オリーブの話、続けます。
今回はリグーリアのオリーブ、タッジャスカ taggiasca。
イタリア産オリーブの中でも特に知名度が高い品種。
でも、知られている割に生産量は少なく、イタリアのオリーブ全体のわずか0.5%だとか。
タッジャスカ, photo by funadium
イタリアのオリーブの中では最小の部類に入るくらいの小粒。
塩水漬けのタッジャスカは、脱色したような紫がかった赤茶色という、とても地味な色。
外見はそれほどインパクトはないんですが、名前は有名。
オリーブオイルも有名で、リヴィエラ・リグーレという、フルーティーでデリケートなDOPオイルのベースにも使われています。
タッジャスカは、インペリア県のタッジャという町で修道士が栽培していたオリーブ。
インペリアを中心としたリグーリア西海岸で主に栽培されています。
リグーリア料理には欠かせない食材ですが、そもそもリグーリア料理自体があまり知られていない!
タッジャスカオリーブ入りの代表的な料理は、うさぎ肉のリグーリア風煮込みあたり。
この料理、リグーリアの名物料理の一つと言われているんですが、いったいどんな料理?
こんな料理↓。
うさぎを丸ごと1羽、内臓ごと使います。
玉ねぎ、にんにく、赤唐辛子、ローズマリー、ローリエ、タイムのソッフリットに切り分けたうさぎを入れて焼き、白ワイン(ヴェルメンティーノなら本格的)とトマトを加えて煮ます。
さらに内臓とタッジャスカオリーブを加えて10分煮込んで出来上がり。
トマトが入らないバージョンもあります。
タッジャスカの特徴は皮が薄くて味にくせがないことなので、リグーリア料理でなくても様々な料理に使われています。
肉にも魚にも合います。
次の動画は、クルマエビ、ブロッコリーのクレーマ(動画の製造元の製品)、タッジャスカオリーブのソースのグラニャーノのスパゲットーニ。
次ははバッカラ・マリナート。
2日間塩抜きしたバッカラを刻み、タッジャスカオリーブ、2~3日かけて塩抜きしたサリーナのケッパー、パキーノのミニトマト、レモン汁、バジリコ、リグーリアのオリーブオイルという、オールイタリアンな食材でさっとマリネした一品。
オリーブの話、次回はラツィオのオリーブです。
-------------------------------------------------------
関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年6月号
「オリーブ」の解説とリチェッタは、「総合解説」'07&'08年6月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
乾麺のパスタを赤くするには・・・。パスタ・コロラータのバリエーション。
(CIR 2022年1月号 )のリチェッタから、今日は真っ赤なスパゲッティのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノです(日本語訳はP.3)。 写真を見ると、これ以上はない赤いスパゲッティです。もちろん、フレッシュパスタではなく、スパゲッティです。 いったいどうやってこんなに赤...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
(CIR)2月号の“ゆでないパスタ”というのは、たっぷりの沸騰した熱湯にパスタを入れて常に沸騰させながらゆでる、といういわゆる伝統的と呼ばれる昔ながらの方法でパスタをゆでない方法です。 プロの技を駆使しながらゆでないでパスタを加熱する方法を取り上げたのがこの記事です。 その一つが...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
2 件のコメント:
この前、超久しぶりにイータリーに行ったらオリーブオイルの大安売りをしていたので買ったら、タッジャスカのオイルでした。いつもは超安物のオリーブオイルを使っているので、味の差が歴然!
焼き野菜の酢漬けにかけるだけで、ものすごくうまいので驚きました。あ、店で食べるオイルの味だと思いました(笑)
くるりさん
毎日の料理に使う油にどこまでお金をかけれるか、シビアな選択を迫られる問題ですよねえ。
安めのプーリアのオイルを買う時でもたっぷり悩むし。
タッジャスカのオイルを10周くらいまわしかけたグリル野菜とか、おいしいでしょうねえ・・・(遠い目)
コメントを投稿