2008年10月17日金曜日

ホテル・チプリアーニのティラミス

今日はヴェネチアの超高級ホテルの話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。

そのホテルは、チプリアーニ。
あのハリーズ・バーの創業者と同じ名前ですね。
ということは、チプリアーニ一族が経営してる?
と考えがちですが、違います。

確かに、ハリーズ・バーの創業者、ジュゼッペ・チプリアーニ氏が、1958年にこのホテルを始めました。
でも、その10年後に、ホテルとチプリアーニという名前の使用権を、アメリカの海運王に売却してしまったんですねー。
ジュゼッペの息子のアッリーゴ・チプリアーニ氏が、ニューヨークで、“ハリー・チプリアーニ”というレストランを開こうとしたら、裁判沙汰になって、結局、海外でもチプリアーニという名前の権利はホテル側にある、ということになったのだそうです。
大人の事情って、複雑ですねえ。


という訳で、ハリーズ・バーとは今やなんの関係もないホテル・チプリアーニ。
5つ星です。
ジュデッカ島にあります。
hpはこちら
 ↓
www.hotelcipriani.com


Hotel Cipriani, Venice
ホテル・チプリアーニ, photo by Claire Croft


L'hôtel Cipriani sur l'île de la Giudecca (Venise)
少しアップで, photo by Jean-Pierre Dalbéra


メインダイニング
 ↓
www.flickr.com


ゴージャスな雰囲気のホテルですねえ。
ヴェネチア映画祭に参加するセレブが泊まったりするんだろうなあ。

このホテルの総料理長は、レナート・ピッコロット氏。
『サーレ&ペペ』では、ヴェネト料理をいくつか紹介していますが、中でも目を引くのがティラミス。
彼のティラミスは、チョコレートで作ったカップにサヴォイアルディとクレーマを詰めて、その上にチョコレートのゴンドラのシルエットを浮かべた、とても素敵なもの。
このゴンドラが、ホテル・チプリアーニのティラミスのトレードマークなんだそうです。

このティラミスの作り方を紹介している英語の動画がありました。
CMの後に始まります。
 ↓
www.gourmandia.com

ホテルでお茶する機会があったら、このゴンドラのティラミスを食べてみたいものです。


ホテル・チプリアーニでは、総料理長自らが教える料理教室も開いています。
ただし、普通の料理教室じゃありませんよー。
ホテル・チプリアーニに宿泊しながら行う、3泊4日のグルメ体験のようなもの。
今年は10月20日開催。
もうすぐですね。
ピッコロット総料理長の他に、フィレンツェのヴィッラ・サン・ミケーレの総料理長と、ポルトフィーノのホテル・スプレンディドの料理長も加わって、講師は3本立。

まず1日目は、ホテルにチェック・インし、特製エプロンのプレゼント。
夜はウエルカム・カクテルにディナー。

2日目は、朝食後、プライベートボートでリアルト橋のマーケットへ。
ピッコロット総料理長がガイドを務めます。
その後は、総料理長の料理レッスン。
昼食は自分たちの作品をいただきます。
その後は、終日フリータイム。

3日目は、トスカーナ料理のレッスン。
昼食はその作品。
その後は、終日フリータイム。

4日目はポルトフィーノのシェフが、ハーブの話なども交えながらレッスン。
昼食を食べて、レッスン終了。


ピッコロット総料理長が一人で3日間教えるコースもあります。

また、この総料理長、クリナリー・トラヴェル・アドヴェンチャーという小型の豪華客船でのグルメクルーズにも参加しています。
今年は、モンテカルロからスペインまでの約10日間のクルーズに、シェフとして加わったそうです。
ホテルの総料理長さんて、いろんな事をやるんですねえ。



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年9月号(クレアパッソで販売中)
レナート・ピッコロット総料理長のティラミスのリチェッタは、「総合解説」'06&'07年9月号、P.24に載っています。


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5 件のコメント:

vittorio さんのコメント...

今日はパソコンからゆっくり拝見です。私のオーナーがチプリアーニから私にオファーが来たからと勝手に話を進めていたのを思い出します、友人のダニーロがいいホテルだと言っていたのですが、結局行かなかったんす、こんな素晴らしいホタテだとは知りませんでした。

匿名 さんのコメント...

ホテルでした。

prezzemolo さんのコメント...

Vittorioさん
ホテル・チプリアーニ、ゴージャスなホテルですよねー。
でも、そんな高級ホテルなのに、ゴンドラのチョコレートをのせたティラミスなんて、遊び心があっていいなあと思います。楽しい料理、大好きです。
それにしても、こういうホテルのシェフは社交的な面でも才能が必要なようですね。

Vittorio さんのコメント...

本当にゴンドラのティラミス楽しいですよね、

イベント会場で知らないシニョールと握手して、オーナーが4月からチプリアンニに行ってくれと勝手に…オーナーが下見に行って来いと言うから、案内の人を付けてくれたので、二人で調理場を見せてもらおうと行ったら、「君のオーナーから直接頼まないと」と調理場も見せてくれなかったんです、オーナーの所にまた行ったら、新聞を私に見せて、何かの事故だったみたく、「君の親戚がこの事故に巻き込まれたから日本に帰ったと行ってお断りしておいたから、もう一年私と組んでくれないか」と、私が「いいですけど、ウソですよね~、私がお客としてチプリアンニに行けなくなったじゃないですかぁ~」

オーナー「大丈夫だ、君が行けるオテルじゃないから」と(笑)

prezzemoloさんブログを見て、ようやく納得しました、私がお客で行けるオテルじゃないですね(笑)

それとまた分かったことがオーナーも三泊四日で年12回位やっていました、ウチでは総料理長ではなく有名なマエストロ達だけであとは一緒なんです、驚きです、どっかでつながりがあるんでしょうね、
イタリア語についていくだけで精一杯だったので、いろいろなことがわからなく、余裕がなかったんです、

ゴンドラと言えば、ダニーロが先端の鉄のギザギザの所、ヴェネチアの象徴?と言ってた記憶があるんですけど何か意味があるのでしょうかねぇ?

今回も大変分かったことがあって為になりました、ありがとうございます。

さっそくゴンドラのティラミス作ってみます。

prezzemolo さんのコメント...

Vittorioさん
オーナーさんは、かなりユニークな性格のようですねー。新聞で見た記事を言い訳に使うなんて、高校生が遅刻の言い訳する時みたいです(笑)。
私もチプリアーニにはティラミスを食べに行くぐらいだろうなあ。
ゴンドラのうんちくは知らなかったです。ヴェネチアの象徴と言うと、翼のあるライオンですよね。
ゴンドラのティラミスが日本で食べれるなんて、Vittorioさんのお客さんは幸せだなあ。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...