2013年1月31日木曜日

なすのベッカフィーコ風

今日は『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説。

質問です。
ベッカフィーコ、パルミジャーナ、カポナータ。
これ、なんの料理でしょうか。
答えは、なすです。

サレルノの市場の風景
 ↓
IMG_6766


なすは南イタリア料理には欠かせない野菜ですが、原産地はインド方面。
ヨーロッパに伝わったのは中世の頃と比較的遅いですが、珍しく新大陸原産ではないんですね。

イタリアのなすは、細長いタイプと丸いタイプの2種類があって、細長いタイプは使う前に粗塩を散らして2時間ぐらいアク抜きをします。
丸いタイプはアク抜きの必要はありません。


さて、冒頭に掲げたナス料理ですが、まずはベッカフィーコ。
これは以前、取り上げたことがあります。
こちらのページ

この料理は、ベッカフィーコという、熟したいちじくだけを食べる野鳥を使った、シチリアの貴族料理を、小鳥の代わりにイワシを使って庶民が再現したものですが、小鳥の代わりのイワシを、さらになすで代用したという農民バージョンが、なすのベッカフィーコです。
イワシのベッカフィーコはシチリアの東と西ではリチェッタが違って、巻くタイプとはさむタイプがありますが、なすのベッカフィーコもそうです。

“グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの」『シチリア』 から、リチェッタをどうぞ。

なすのベッカフィーコ風 Melanzane a beccafico
材料:
 なす・・2個
 イタリアンパセリ・・1本
 バジリコ・・1本
 パン粉・・150g
 レーズン・・50g
 松の実・・50g
 おろしたペコリーノ
 ローリエ・・4枚
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・なすは厚さ1㎝の輪切りにしてざるに入れ、塩をたっぷり散らして1時間アクを出す。
・イタリアンパセリとバジリコのみじん切り、パン粉(大さじ1は別にする)、ぬるま湯で戻して絞ったレーズン、松の実、ペコリーノ大さじ2、塩、こしょうを混ぜる。
・なすはさっと洗って水けをふきとり、混ぜた詰め物を大さじ1ずつのせて巻く。
・オーブン皿に油をたっぷり塗り、巻いたなすを入れてローリエのみじん切りと残しておいたパン粉を散らす。油をまわしかけ、200度のオーブンで10分焼く。
 


詰め物はレーズン、松の実、ペコリーノと、シチリアの香り満載ですね。
イワシのベッカフィーコより、ややリッチな詰め物のようです。
アンチョビや卵を加えたり、玉ねぎのソッフリットを加えるリチェッタもあります。
はさむタイプは油で揚げます。
このタイプのリチェッタと写真はこちら
なすを縦にスライスするので、形はコロッケそっくり。




-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年7月号、記事“なすの新家庭料理”のリチェッタは、「総合解説」2011年7月号に載っています。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント:

トンカ豆はバニラの代用品として世に出ましたが、最近の日本のある出来事にそっくりの事実から使用が禁止されました。

きのうはオーストラリアのフィンガーライムとか、聞いたことないフルーツを紹介しましたが、(CIR1月号P.5)の料理で一番謎だったのは、fave tonkaです。 始めて聞いた名前です。いったい何なのか、想像もできません。 ドイツで行われたアイスクリームのワークショップでトンカ豆に...