2011年5月26日木曜日

アトランティックサーモン

今日はサーモンの話。
『ガンベロ・ロッソ』の解説です。

イタリアでサーモン料理と言えば、前菜の定番食材、スモークサーモンですかね。

スモークサーモンはイタリア語でsalmone affumicato(サルモーネ・アッフミカート)。
一年中流通していますが、イタリアで消費量がもっとも多いのは年末年始、次いで8月なんだそうです。
イタリア人も、パーティーシーズンや暑い季節にスモークサーモンを食べる、という訳ですね。


Insalata d'asparagi e salmone affumicato
スモークサーモンとアスパラガスのサラダ


Pasta con ricotta e salmone affumicato
リコッタとスモークサーモンのパスタ



イタリアなどヨーロッパで流通しているスモークサーモンは、主にアトランティックサーモン(大西洋サケ)を使っています。

イタリアでは、サケと言えばアトランティックサーモン。
ただし、天然のアトランティックサーモンは乱獲で絶滅の危機にあり、流通しているのはほとんどが養殖物。
イタリアのサケの大部分はノルウェー産で、あとはスコットランド、アイスランド、フェロー諸島(デンマーク)、チリ産あたりなんだそうです。
考えてみれば、サケが主役のイタリアの地方料理って、あまりないですよね。


天然のアトランティックサーモンはスポーツフィッシングの対象。
↓ノルウェーの川でアトランティックサーモンのフライ・フィッシングのレッスン中。






いまや世界中で流通している天然のサケと言えば、一部の例外を除いて、アラスカやカナダ、日本など、北太平洋沿岸のものだけなんだそうですねえ。
そもそもアラスカでは、生態系と地元産業の保護のために、魚の養殖自体が禁止されているそうで。

その一方で、養殖のサケは急激に増加中。
ここ10年の増加率は400%だとか。
サケの養殖の発祥地ノルウェーでは養殖はライセンス制で、登録されている業者は830もいるんだそうです。

『ガンベロ・ロッソ』の記事では、
「養殖物でも、魚や消費者の健康が最低限考慮されているものであれば価値はある。
現在は以前と比べて飼育密度が多すぎないように抑えられ、餌もなるべく自然のものを使うようになってきた」
と言っています。
ただ、「チリ産はまだ品質が一定のレベルには達していない」という一文もあるのが気になる所。

一体、サケの養殖はどのように行われているのでしょうか。
お馴染みの魚なのに、実はよく知らない!

次回はサケの養殖の話です。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年1月号(近日中に販売開始予定です)

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