2013年4月12日金曜日

ローマのユダヤ料理

今日はローマのユダヤ料理の話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

ローマのゲットー
 ↓



ローマのゲットーには独特の雰囲気があるけれども、歴史の古い地区なので、街に溶け込んでいて、人によっては気が付かないで通り過ぎてしまうかも。

でも、歩いている人たちが明らかにユダヤ人と思われる服装やひげなので、ローマにいながら異国情緒も感じます。

ローマのユダヤ人コミュニティーは、ヨーロッパ最古。
紀元前からあります。
ユダヤ料理は、ローマ料理の柱の一つととして、今や欠かせないものになっています。

ユダヤ教は、食べてはいけないものがあれこれあります。
豚、タコ、イカ、貝などの軟体動物、馬。
血を食してはいけない。
生きている動物の肉はだめ。
親のミルクで子を煮てはいけないので、肉とミルクを混ぜるのはだめ。
他に何がありましたっけ。
家畜をさばく方法も決められています。

ローマ法王によって、大型の魚を食べてはいけないという命令まで出されたそうです。
皮肉なことに、この時、売れ残った小魚を使って作ったズッパ・ディ・ペッシェや、アンチョビとエンダイブが、今ではローマの名物料理の一つなんだそうです。


豚肉を保存加工する技術が発達したイタリアで、豚肉を食べてはいけないなんて、もったいないなあ。
とは言え、レストランで肉を食べられないかと言うとそうでもなく、カルネ・セッカなんて名物料理もあったりします。


解説にリチェッタを載せた料理がいくつかありますが、記事に写真がなかったので、動画を探しました。

まずはトルツェッティ。
エンダイブのことをこう呼ぶんですね。

トルツェッティ(エンダイブ)のオーブン焼き
  ↓



ゆでた後にオーブンで焼きます。
これならエンダイブ1個丸ごと食べられそうですね。

次はズッキーニのコンチャ。
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ローマ種のズッキーニを使います。
一種のオイル漬けですね。
アーテイチョークのローマ風といい、野菜に徹底的に火を通すんですね。

シャバット風リゾットは画像が見つかりませんでした。

このシャバットというのは、安息日のことで、なにもしてはならない日。
なんと、労働も調理も、火を使うのもダメなんだって。
金曜の日没から土曜の日没まで。
大変ですねえ。

おまけ。
解説でも紹介しているユダヤ料理のレストラン、タヴェルナ・デル・ゲットーの動画でもどうぞ。
 ↓


メニューにカルボナーラがありますねえ。
豚肉の代わりに何を使っているんでしょう。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年8月号、“ローマのユダヤ料理”の解説は、「総合解説」2011年8月号に載っています。

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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...