすぐ近くのホテルというのはこちら。
朝食が美味しいそうです。
 ↓




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“チンクエ・テッレ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月31日月曜日

ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題

今日はペコリーノ・ロマーノの話。
ガンベロ・ロッソの記事からです。

Pecorino Romano Fulvi Cheese


ペコリーノ・ロマーノの話といえば、いつもの話題は、
約2千年の歴史があるローマの伝統的なチーズなのに、ほとんどサルデーニャで作っている、ということと、
なんでこのチーズはあんなにしょっぱいのか、ということ。

ペコリーノ・ロマーノの95%はサルデーニャ産。
もうほぼ完全にサルデーニャの製品ですよね。
でも、サルデーニャはローマより羊の飼育に適しているし、サルデーニャの人たちは、羊飼いのDNAを持って生まれてくるようで、羊を扱わせたら名人揃い。
サルデーニャ産でも何の文句もありません。
ペコリーノ・ロマーノはイタリアの輸出量の多いチーズトップ5に入っていて、羊のミルクとしては第1位。
しかも、その約1/3はアメリカに輸出されているそうです。
ところが、ペコリーノ・ロマーノは今、転換期を迎えていて、生産量が減少し、廃業する老舗メーカーも現れています。
輸出量か増えても、対ドルユーロ安のせいで利益は相殺されています。
しかも、「分子料理の大流行の反動で、ローマ料理への回帰が起きている」、と(ローマ料理というか、イタリア地方料理と分子料理は水と油ですよね)せっかく追い風が吹いているのに、
数年前の青舌病の流行、ここ数年の雨が多い天気のために野生の状態で飼育されている羊の活動量が減り、ミルクの生産量が20パーセント減少、などの数々のマイナス要因があります。
長雨が羊のミルクの量の減少につながるなんて、知らなかったなあ。

ペコリーノ・ロマーノしょっぱい問題は、特に外国人には受け入れられないくらい深刻ですよね。
あの塩気は、ローマの伝統の味だそうです。
ペコリーノ・ロマーノは元々調味料のように使われていました。
単独でチーズだけを味わうためには作られていないのです。
ところが、ペコリーノ・ロマーノの現在の主な消費者は北イタリア人やアメリカ人。
皮肉なことに、このチーズがアメリカに広まったのは、塩分が多くて長期間保存できたから。
でも、彼らが好むのは、マイルドでフレッシュな味。
これは多分、日本の消費者も同じですね。
というわけで、管理組合では塩気の弱いタイプも造るようにしました。


ペコリーノ・ロマーノのサラトゥーラ
 ↓



伝統の味も、こうやって消えていくんですね。
確かに、ペコリーノ・ロマーノは今、転換期かもしれません。
今のうちに伝統の味を味わっておかないと・・・。




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“ペコリーノ・ロマーノ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月27日木曜日

イタリア目線の鶏肉のマレンゴ風

今日は鶏肉のマレンゴ風の話。

Pollo alla Marengo


この料理をイタリア料理と呼ぶのには賛否両論だとは思いますが、一応、マレンゴというのはイタリアの地名(ピエモンテ)なので、イタリアの要素も少しは入っている、ということでよろしいでしょうか。

ナポレオン由来の料理のため、注目を浴びやすく、歴史的な逸話が多い料理、というわけで、後世にいろんなエピソードを生み出した面白い料理です。
とにかく、劣勢だったナポレオン率いるフランス軍が、オーストリア軍に逆転勝利したとたんに、ヨーロッパ中のあらゆる料理書がこぞってこの料理のエピソードを取り上げたようで、その大部分が、フランス目線で描かれています。

ブログで以前とりあげたことがあります。
その時の内容はこちら

7年も前のことでしたが、昔からイタリアではイタリア目線の歴史が伝わっていたようです。
今回は『サーレ・エ・ペペ』の記事から、その一部をご紹介。
まず、食材は戦場であり合わせのものをかき集めて作った、というのがフランスの一般的な説。
ところがイタリアでは、容赦ないです。
ナポレオンの料理人デュナンが、各国の軍隊に蹂躙されてひどい食糧難だった地元の農家を急襲して、鶏を徴収していった、と伝わっています。
さらに塩がなかったので、鉄砲用の硝石の粉で調味したんだそうです。
これ、食べ物?
というレベルですが、なんとこんな料理をナポレオンがえらく気に入ったんだそうです。
ひょっとして、これ、ナポレオンの味音痴をバカにしてる?
確かに、ナポレオンは料理に興味がなかったというのは有名な話。
イタリア目線だと、この料理の質素なところが気に入ったのだろう、という解釈になっています。
うん、バカにしてるね。

しかも、世界中に広まったのは、この料理を有名な戦いのシンボルにするために、エスコフィエが考案した料理だとでも言いたそうな結論。

イタリアとフランスでは、ナポレオンの業績の解釈にも違いがあるようで、隣の国でも正反対のイメージがあったりするんですね。
ところが面白いのが、この料理、アメリカではナポレオン抜きでチキン・マレンゴと呼ばれて、家庭料理としてやたら人気があるみたい。

チキン・マレンゴ
 ↓


プーレ・マレンゴ
 ↓


ポッロ・マレンゴ
 ↓



なるほど、どの国の食文化に属するか、厳密に分類できない料理なので、アレンジの幅も広い料理なんですね。


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“鶏肉のマレンゴ風”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年7月24日月曜日

3月が旬の食材、マンダリーノ・タルディーヴォ、モエケ

今日は、「総合解説」3月号の記事、“今月の食材”を、ビジュアル解説。
イタリアで3月が旬というと..、どんな食材があるのでしょう。

まず最初はマンダリーノ・タルディーヴォ。

マンダリーノは英語ならマンダリン・オレンジ。
みかんの一種。
ヨーロッパには中国から、15世紀にポルトガルやスペイン経由で伝わりました。


タルディーヴォは晩生(おくて)。
遅く熟す品種です。
イタリアでは3月に熟します。

こちらはシチリアはパレルモのチャクッリで栽培されている晩生マンダリーノ。
wikiによると(こちら)、日本からアメリカに伝わったみかんと同じ品種だそうです。
スローフードの保護食材で、アロマが強くて糖分が高く、皮がとても薄いのだそうですよ。
管理組合に所属するわずかな生産者のみが作っているマンダリーノです。
シチリアでは皮をカンディートにする利用方法が広まりました。
 ↓



シチリアでカンディートと言えば、カッサータ。
 ↓





タルディーヴォの代表的な野菜、ラディッキオ。
 ↓
Venice, street market


次はアーリオ・オルシーノ。
野生のにんにく、行者にんにくのヨーロッパ産の亜種です。
下の動画はロンバルディアのヴァルキアヴェンナでの収穫風景。
イタリア各地の森の湿った場所に育ちます。
春の北部の山岳地はにんにくの香りがつきものなんだって。
冬眠明けのクマが食べて元気になる山草。
 ↓



さらに、ベネチア名物のソフトシェルクラブ、モエケもこの季節のもの。




3月にイタリアにいるなら、パレルモでチャクッリのタルディーヴォのカンディートで作ったカッサータを食べて、ベネチアでモエケを食べるなんてどうでしょう。


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2017年7月20日木曜日

「ドロミテの植物」

イタリア在住のsegnalibroさんから、近況報告です。
素晴らしい写真。
涼しさのおすそ分け。
それではどうぞ。



トレッキング日和の好天が続いています。

dolomiti 1

dolomiti 2



大自然は素晴らしいのですが、景色でお腹いっぱいにはなりません。
山に来てから、新鮮なお野菜や果物が入手しづらくなりました。
いや、あるにはあるんです。でも、このお値段でこの品質だと思うと、なかなかおててが伸びないのです。

今年は青紫蘇の種をまいたのですが、数本発芽したものの、育ってはくれませんでした。
ストラディバリウスは、ドロミテ産の西洋トウヒを使用と聞いて、なるほど、成長が遅いから質の良い木材が育つのだと感心していたのですが、紫蘇は是非とも育って欲しい!
ちなみに、1000本の木があっても、ストラディバリウスになれたのは3本あるかどうか、なのだそうです。

春先には、こんな山菜を見つけました。

dolomiti 3

dolomiti 4

フキノトウとワラビいや、ゼンマイ?
採って食べてみたかったのですが、ご近所さん誰一人食べたことがないとの事で、冒険はやめておきました。日本のものとは違うのかしら?

山に来て一番カワイイと思ったお花がこちら。

dolomiti 5


シラタマソウ。wiki先生によると、ピエモンテやアペニン山脈中部のウンブリアやマルケの辺りでは、この新芽を食べるとの事。
ご近所さんも、これは好きな山菜だそうで、新芽を茹でてニョッキに練り込み、バターとパルミジャーノでシンプルに食べるのがオススメとのことでした。
シラタマソウは、この辺りの方言でsciopetinチョペティンと言い、お花をプチっと潰す時の擬音語が由来なのだそうです。

春先、雪解け後すぐに楽しむ山菜がこれ(写真はお借りしています)


dolomiti 6


Radicchio di montagna 山のラデッキオ。標高1000m以上に自生する野生のラデッキオの新芽です。成長すると、子どもの背丈ほどになるそうです。
サラダにしたりフリットにしたり、調理方法はいろいろですが、地元民のオススメは酢水で茹でて、オイル漬。お店には売っていないので、自分で採るしかないですね。食べてみたーい!

私が唯一チャレンジしたのが、サンブーコの実のマルメラータです。


dolomiti 7




5-6
月頃には至る所にお花が咲いていて、ジャムなんて作り放題食べ放題なんじゃないか、でもご近所さんと争奪戦になったらどうしよう、などと思っていました。
しかし、熟してる実は枝からポタポタ落ちて、収穫時は服も靴も爪も赤く染まり、その上、周りに生えているイラクサのトゲに刺されて、収穫が大変。
また、完熟していない実は、種に毒性があるから使わないように選別したりと想像以上に面倒で、結局1回しか作りませんでした。
なるほど、みんな採らずに放置している訳だわ。
ちなみに、上記のシラタマソウのニョッキには、イラクサの新芽を一緒に練りこんでも美味しいのだそうです。

先日、山で一番会いたかったお花にやっと出会えました。

dolomiti 8


野生のエーデルワイス、生まれて初めて見ました。
まだまだ山でやってみたい事はありますが、そろそろ山を降りようと思います。
1
年間の山生活終了です。


segnalibroさんが、こんな素晴らしいところに住んでいたなんて、初めて知りました。
というか、どこだ!?
山生活は終了でも、イタリア生活はまだ続きますよね。
近況報告楽しみにしてますので、平地の話も聞かせてねー。


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2017年7月13日木曜日

グラニータとクレモラータ

前回は、イタリアンソーダという名前のアメリカ生まれの夏のドリンクの話をしましたが、今日は、一説ではそのイタリア版ルーツと考えられているものをご紹介。

シチリアのジェラートのクレモラータです。





グレモラータより濃くてフルーツのジャムを凍らせたようなものだそうです。
新しい製品なんですね。

クレモラータは、果物の果肉を凍らせて崩します。
基本はグラニータと同じですが、違うのは果肉がたっぷり入っているところ。
クレモラータに最適なのは桃、スイカ、桑の実、フィーキ・ディ・インディアなど。
一方、グラニータは、コーヒーのような液体から作るのにぴったり。
ちなみに、シチリア西部ではグラニータのことをグラモラータと呼んだそうです。
それがクレモラータとグラニータが混同された原因。
グラニータはシチリア発でイタリア中に広まった、シチリアが誇る冷たいドルチェ。

暑くなると冷房ガンガン利かせた中で冷たいものばかり食べて、結局夏バテまっしぐら。
食べる代わりに動画でも見て涼みましょう。



おまけの動画
グラッタケッカ





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2017年7月10日月曜日

イタリアンソーダ

今日は「総合解説」2015年3月号の発売日です。
この暑さの中で料理をするのは大変ですが、料理の翻訳も、できればあまり暑苦しい料理は遠慮したい気分です。
その点、3月号はナポリ料理の翻訳が中心だったのでだったので、海辺のレストランで冷えた白ワインを飲みながら食べるのがぴったりな料理ばかりで、取りあえず、夏バテは回避されました。

ニュートンの魚料理シリーズを眺めていると、ヴェネト、ナポリ、シチリア、リグーリアと、イタリア旅行に行きたくなるような場所ばかり。
“・・・・ディ・マーレ”なんて、言葉の響きだけで、もう美味しそう。

インサラータ・ディ・マーレ。
 ↓


アンティパスティ・ディ・マーレ
 ↓



地中海料理大学の授業だそうです。
どんな学校なんでしょうか。
ホームページはこちら
2009年ソレントに創立されて、カンパーニア州がスポンサー。
南イタリアの料理界が後ろ盾のようですね。




おまけの動画。
アメリカで流行しているらしいイタリアン・ソーダ。
イタリアンクリームソーダとも言います。
実はアメリカ生まれのドリンク。
イタリアにこんなソーダがあると聞いたことはないなあ。
でも、イタリアンソーダという言葉の響きは、美味しそう。



グラスにストロベリーシロップとピーチシロップ、ココナッツシロップなどを入れて氷とソーダを加えます。そこにホイップクリームかヘビークリームを加えて出来上がり。




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2017年7月6日木曜日

ナポリのピッツァとオリヴィエロ・トスカーニ

何でも、世界中で最も広まっているイタリア語はpizzaだそうで。
ピッツァと言えばナポリ。
で、今日はナポリのグルメガイドからビッツァにまつわる話。

まずは、2014年にできたピッツァ国際博物館。
前年にナポリ中心部のムニチピオ広場にオープンした地中海博物館の中にできた2部屋のスペースに、ナポリ・ピッツァイオーリ協会が提供したピッツァ造りの歴史的道具や写真などが展示されているそうです。
こんな展示
はっきり言って意味不明。
博物館の中にはピッツェリアもあって、協会の会員がビッツァを焼いています。

協会と言えば、Verace Pizza Napoletana協会ですが、
設立30年を記念して、フランチャコルタのスプマンテメーカー、コンタディ・カスタルディ、世界的に有名なカメラマン、オリヴィエロ・トスカーニ氏と組んだ写真集『Tu vuò fa' il Napoletano』は、素晴らしいですね。

こんな写真

トスカーニ氏はベネトンの反人種差別キャンペーンの広告で世界中にショックを与えた人。
才能のあるカメラマンの写真は、被写体をこんなに活き活きとさせるんですね。
料理人が腕を組んでどや顔してるポートレトはよくありますが、鼻の下に唐辛子はさんでどや顔してるピッツァイオーロは、初めて見ました。
これ

実はこのピッツァィオーロは、トスカーニ氏なんです。
この写真集のタイトルは日本語にするなら『ナポリかぶれ』。
ナポリよ、ピッツァを発明してくれてありがとう、と言っちゃうトスカーニ氏の人間性も魅力的です。
これは写真撮ってもらった会員は、一生の記念になったのでは。
協会も素敵なことやりますね。
残念ながら、本にはなっていないようです。


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“ナポリ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年7月3日月曜日

夏のイタリア料理

暑いですねー。夏真っ盛りに突入したような暑さです。
イタリア料理の世界では、夏の料理にはどんなものがあるかと思って、イタリアの地方料理を季節ごとにまとめたカルロ・カンビ著の『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ』を見てみました。

それによると、イタリアの夏は、ざっと3つに分かれていて、
6月21日前後の夏至から7月初旬の、まだ春の名残が感じられる季節。





夏至の夜明けのコンサート。
 ↓


夏至は夏の最初の1日。
地中海の人々にとって、日本より思い入れがある日のようです。

7月中旬からフェッラゴスト(8月15日の聖母被昇天の祝日)の期間は、夏本番。
夏の恵みを最大限に味わえる時期。

夏は野菜の季節です。
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎ。
カポナータ、なすのパルミジャーナ、ヴィテッロ・トンナート、カルパッチョの季節。

カポナータ
 ↓



さらに、ケッパーや松の実、イワシといったシチリア料理の食材が美味しくなる季節。
飲食店ではメニューを見直す時期で、前菜やフルーツが増えて、ピアット・ウニコにソルベットやレモンのジェラート、フルーツのトルタを添えて出すようになります。
ソースは定番のリグーリアのペーストからシチリアのトラーパニ風まで、ペーストが大活躍。
プンタレッレやズッキーニの花のフリットも旬です。
チーズはモッツァレッラなどソフトチーズの季節。
メロンを初めとするフルーツも暑い夏に欠かせない食材です。
ピスタチオとヘーゼルナッツも夏が旬。

生ハムとメロンのバリエーション
 ↓


一方、イタリアでは夏のバカンス地には欠かせない魚料理ですが、皮肉なことに水揚げは減ります。
その代わりを務めるのがウニ、甲殻類、タコ、イカなどのシーフード。

フェッラゴストを過ぎると、秋の気配が加わってきます。

バリ市民にフェッラゴストのメニューをききました。
 ↓



土用のウナギみたいなもんかと思ったら、意外と普通でした。

忘れてました。
みんなバカンスに行って、街中はからっぽでした。
 ↓



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2017年6月29日木曜日

ルビコン川の水源の町のチーズ、フォルマッジョ・ディ・フォッサ


今日はチーズの話。
フォルマッジョ・ディ・フォッサというチーズです。

以前このブログで取り上げたことがありました。
こちら




個性的なチーズですが、知名度は低い、と思っていたのですが、
このチーズは、メイド・イン・イタリーを代表する食材として外国でも知られるチーズなんですねー。
おみそれしました。

フォルマッジョ・ディ・フォッサの本場は、ロマーニャ地方のソリアーノsogliano。
ロマーニャとマルケにまたがる地方で作られているDOPチーズです。



ソリアーノはルビコン川の水源がある場所なんですね。
ローマ時代にシーザーが渡ったことで知られる歴史的な有名な川ですが(なんでもこの川を軍隊を連れて渡ると元老院への反乱とみなされたそうです)、この川を渡って元老院と決別したシーザーはローマを支配して終身独裁官となり、世界一有名なローマ皇帝となったのでした。
紀元前49年2月13日と日にちまで特定されているほどの歴史的出来事。



ルビコン川についてはこちら(wiki)をどうぞ。
実際は細い小川のような川だそうです。


フォルマッジョ・ディ・フォッサは、穴に入れて熟成させますが、その間、空気がない状態に置かれたチーズは、水分やホエイ、脂を出します。
3ヵ月かこうやって水分を絞り出すんですね。
穴から出す日はお祭りです。
 ↓


リチェッタ
 ↓


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“フォルマッジョ・ディ・フォッサ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月26日月曜日

ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ


今日はラグー(ミートソース)のベストパートナーのもう一つの方、ラザーニャの話。
正確にはラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ lasagne alla bolognese。

ラザーニャはイタリア各地で作られている料理で、イタリア料理を代表するご馳走の家庭料理。
ボローニャのラザーニャはラグー・ボロニェーゼ入りで麺は小麦粉、卵、ほうれん草入りの緑色。

ボローニャのパスタの永遠のライバル、ナポリのラザーニャは小さなミートボール入りのラグー・ナポレターノをかけ、プレーンの白い麺。
カーニバルの時期に食べます。

ラザーニェ・ナポレターネ
 ↓


ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ
 ↓



個人的にはたくましい女性がパスタを打つ姿が大好き。
完璧なラザーニャには、長さ1m、直径5㎝で完璧にカーブしている桜の木の麺棒が必要。




生地をこねる時は脈拍のようにリズミカルに力強く。

エミリア地方にラザーニャが広まったのはルネサンスの時代で、この料理に欠かせないトマトソースが誕生したのは19世紀のナポリ。

『サーレ・エ・ペペ』誌がラザーニャが美味しいとお勧めするボローニャのお店の1つの動画をどうぞ。
trattoria meloncello。
 ↓



毎日通わないと名物パスタは食べきれない。
行く予定もないのに胃袋が心配。



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“ラザーニェ・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月22日木曜日

時代と共に変わるラグー・ボロニェーゼ

ラグー・アッラ・ボロニェーゼは、イタリア料理アカデミーによって、1982年に公式リチェッタがボローニャ商業会議所に登録されています。

家庭料理がルーツのイタリア料理の世界で、公式リチェッタなるものが存在する料理は、かなり異色な存在。
とはいえ、公式のリチェッタは、あくまでもボローニャ以外の誰かが本家を名乗らないようにする商標登録のようなもの。

ボローニャのレストランや家庭では、シェフやお母さんが独自のリチェッタのラグー・ボロニェーゼを作っています。
なので、公式リチェッタが絶対というものではありません。

さらに、ボローニャ商業会議所は、手に入りにくい食材は現代人でも作りやすいように、代用案も加えるなどしていますが、現実には、時代は大きく変わっています。
食材だけでなく、もっと根本的なものが変わっているのです。

まず、公式によると、ラグーのベースとなる肉は、地元ではcartellaと呼ばれる牛の横隔膜のそばの(肺と腸の間)赤身肉。

横隔膜というと、以前segnalibroさんがイタリア便りでハラミのことを取り上げていました。
カルテッラは手に入れやすい部位ではないようで、手に入らなければばら肉、肩肉、うで肉でも代用可と公式はアドバイスしています。

でも、前回も引用したカルロ・カンビ氏は、目の付け所がちょっと違います。
まず、昔は、農家で食べる牛肉は、畑での労働に適さなくなった高齢の牛の硬い肉だったと指摘しています。

2003年の光景
 ↓



そのため、長時間煮込む必要がありました。
昔はラグーは、とろ火で煮れば煮るほど濃厚な味になる、と言われていました。
どれくらい時間をかけていたかと言うと、1~4時間です。
公式のラグーを作ろう思ったら、かなりの覚悟が必要ですよ。
昔の農家の主婦は、朝ラグーの鍋を火にかけて畑に出かけました。
農家の主婦でないと作れない料理だったんですねー。
さらに、ここで注目なのが、カルテッラと言う部位です。
カルテッラというのは、元々水分が多くてとても柔らかい部位なんだそうです。
少しでも時短が可能な、農家の主婦に優しい部位でもあったのですね。
ただ、太い血管があって酸化しやすいので、空気に長時間触れないようにします。
使う直前に挽くというのはこのあたりが理由でしょうか。
というわけで、公式が言うとおりにカルテッラを使ってラグーを作ろうとしたら、かなりの経験が必要になります。
現代人の生活に適した部位ではないので、高齢の牛の肉が手に入る人以外は、カルテッラにこだわる必要はないと、公式が発表されて35年後の私たちは言い切れそうです。

19世紀のイタリアの農家は、ちょっと衝撃的。
キッチンでは、料理する女性陣とは別に、男性は火のそばでワインを飲んでいます。
家長は至れり尽くせりのお世話をされていました。
でも、水浴びをするのは家畜小屋で、牛と一緒。
カードをするのも家畜小屋。
その横で女性は編み物。
 ↓



21世紀の生活や料理は、大きく変わっていて当然。

ラグーにも、牛挽肉だけでなく、豚挽肉、パンチェッタ、サルシッチャ、生ハムと、様々な肉が加わっています。

リチェッテ・ディ・オステリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』には、フォルリのカンティーナ・ディ・ヴィア・フィレンツェという店のラグーのタリアテッレが載っていました。
それによると、ラグーの材料は、豚肩肉、生ハム、牛肉、鶏の砂肝、うさぎのレバー、白玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトノコンセルヴァ、トマト、サンジョヴェーゼ、ラード、塩、こしょう。

本でリチェッタを探せば他にも見つかりますが、リチェッタは見事にばらばら。

80年前のイタリアの暮らしが面白い動画
 ↓



イタリア人の生活は。短期間で大きく変わりましたね。
でも、お母さんが「プレイステーションなんかやってないで手伝いなさい!」と叫ぶ姿は、日本とおんなじ。
今じゃ、アメリカ兵が食べたがったミートソースのスパゲッティは、ボローニャよりアメリカの方が本場の味になっている気がします。
料理は時代と共に変わっていくものだから、ラグーからミートソースになったこのソースが、今後、どう変わるか、ちょっと楽しみです。




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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月19日月曜日

ラグー・アッラ・ボロニェーゼ

今日のお題はミートソースです。
世界中でもっとも愛されているパスタソースの1つ。
でも、ミートソースは英語。
イタリア語では、ラグー。
なぜかフランス語。
ラグーの話をする時は、毎度フランス語のラグーの説明から始めることになるのですが、今日はどの説を紹介しましょうか。
そういえば、ピエモンテのタヤリンやローマのフェットゥッチーネの話をした時に、鶏のレバーのソースをかけると日曜日のご馳走になる、という話もしましたが、この時のレバーのソースもラグー。
ラグーがご馳走だったというのは、この料理の名前がフランス語という理由の手掛かりになります。
つまり、元々は貴族や裕福な階層の料理だったということ。

鴨のラグーのビーゴリ
 ↓




ちょっとこだわるなら、ミートソースは、イタリア語ではラグー・アッラ・ボロニェーゼ。
つまり、ボローニャの伝統的なラグー。
イタリアで、本場のピッツァと言えばナポリ、と誰もが信じているように、ラグーの本場はボローニャです。
ラグーの本場はナポリだと強硬に主要する一派もありますが。
ボローニャを中心とするエミリア地方は、手打ちパスタの文化が花開いた地方です。
カルロ・カンビの『ミリオーレ・リチェッテ』によると、パスタは麺棒で伸ばし、水は1滴たりとも加えない、という鉄の掟があるそうです。

でも世界的にみると、ラグーはスパゲッティにかけるのが多数派。
カルロ・カンビ氏は、エミリア地方の老人から話を聞いて、面白い説を披露しています。
ボローニャは交通の要所で、第二次大戦中は、市街地やアペニン山脈を舞台に、アメリカ軍、ドイツ軍、パルチザンの激しい攻防が繰り広げられました。
その時、遠い故郷からイタリアの山の中までやってきて、イタリアのために戦うアメリカの若い兵隊さんが、スパゲッティが食べたい、と言ったら、どうしますか。
おばあちゃんたちは、そうかそうかと、戦争中でろくな食料も手に入らない中、手に入るありったけの食材をかき集めて、伝統の鉄の掟を破って、スパゲッティ・ミートソースを作るしかないじゃないですか。
それを食べた兵隊さんは(ここから妄想です・・・)無事に帰国して、アメリカでスパゲッティ・ミートソースを広めていったのでした。

ボローニャ解放
 ↓






そんな歴史を思うと、スパゲッティ・ミートソースでもいいじゃないかと思いますが、ボローニャの商業会議所の人たちは、ボローニャの素晴らしい財産がゆがめられて広まるのは耐えられなくて、鉄の掟をさらに強固にしました。

続きは次回に。



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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月15日木曜日

酔っ払いチーズ


今日はヴェネトのチーズの話。
とは言っても、ヴェネトのチーズを口にする機会なんて全然ないので、ハードル高い。
しかも、よりによって、水牛のミルクのチーズです。

最近確かに、北イタリア産の水牛のチーズのニュースは、時々見かけます。
でも、モッツァレッラじゃないんです。

手にした情報は、IL BUFALA AL GLERAというチーズの名前。
それと、水牛のミルクのチーズと、al gleraのgleraは、プロセッコに使うぶどう品種。
これに漬けて熟成させるらしい、ということのみ。

ヴェネトのチーズ。
 ↓



チーズの名前から生産者が分かりました。

ラッテリア・ペレンジンlatteria perenzinw。
動画もありました。



2:30あたりにIL BUFALA AL GLERA登場。
2014年のワールド・チーズ・アワードで金賞受賞という盾が。
チーズは登場せず、盾だけかい。
でも、チーズの名前はBUFALA UBRIACATO AL GLERAということが判明。

メーカーのHPで製品の情報を探すと、BUFALA UBRIACATO AL GLERAは、フルーティーな香りで締まった生地のチーズ。
甘みのあるデリケートな味。
グレラはヴェネトの品種で、プロセッコに使われます(最低85%)。
グラッパのような風味のフリッザンテのワインになります。
その独特の風味がチーズにも加わっています。
水牛のミルクを使うというのはチーズ職人のアイデア。

プロセッコ
 ↓



ワインやモストに浸したチーズのことをフォルマッジョ・ウブリアーコと呼びます。
これは第一次大戦中にチーズが徴収されないように隠したのが最初、と考えられているそうです。


ウブリアーコ・チーズ。
 ↓




イタリアの酔っ払いチーズは大部分がヴェネト産だそうです。
ヴェネトのチーズ食べたくなってきた~。



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‘BUFALA AL GLERA’は「総合解説」2015年2月号P.2に載っています。
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2017年6月12日月曜日

ローマ料理、前菜とパスタ

今日は「総合解説」にのせたローマ料理の話です。

その前に、「総合解説」2015年2月号発売しました。
ローマ料理の後半も載っています。

ローマ料理の1品目は、やっぱり生ハムとイチジクのピッツァにしました。
ニュートンの『クチーナ・ロマーナ』のリチェッタです。
取りあえず、1品目でこの本のスタンスがよーくわかりますよ。
何しろ、作り方は、まず、パン屋で焼き立てで熱々のピッツァを買う。
ですから。
この地元民にしか分からない突き放した解説っぷり。
確かにこうすれば最高の生ハムとイチジクのピッツァができるに違いない。

グイド・トンマーゾの『ローマ・エ・ラツィオ』のブルスケッタはこんな感じ。

パーネ・カゼレッチョ(理想的なのは1日たったパーネ・ディ・ジェンザーノかラリアーノ)を厚さ1㎝にスライスし、さらに半分に切る。
強すぎない火(炭火)であぶり、ふちにしっかり焼き色が付いたら半分に切ったにんにくをこすりつける。・・・

この調子で神経質なまでに詳細に続きます。
仕上げにかけるオリーブオイルの種類まで、指定しています。

訳しながら何度も、ローマに住んでなきゃ手に入らないって、とつっこみたくなります。

一番現実的で冷静なグリバウドの『ラツィオ』には
「ブルスケッタという名前は、こんがり焼くと言う意味のbruscareという動詞が語源。ほとんどすべての州に似たものがあるシンプルな料理だが、ラツィオのブルスケッタは特によく知られている」
と、納得の解説が。




まだありますよー。
『ローマ・エ・ラツィオ』のスップリは、
「リゾットが少量残ったら、スップリを作るいい機会だ」
から始まって、リゾットの作の方は丸々省略。
ローマっ子が実際にやっているリチェッタそのものなんですね。



続いてプリーモ・ピアットです。
ローマのパスタは、カルボナーラ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、アマトリチャーナ、プッタネスカ等々日本でもおなじみのものばかり。
先日ブログで紹介した鶏レバーのローマ風フェットゥッチーネや、ブロッコロ・ロマネスコのパスタ・エ・ブロッコリーなど、ローマっ子に人気のリチェッタも訳しました。

ブロッコロ・ロマネスコ
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1月号の前半は前菜、メレンダ、プリーモを訳しました。
2月号の後半は、セコンド、野菜、ドルチェです。
翻訳の感覚がつかめてきたのでリチェッタの数も大幅に増えています。

来月はカンパーニア料理の予定です。



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2017年6月8日木曜日

ローマとラツィオ料理の本


今月の「総合解説」から、クレアパッソで販売している本の日本語訳を載せることにしました。
最初はローマ料理の本です。

取りあえず、ローマ料理が載っている主な本を集めてみたら、約10冊ありました。
もちろん1冊まるごとを訳すのは無理ですが、少しずつでも、継続すればかなりの量が訳せるはずだと考えて、取りあえず始めることにしたのです。

最初はローマ料理を選びました。
取り扱っている本のリチェッタの中から、前菜と軽食、プリーモ、セコンド、野菜、肉、魚、ドルチェの順で、いくつか訳しました。

頻繁にリチェッタを参照した本は


左から、1.ニュートンシリーズの『クチーナ・ロマーナ・エ・エブライコ・ロマネスカ』、
2.グリバウドシリーズの『ラツィオ』、
3.グイド・トンマーゾシリーズの『ローマ・エ・ラツィオ
です。

1は料理人に一番読まれているシリーズ。
おそらく、かなり昔からある本です。
表紙のデザインを変えながら現在まで受け継がれているようですが、現在は、なぜか数種類の表紙のデザインが出回っています。
中身はどれも同じです。

料理人に人気があるのは、出版されたのが古い本ですが、あまり古すぎると、歴史的な価値はありますが、言葉が難解だったり、食材が手に入らなかったりして、あまり実用的ではありません。
その点、このシリーズは適度に古くて、適度に実用的です。
リチェッタだけでなく、料理の背景などの説明も豊富。
今回訳してみて、まず最初にこの本のリチェッタを参照し、難解な点は2のグリバウドシリーズで実用的なリチェッタを確認し、さらに3で、もっと面白いリチェッタはないか探し、最終的にレストランのリチェッタをチェックする、という万全の態勢を取りました。
レストランの本は、オステリエ・ディ・イタリアシリーズ『クチーナ・レジョナーレ』、『パスタ・サボーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』、『ロッショーリ』などです。

「総合解説」のリチェッタを読めば、各本の個性が分かってくる、と思います。
具体的な内容については、次回に。

ローマ料理
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ローマとラツィオ料理のリチェッタは、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月5日月曜日

フィレンツェのグルメガイド

今月の「総合解説」から、今日はフィレンツェのグルメガイドの話。
ガンベロ・ロッソの記事です。
最初に名前が出てきた店、エノテカ・ビンキオッリは今更語るまでもない有名店なので、2番目の店、オーラ・ダリアから。

別にこのお店が有名でないとうわけではありません。
十分有名なお店のよう。
イタリア人にとっては、元フィレンツェ市長からイタリアの首相になったマッテオ・レンツィ氏の、市長時代のお気に入りの店として知られているようですが、イタリアの首相がベルルスコーニで止まってるこちらとしては、どういう人物なんだか、さっぱりでんなー。

1975年生まれで、フィレンツェ市長になった時は34歳。
首相になった時は歴代最年少の39歳。
2016年12月に辞任。

フィレンツェ市長として最後の日のレンツィ氏
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オーラ・ダリア、シェフはマルコ・スタービレ氏。
1973年生まれ。
レンツィ元首相とは同世代ですね。




次はがらっと趣を変えて、オステリア・トリッペリア・イル・マガッジーノ。
ランプレドットのパニーノなど、内臓料理の店。




ランプレドットは牛の第4胃のフィレンツェでの呼び方。
この町の人が大好きな内臓料理。

パスタなどのプリーモは出さないけれど、伝統料理など興味深い料理を出す店、オステリア・ペルソナーレ。
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最後はメルカート・チェントラーレ。
料理教室、エノテカ、リトランテ、ピッツェリア、書店、イータリーがあるそうです。
フィレンツェはいつ行っても景気がよさそうな街ですねー。


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“フィレンツェ”のグルメガイドの記事の日本語訳は、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月2日金曜日

グラナ・パダーノ

今日はグラナ・パダーノの話。
総合解説」の記事のビジュアル解説です。

とろこで、どっちがパルミジャーノでどっちがグラナ・パダーノでしょうか。

Parmigiano

Grana Padano

粉チーズになるとそっくりだけど、塊だと意外と違いが分かるもんですね。

上がパルミジャーノで下がグラナ・パダーノです。

それでは、世界中で最もたくさん売れているイタリアのチーズはどっちでしょう。

答えは下です。
販売量はグラナ・パダーノの方が多いんですね。

この種の硬質チーズは、全部まとめてグラナと呼ばれています。

グラナ・パダーノの歴史と製造方法
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グラナは、キアラヴァッレ・ミセネーゼの修道院など、中世の修道院で、ポー河の北側の沼地を干拓していた修道士によって作り出されたと考えられているチーズです。
この地区は牧草が豊富で、牛乳が豊富にあったためた、その牛乳を長期保存するために作ったチーズと言う話は、以前にもブログにのせた気がします。
グラナ・パダーノやパルミジャーノ・レッジャーノの祖先と言われるチーズは、グラナ・ロディジャーノです。
最盛期は19世紀でしたが、その後、減少の一途をたどっていきます。

その理由は、牧草地の減少、ブラウンスイスからホルスタインへの切り替えが進んだこと、自然発酵ではなく乳清を添加する製法や塩水でなく塩をまぶす製法が普及、長期熟成の敬遠など、様々な近代化要素がことごとくマイナス要因になってしまったようです。

そんな中で昔ながらの製法を守ることは、相当大変なことだと思いますが、それでも、昔ながらの製法を守ってチーズを作り続けている造り手は、まだ存在しています。

世界中でもっとも売れている割にはイメージが薄いチーズ、グラナ・パダーノ。
その味は、シンプルで強く、クリーミーで甘みがあるのが特徴。






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“グラナ・パダーノ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月29日月曜日

タヤリンと鶏レバーのソース


タヤリンに話を戻します。
前回は麺の話をしましたが、今回は組み合わせるソースの話。
タヤリンのソースとして世界的に有名なのは、やはり同じくランゲ地方の名物、白トリュフのソースでしょう。

イタリア料理を志す人なら、一度は食べてみたいですよね。
総合解説」に訳をのせた記事にも、白トリュフのソースのことは書かれています。

記事によるとこの料理は、ニューヨークで流行ってアメリカ経由でイタリアに逆輸入されたようです。
ランゲの農民料理から生まれたものではなそうですね。
それでは、地元で伝統的にタヤリンに一番合うと言われているソースは何かというと、2時間かけて作る鶏のレバーのソースだそうです。

ん?鶏のレバー?
なんだか最近聞いたような・・・。

そうそう、ローマのフェットゥッチーネの話をした時でした(こちら)。
ローマの手打ちの平麺、フェットゥッチーネと組み合わせる一番人気のソースは、鶏のもつのソースでした。
ローマの庶民にとってはご馳走で、日曜日の夕食の定番メニューだったとか。
そしてこのピエモンテのタヤリン。
総合解説にもありますが、日曜日のご馳走だそうですよ。

スローフードのリチェッテ・ディ・オステリエシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、普段はミートソースをかけるけれど、農家では日曜だけは時には鶏のレバーのソースをかけた。鶏は農家にとってはご馳走で、祝日の食材だったからだ、とあります。

鶏がご馳走というのはローマの農民もピエモンテの農民も変わらなかったのですね。
というとは、多分、タリアテッレも鶏の内臓のソースと組み合わせるはず。

ちなみに“鶏もつのローマ風フェットゥッチーネ”のリチェッタは、今月の「総合解説」の後半に載っています。

改めてリチェッタを探すと、鶏のレバーのパスタは、ミートソースのパスタとほぼ同じものだったようで、牛の挽肉に鶏のレバーも加えて長時間煮込むと、イタリアの農家風ミートソースになります。


前回はタヤリンの動画だったので、今回はフェットゥチーネとタリアテッレをどうぞ。






麺作りは女性、というか、お母さんが一番さまになりますねー。

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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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