2011年1月20日木曜日

モンデギーリ

今日はモンデギーリの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。


モンデギーリmondeghili。

あまりイタリア語らしくないですが、イタリア料理の名前です。
正確にはミラノ料理です。

もっと細かく言うと、アラビア語の“ミートボール”がスペインに伝わってスペインなまりになり、それがさらにミラノに伝わってミラノなまりになった結果、この、イタリア人でも変に感じるモンデギーリという名前になった、という次第です。

こちらによると、最初はアラビア語の“al-bunduc”(アル・ブンドゥク?)という名前からスタートします。
これがスペインに伝わって“albondiga”(アルボンディガ?)になり、スペインからミラノに伝わってまず“albondeguito”(アルボンデグイート)になり、それが次第に“albondeghito”(アルボンデギート)になり、そして最後は“mondeghilo”(モンデギーロ)になったのだそうです。
まるで伝言ゲームですねえ。


スペイン語が由来の料理は南イタリアにはよくありますが、北の料理とは意外ですよね。
実はミラノは、16世紀半ばから18世紀初めまでの約170年間、スペインの支配下にあったんですねえ。
本当にイタリアと言う国は、地方ごとに複雑な歴史があります。


モンデギーリは名前はエキゾチックでも、実はミートボールのこと。
イタリアの他の地方では、ポルペッテpolpetteと呼ぶ料理のことですね。
2008年にはミラノ市公認のご当地料理、デノミナツィオーネ・コムナーレDenominazione Comunaleに認定されています。
元々は、ボッリートの残りを有効利用するために考え出された料理。
いわばミラノのB級グルメってやつでしょうか。


モンデギーリ作りの動画。
料理は2:15頃始まります。
後半はモンデギーリの名前の由来の話。





ボール形ではなく、ちょっと平らにするところがポイント。



ちなみに、こちらのサイトで紹介されている伝統的なリチェッタは・・・

・牛肉のボッリートの残りを挽いたもの300g
・卵1個
・ロゼッタ1個のクラムを牛乳に浸して絞り、裏漉ししたもの
・プレッツェーモロのみじん切り
・レモンの皮のすりおろし
・塩
をこねてくるみ大に丸め、やや平らにしてから小麦粉をつけてバターで揚げます。


一番シンプルなバージョンですね。
他に、パン粉をつけて揚げたり、チーズ入り、モルタデッラやじゃがいも入りなどのバリエーションがあります。



-------------------------------------------------------

関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年10月号
“モンデギーリ”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年10月号、「ボッリートのバリエーション」に載っています。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント:

トンカ豆はバニラの代用品として世に出ましたが、最近の日本のある出来事にそっくりの事実から使用が禁止されました。

きのうはオーストラリアのフィンガーライムとか、聞いたことないフルーツを紹介しましたが、(CIR1月号P.5)の料理で一番謎だったのは、fave tonkaです。 始めて聞いた名前です。いったい何なのか、想像もできません。 ドイツで行われたアイスクリームのワークショップでトンカ豆に...