クリスマスの伝統料理の話、続けます。
とは言え、クリスマス料理だと思うと東アジアからはあまりに縁遠い料理のように感じますが、要は1年で一番のご馳走メニューだと思って見れば、別に12月25日にこだわる必要もなくなって、少しは身近になるかも。
一族が集う食事は楽しそうですね。
ただし嫁としてこの場にいる人は、単純に楽しいじゃすまないだろうなあ。
ご苦労さまです。
上の写真はボルツァーノのある家族。
写真に添えられたコメントによると、今年はカッペッレッティじゃなくてパスティッチョにしたのだそうです。
どうやら家族の中の有力者がパスティッチョがいいとメニューを決めたみたいです。
パスティッチョはおとうさんが毎週日曜日に作っていた得意メニューなんだって。
で、家族の他のメンバーは全員カッペッレッティを推したのですが、有力者には逆らえなかったみたい。
この平和そのものの家族の晩餐の裏には、そんなやり取りがあったとは。
余談ですが、私にとってイタリアの家族の晩餐と言えば、↓この映画のこの風景。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の『家族の肖像』の1シーン。
そもそも、この映画にはまってイタリアに興味を持つようになったのでした。
イタリアの貴族の方々は、家族同士でもこんなにおしゃれして気取って食事するのかと、10代の私にはちょっとしたカルチャーショックでした。
これがヴィスコンティの世界か、まあフィクションの世界の話だもんねなんて思ってたんです。
でも、若かりし頃、イタリア語を勉強に行ったフィレンツェの下宿先で、歴史的な古い建物の大きなダイニングルームで、大家さんの誕生日を祝いに来た孫娘が、ばっちりメイクしてお洒落して、プレゼントを渡しながら頬にキスをするのを見て、うわー、家族の肖像みたい、と感激したものでした。
でも、私もお誕生日おめでとうと言いながらキスするのかと考えると、絶望のどん底。
震えながら順番を待ったものでした。
次号の「総合解説」には、“家族で過ごすクリスマスのプランゾ”という記事も訳しています。
この記事によると我が家でクリスマスを迎える時は、小さな子供まで一番エレガントな服を着ているのですよ。
お父さんなんかネクタイしてるし。
でも、一番上の写真を見る限り、そんな家庭、ほんとにあるのか疑問がむくむくと湧いてきますが。
横にそれましたが、料理の話に戻ります。
クリスマスのディナーのメインは、シチリアのファルソマーグロとカンパーニアの去勢鳥のリピエーノを紹介しています。
どちらもゴージャスな肉料理ですが、ファルソマーグロはゆで卵のインパクトが大で楽しい料理。
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