2018年1月10日水曜日

野鳥のブロードのタリオリーニ・イン・ブロード

さて、ジビエです。

『カッチャジョーネ』を読んで、ジビエ料理の基本は、さばき方と適切な熟成具合を知ることと学びましたが、これはおそらく狩人の領分。
なんとこまででまだ冒頭の10ページ。

料理人としての初歩は、ブロードを取ること。
イグレス・コレッリシェフの、料理と同じ動物のものからとること、塩は水分が減って濃度が濃くなるので少量だけ加えること、蓋はしないで煮ること、野生の哺乳類は脂肪が少ないのでアクを取る必要がない、解体して骨を取ったらすぐに冷凍し、ブロードも作ったら少量ずつ冷凍して保存する、などの細かいアドバイスもあります。

それでは、野鳥のブロードのリチェッタを訳してみます。

Il brodo di selvaggina da piuma
材料/2ℓ分
内臓を取って下処理した丸ごとの野鳥・・約1㎏
野鳥のガラと切り落とし・・1~数羽分
にんじん・・2本
玉ねぎ・・1個
セロリ・・1本
ローリエ・・1枚
葉なしのイタリアンパセリの茎・・2~3本
粒黒こしょう・・小さじ1
クローブ・・1個

水・・5ℓ

・玉ねぎは皮をむいてクローブを刺す。
・全部の野菜を下処理して他の材料と一緒に水に入れる。
・沸騰させ、弱火で、アクを取りながら約1時間30分ゆでる。
・野菜を取り出してさらに1時間ゆでる。
・ブロードを漉して冷ます。氷水に宛てて冷ましてもよい。
・肉はパスタの詰め物やポルペッティーネに使ってもよい。

本ではさらに哺乳動物のブロード、フォンドと続いていきます。

フォンドについてはいまさら説明することもないと思いますが、サルサのベースとなるもので、ブロードより手間暇がかかります。
なので、次は、どの料理もとても美味しそうなこの本から、野鳥のブロードを使った1品の紹介です。

フォアグラのラグーとグラナ・パダーノのタリオリーニ・イン・ブロード
Tagliolini in brodo con ragù di fegato d'oca e Grana Padano
 ヴェローナのIl Descoのエリア・リッツォ・オーナーシェフのリチェッタ

材料/4人分
タリオリーニ;
小麦粉・・200g
卵・・2個
塩・・一つまみ
ブロード・・1/2ℓ
トッピング;
フォアグラ・・200g
グラナ・パダーノ・・50g


・タリオリーニを作る・小麦粉、卵、塩をまぜてこね、弾力のあるなめらかな生地にする。
・麺棒で薄めに伸ばす。
・打ち粉をして巻き、幅3~4㎜にカットする。
・ブロードを沸騰させてタリオリーニをゆでる。
・フォアグラを小角切りにして調味料は加えずに2分炒める。
・パスタとブロードを皿に盛り付けてフォアグラとおろしたグラナ・パダーノ大さじ数杯を加える。熱々をサーブする。

この料理はぜひ写真を見ていただきたかった。
ひたひたのブロードで覆われた姿は超美味しそうですが、実はラーメンそっくりです。
イメージ画像
断面が丸い麺だとラーメンそのものですが、平麺はもう少しパスタ感アップ。

これはヴェローナのレバーのタヤリン。
そういえば、ヴェネトはレバー料理の本場でした。
この写真の料理のレバーとブロードは鶏。

野生のガチョウ



ミートボールのタリエリーニ・イン・ブロード



冬にぴったりの熱々のパスタです。

次回はもう少し身近な野鳥、マガモのパスタです。



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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

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