地方料理のトリッパについて「総合解説」の補足説明をしています。
今回はヴェネトのトリッパについて。
リグーリアのトリッパと同じくらいあまりお馴染みじゃないと思いましたが、記事によると、どうやらそうではなさそう。
ヴェネトのトリッパ料理の代表は、“ルメガルrumegal”です。
ルメガルとは、ずばりヴェネチアの方言で牛の第一胃のこと。
ヴェネチアと言えば、グラスワインを飲みながらつまみを立ち食いするイタリア版タパスことバーカロbàcaroが有名ですよね。
ルメガルは、このバーカロで出すつまみ、チケーティcichéti(ストゥッツィキーニ)の一種です。
ヴェネチアのチケーティと言えばイワシのイン・サオールとかバッカラ・マンテカートとかゆでダコとかに目が行きますが、内臓類のメニューもあるんですねー。
チケーティの盛り合わせ。
↓
新入荷の本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』で紹介しているのは、1896年創業のオステリア・ダ・コドローマ。
チケーティのリチェッタも載っていますが、この本、食べ歩きガイドとしても使えますねー。
ダ・コドローマ
↓
スプリッツ飲んでますねー。
時間帯のせいか、カオスのようなヴェネチア中心部のバーカロと比べると、天国のような落ち着いた雰囲気。
ここ行きたーい。
店のwebページはこちら。
ちなみに、ルメガルは、標準語ではルミーネrumine。
ルメガルは、第一胃の一番厚くて脂肪がある部位をゆでて塩とオイルで調味したもの。
残念ながら写真は見つからず。
第二胃は蜂の巣状の胃袋、レティコロ。粉をつけて揚げると美味しい部位だそうです。
第三胃は剥片が重なり合ったようなオマーゾ。
もっとも脂肪が少ない部位で、ミラノ風ズッパに使います。
第四胃、アボマーゾは黒ずんで脂肪分が多い胃。
フィレンツェのランプレドットになります。
地方料理のトリッパは、様々な個性があって、並べてみると面白いですねー。
「総合解説」では、ナポリ、ローマ、モンタルチーノ、ミラノ、リグーリアのリチェッタを紹介しています。
あれ、イタリアのトリッパの代表ともいえるファレンツェ風とランプレドットがないなあ。
では、次回は、トスカーナのトリッパの話です。
-------------------------------------------------------
“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
キャビアはしばらく見ないうちにずいぶん種類が増えてました。
(CIR12月号)の話、今日はクリスマスにふさわしいゴージャスな食材、キャビアとトリュフの話です。 カスピ海のチョウザメの 卵を初めて塩漬けにしたのは、2千年前のペルシャ人だと言われています。それをロシアの皇帝が輸入して宮廷に取り入れたところ、キャビアは黒い金と呼ばれる高級品と...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
(CIR)2月号の“ゆでないパスタ”というのは、たっぷりの沸騰した熱湯にパスタを入れて常に沸騰させながらゆでる、といういわゆる伝統的と呼ばれる昔ながらの方法でパスタをゆでない方法です。 プロの技を駆使しながらゆでないでパスタを加熱する方法を取り上げたのがこの記事です。 その一つが...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿