春の食材の中でも、肉と言えば、イタリアでは子羊。
特に復活祭の時期には、子羊肉の消費量が飛躍的に増えます。
クレアパッソで今月配本の『ラ・クチーナ・イタリアーナ』 、『ア・ターヴォラ』 、『サーレ&ぺぺ』 各誌の4月号でも、こぞって子羊料理特集。
『ア・ターヴォラ』が取り上げたのは、アッバッキオ abbacchio です。
アッバッキオ, photo by Silvio
アッバッキオは、乳飲み子羊(ミルクラム)のローマでの呼び方。
Wikipediaによると、ラテン語で「小さな羊」という意味のovaculaという言葉が語源、という学術的な説と、「棒で殴り殺す」という意味のabbacchiareという言葉が語源、と言う残酷な民間伝承説があるようです。(原文)
ちなみに実際には、昔は棒で頭を一撃してから喉を切っていたそうで。
ローマ以外では、一般的には、アニェッロ・ダ・ラッテ agnello da latte と言います。
2008年1月、ラツィオ産のミルクラムが、アッバッキオ・ロマーノ Abbacchio Romano というブランド名のIGP製品になりました。
IGP(Indicazione geografica protetta)とはEU諸国で認定されているブランド制度で、DOP(Denominazione di Origine Protetta)より一段ゆるい規定のもの。
その規定によると、アッバッキオ・ロマーノは、ラツィオ州で飼育されたサルデーニャ種などイタリア国産羊で、生後28~40日、畜殺後の重さが8kg以内のもの。
ラツィオ州で消費されているアッバッキオのうち、地元産のものはたった10%なんだそうです。
ローマで地元産のアッバッキオを食べたいと思ったら、“アッバッキオ”ではなく、“アッバッキオ・ロマーノ”を探すべし!、という訳ですね。
IGP認定によって、アッバッキオ・ロマーノのブランド価値は一段と高まると予想されています。
それにしても、アッバッキオは食べるところが少ないですよねえ。
復活祭のアッバッキオ, photo by Tommaso Passi
このローストは、ひょっとしたら丸ごと1頭分かも。
スコッタディートも、骨についている肉は少ししかないから、1本や2本じゃ足りない。
次回はアッバッキオのリチェッタを探してみます。
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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年4月号(クレアパッソで販売中)
「アッバッキオ」の記事は「総合解説」P.36に載っています。
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