2009年1月26日月曜日

サルデーニャの塩

イタリアの天日塩の話、最終回です。

イタリアで現在稼働中の塩田は4地域。
プーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイア、ロマーニャのチェルヴィア、シチリアのトラーパニ地方、そして4つめは、サルデーニャのサンタンティオコの塩田。


サンタンティオコはサルデーニャの南東の端にある島で、イタリアで4番目に大きな島。
隣には、マグロ漁の“マッタンツァ”で有名なサン・ピエトロ島があります。
サンタンティオコ島には美しい砂浜がたくさんあり、ビーチリゾートとしても人気。
でもその割には観光客が少なめで、ちょっとした穴場なんだとか。


海も空ま真っ青のサンタンティオコ島

潟の夕暮れ時


島の伝統的な衣装



塩田は、正確には島にあるのではなく、島の向かい側の、サルデーニャ島のコルティオイスという所にあります。

サンタンティオコの塩田



この塩田は、以前はイタリアたばこ法人が所有していましたが、現在は大部分がSalapia Saleという企業に買収されています。
この企業はプーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイアの塩田も所有していて、本拠地もマルゲリータ・ディ・サヴォイアにあります。
資本の5%はマルゲリータ・ディ・サヴォイア市の出資。
海塩だけでなく、トスカーナのヴォルテッラにある岩塩の鉱山も所有している大企業です。
つまり、実際の経営はプーリア側に握られている訳です。

Salapia Saleが、マルゲリータ・ディ・サヴォイアやサンタンティオコの株式を取得したのは2003年のこと。
その後リストラなども行っていて、効率重視路線が一段と強くなっているようです。

サルデーニャの塩は、主に工業用に使われていますが、家庭用の塩もあります。
プーリアの塩と同様、安定した品質とお手頃な価格、というイメージでしょうか。
家庭用の塩は、各メーカーがこの塩田の塩を仕入れて加工して販売しているので、市場には様々なタイプのサルデーニャの塩があります。
今後サルデーニャの塩がどのような姿になっていくかは、経営者のプーリア側とサルデーニャの塩業界との関係次第ですね。



おまけ

車エビの岩塩焼き
ブランデーで火をつけて・・・。


うちの生ハムは未精製の海塩しか使いません


イタリアの塩事情は、なかなか複雑なようですねー。
大量に出回っているのは、日本と同じで、天日塩を仕入れて、それを一度溶かしてから再び塩にした再生加工塩。
イタリアの天日塩は、大きく分けると、近代的な設備で大量生産した塩と、伝統的な製法で作られた自然のままの塩の2種類。
伝統的な製法の塩の中でも、すべて手作業ともなると数倍の値段。
安い手作り塩というのはあり得ないんですねえ。

どうやら、単純に産地だけで塩を判断することはできない様子。
そう思って改めてイタリアの塩を日本のサイトで探してみたら、天日塩を加工したものがほとんどなんですね。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年11月号(クレアパッソで販売中)
“世界の塩、イタリアの塩”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.16に載っています。


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