パレルモの話、その3。
ストリートフードの続きです。
前々回の記事の最後の動画に少しだけ登場したフリットラfrittola。
これも、パレルモのディープなストリートフードです。
フリットラのパニーノ
↓フリットラ作り。
フリットラの原料は、肉を解体した時に骨の周りに残ったくず肉、筋、脂身、軟骨。
この動画の屋台では、これらをまず、それ自身の脂でソッフリットにしてから、スパイスを加えてゆでています。
屋台では、フリットラをパンにはさんだり(パニーノ・コン・フリットラpanino con frittola)、そのまま油紙にのせて(カルタータcartata)売り、それにこしょうやレモン汁をかけて食べます。
パンや紙に盛る時や、紙に盛ったフリットラを食べる時は、手づかみ。
手も口も、ギトギトになります。
やっぱりこれも、男前な食べ物。
というか、ミルザ(脾臓)やパネッレより上級編で、パレルモ度が一段上です。
最近では屋台の数が減っているそうです。
パネッレやフリットラの他にも、このブログでパレルモのストリートフードをいくつか取り上げたことがあります。
脾臓のパニーノのパーネ・カ・メウサPane ca' meusa(ブログの記事)
ピッツァのようなフォカッチャ、スフィンチョーネSfincione(ブログの記事)
子羊や子牛の腸の炭焼き、スティッギオーラStigghiola(ブログの記事)
この他にも、ディープなところでは、ムッソMussoとカルカニョーラcarcagnolaなんていうのもあります。
ムッソはゆでた豚の鼻で、カルカニューラはゆでた豚足。
レモン汁をかけてサラダやパニーノにします。
ムッソとカルカニョーラの屋台
↑
この人、『ヴィエ・デル・グスト』に写真が載っていました。
逆にライトなところでは、アランチーナArancina。
パレルモでは、男性名詞のアランチーニaranciniではなく、女性形のアランチーネarancineと呼びます。
アランチーネの話は次回に。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2009年2月号
“パレルモ”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年2月号に載っています。
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