イタリア料理ほんやく三昧: アンチョビ・アル・ヴェルデ

2017年11月27日月曜日

アンチョビ・アル・ヴェルデ

今、「総合解説」のためにピエモンテ料理のリチェッタを訳しています。
そのために、ピエモンテ料理の本を何冊か読みました。
そしてあることに気が付きました。
だいたい料理書に載る料理は、アルファベット順で、分類は前菜からです。
なので、どの本もaから始まるある前菜が最初の1品となります。
この料理が、見事に、面白いくらいどの本も一緒なんです。
もしピエモンテ料理の本がお手元にあったら、ちょっと見てみてください。
それは多分、acciughe al verdeですよ。
 ↓
Acciughe al Verde

ピエモンテと言えば、山のふもとという言葉がその名の由来になっているわけで、アルプスとアペニン山脈に囲まれています。南はポー河流域の平野、北にはマッジョーレ湖があります。
ランゲ地方など、ワインの産地として有名なのは丘陵地、州都のトリノはイタリアとフランスの結びつきの中心となった国際都市。米の栽培量はヨーロッパ一。
とまあ、なんでもある州なんです。
ところが、そんなピエモンテにも唯一、ないものがありました。
海です。
そうなんです。
ピエモンテには海がないんです。
そんなピエモンテの料理の本が、アンチョビのヴェルデソースから始まる、というのは意味深ですね。
このアンチョビは生ではなく塩漬けです。
山を挟んでお隣のリグーリアから届きます。
リグーリアのアンチョビで思い出すのが、チンクエテッレのモンテロッソ。
チンクエテッレは海が荒れやすく、海への道路も不便で、皮肉なことに、魚は地元の町にはあまり行き渡っていないのでした。
そんな中で、モンテロッソのアンチョビだけは、産卵のために海面下に群れを成して現れるので採りやすく、塩漬けアンチョビは地元の名物として知られるようになったのでした。
リグーリアからの行商人が売り歩いたりや南ピエモンテの商人がフランスの沿岸地方から仕入れたアンチョビは、ピモンテの名物前菜になるほど広まりました。
海のないピエモンテでアンチョビを食べたいと思う観光客はあまりいないかもしれませんが、この料理のもう一つのポイントはヴァニェット・ヴェルデと呼ばれるグリーンソース。
イタリアンパセリのソースですが、ピエモンテ名物の肉料理、ボッリート・ミストに欠かせない肉用のソースにもなります。







このアンチョビ料理に合うワインはガヴィかグリニョリーノだそうです。



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